三重県多気郡大台町の大杉谷にある滝。大杉谷に入るルートは下流の宮川ダムから行く方法と、奈良県上北山村の大台ヶ原から行く方法がある。どちらから行っても七ツ釜滝の近くにある桃の木小屋に泊って2日掛かりで行くのが一般的である。しかし、2004年9月の台風21号による集中豪雨で橋は流され、山が崩れ、大杉谷登山道は通行止めとなっている。そのため桃の木小屋も閉鎖中である。
未だ復旧の目処が立たないので、2007年5月4日にとりあえず現地へ行って状況を見てみることにした。宮川ダムから行けば高低差が少ないが流失した橋の状況が判らない。そのため、高低差があり体力的には厳しいが大台ケ原から日帰りで行くことにした。
国道169号線の新伯母峯トンネルの北側から県道40号線に入り、20km弱走ると大台ケ原の駐車場があり、ここからスタート。行程は片道約9kmで、駐車場から日出ヶ岳山頂までは登り(高低差
約120m)、それから七ツ釜滝までは急坂を降りる(高低差 約1140m)。往きはほとんど下りなので駐車場から4時間で七ツ釜滝の展望所へ到着。ここで七ツ釜滝や下流の小滝、七ツ釜滝の上の釜等を撮影し、昼食を取ったりで2時間程費やした。帰りは大杉谷の他の滝を撮影しながら、また粟谷小屋で30分程の休憩を取り、急な登り返しを6時間掛けて駐車場まで辿り着いた。朝6時に出発して駐車場に帰ったのが夕方の6時でした。日帰りと言う同じ条件では、100選滝中最も過酷な行程であった。
七ツ釜滝は宮川本流に懸かり落差約100mから7段になって落下し、それぞれにエメラルドグリーンの綺麗な釜を持つ滝で、「日本の滝百選」にも選ばれている大杉谷を代表する滝です。展望所からはその内の3段が見れ、ここからの景観は素晴らしい眺めです。
七ツ釜滝上流の本流には落差40mの光滝が懸かっている。水量も高さも姿も綺麗で申し分なく、この滝も100選クラスの素晴らしい滝でした。
更に上流の隠れ滝橋の下には、落差15mの隠れ滝が落ちている。本流に懸かる滝なので水量は多いのですが、橋のワイヤロープが邪魔になります。
その少し上流には右岸から宮川本流へ落ちる与八郎滝が、対岸に見える。水量は少ないが高さはかなりあると思われる。
そして、堂倉谷との出合に懸かる落差20mの堂倉滝も素晴らしい滝です。この滝も水量が多く、大きな滝壺へ落下する様は迫力があります。
(注)、堂倉避難小屋から宮川ダムまでの登山道は通行止めで現在立入禁止です。5年計画で登山道の修復を行うそうで、現在調査、検討を行っています。これから工事が始まれば更に危険なので大杉谷へ入ることは出来ません。光滝と七ツ釜滝の間で発生している「岩なだれ」は山全体が崩れて谷を埋め尽くし、登山道はここで完全に途絶えています。ここをどのように迂回するのか大工事になると思います。5年後には登山道も修復され、桃の木小屋も再開され、ゆっくりと大杉谷を楽しめる日が来ることを願っています。
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展望所から七ツ釜滝 (四〜六番目) |
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七ツ釜滝 (二〜三番目) |
七ツ釜滝 一番上の釜 |
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七ツ釜滝 七番目の釜(展望所の直ぐ下) |
七ツ釜滝下流の小滝(落差7m) 水が綺麗 |