「かってに改蔵」の感想2

新装版1・2巻 おまけ 人生相談
22巻 第五話 四苦八苦
20巻 第四話 擬音祭




2010年4月19日(月)『かってに改蔵』新装版1巻2巻:表紙なんのバトル漫画かと

 『かってに改蔵』新装版1巻2巻を購入したので、その感想を。

とにかく懐かしいです。12年前だもんな...ポケベルとか出てきてるし。
あと、当時わからなかったことが今ならわかる、という発見もあります。

『今夜は眠れない!!』の「ひょんなことからの”ひょん”って何?」は「凶」の唐音で、『ファッション大魔王!?』の羽美ちゃんの質問「ジーパンの小さいポケットは何のためにあるの!?」は、炭坑の「ウォッチポケット」の名残らしいです。

 オマケは充実していると思います。カラーページがあるだけでありがたいです。
インタビューは「久米田先生にそれを聞くの!?」という気持ちになること多数。

改蔵ファンブックのインタビューでは度々不安定な様子を見せていましたが、2巻では「破滅型の作家になるにはどうしたらいいんだろう」とおっしゃるなど、完全に破滅型の外側にいて、インタビュアーの言うように貫禄がついて丸くなられているところも印象深いです。

オマケ漫画では今の作風で描く『改蔵』も見れたり、それだけでお腹いっぱいでした。
特に1巻では改蔵が絶望先生のコスプレをしていて、ファンサービスにも程があります。

でも一番レアだと感じたのは、目次に掲載されたネーム帳らしきものです。
一瞬なんか見てはいけないノートかと思いましたが...久米田先生の直筆たまりません。

 巻末では読者が久米田先生の悩みに答える人生相談が企画されていました。

ちなみに7年前の悩み相談企画↓

リアルタイム『改蔵』連載時の悩みは「私は生きていてもいいのでしょうか?」「あややとミキティーが同時に告白してきたら、どっちを選べばいいのでしょうか?」等、とても漫画家、いや大人の相談と思えなかったのですが、7年経った現在の悩みはいかに。

1巻「海外で売れる漫画が描きたい」
ちん回答:漫画という仕事に対し非常に前向きになってますね。
そういう悩みを抱くようになっただけで大躍進だと思いますよ。
(語り口といい解決になってないところといい、カウンセラーっぽい回答)

2巻「老後のことが心配なのです」
ちん回答:......重いです。7年前の悩みとは明らかに次元が違います。
金銭面ではなく孤独死についての心配ということですが、確かに切実な問題です。
「前田君と添い遂げればいい」と言ったら「腐女子自重しろ」と言われるのだろうか。

これらの悩みに対し、どのような回答が来るのか楽しみです。
ただ次の新装版購入は、現段階では熟考に熟考を重ねます(政治家的言い回し)。


 新装版と言えば、『快僧のざらし』(山上たつひこ)も新装版が発売されました。
高橋留美子先生の「わたしにとって、今でも笑いのバイブルです」という帯が目印です。
全編完全収録版ということで、今までの再版でカットされ続けたヒロイン・さつきちゃんのパイパン姿がちゃんと収録されているので、興味持たれた方はぜひ読んでみてください。


2009年9月30日(水)『勝手に改蔵』22巻・第五話:「4×9=36 8×9=72」
〜(9×6)+(9×6)=108

 22巻、第五話「4×9=36 8×9=72」は「若い時の苦労は買ってでもしろ」というテーマで、初めて「絶望した!!」(BY 羽美)という名台詞が生まれた記念すべき回です。

そのシーンに入る前に「生きる事自体が苦しみ」と羽美ちゃんは言ってましたが、「少年サンデー」の巻末コメントで「苦しい時はどうやって乗り越えていますか」という質問にも、久米田先生は「生きる事自体が苦しみなのですよ」と答えていました。

ちなみに、高橋留美子先生のコメントは「もっと苦しかった事を思い出す」でした。
両先生とも漫画家というより和尚さんの言葉みたいだなと、しみじみしたものです。

 あと、記憶に残る両先生のコメントは「過去の自分に一言」という質問の答え。
高橋留美子先生の答えは「大丈夫だから」で、なんだかグッときました。
一方、久米田先生は「ジャンプに持ってけ」(※伏せ字無し)でした。

このコメント有名なので覚えてる方も多いと思います。
当時サンデーとの付き合いに苦労してるのかと心配せずにいられませんでした。


 この回のサブタイトルにもある「四苦八苦(4×9=36 8×9=72)」ですが、この和は108、すなわち煩悩を意味している、という話を聞いたことがあります。

あらゆる苦労は煩悩によるものなので、煩悩を捨てれば苦労から解放されるわけです。
でも煩悩を捨てること以上の苦痛はないと思います。

 羽美ちゃんの「絶望した!」という台詞が出た後の「まあ子供たち!明るい未来は...ない!!さよならたくさんの未来たち!!」(自転車で子供たちを蹂躙)「変なお姉さんが出たーっ!!」の流れで爆笑する自分は、一生煩悩と縁を切る事は出来無いでしょう。


2009年5月17日(日)『かってに改蔵』20巻・第4話「ぼくのハートはメロメロさ!」
 〜高橋留美子先生の作品に出る「なぐるけるのぼうこう」という擬音(?)が好きだ


 約一年ぶりに『かってに改蔵』の感想。

京都の祇園祭とかけた「擬音祭り」という、新たな擬音を生み出す祭りの話について。
あの、各界に影響を与えた名擬音「めるめる」(メールを打つ音)が誕生した回です。
あと「いいとも」ではこの回が載った後「擬音祭り」という名のゲームが始まりました。

 擬音は奥が深いです。

フライパンを遠くに投げる音「ゆんっ!」等の独特な擬音を話に織り交ぜる、擬音師匠と呼ばれる芸人宮川大輔「擬音語と擬態語の中間のような、耳で聞いたというよりその時の感覚、感情と結びついてくるという変な音で、ますます話を盛り上げていく」のだそうです。
※参考記事「話を見せる芸人、宮川大輔」(宮崎晃)


 漫画に擬音は欠かせません。

今回は擬音祭り特集という事で

「ちんが今まで読んだ中で特に好きな擬音Best3」を紹介します。
※「めるめる」「ズガンボン」等の魅力的な擬音が多い久米田作品と、ジョジョ等の擬音で有名な作品を除く



第3位

『ワタリ』(白土三平)より

ヤマケが操る山猿が敵に襲いかかる音

左部分に注目

「ガギグゲゴウ」...シリアスな漫画だけに、こういうちょっとしたユーモアにときめく。



第2位

『魔神冒険譚ランプランプ』(絵/小畑健・話/泉藤進)より

ランプが月光魔神の股間にアタックした音

「ボキーン」...この作品を知ってた友達は、この必殺技だけ覚えてました
勃起→ボキーン、そのまんますぎというか、昔のエロコメみたいなノリです。

ところで『改蔵』の擬音祭りでは「アメリカの擬音はズルい。そのまんま言葉なんだもん」(爆発→BOMB・衝突→CRUSH)という台詞が出てきますが、日本にも似たような擬音に「食(は)む→はむっ(食べる擬音)」があります。



第1位

『幕末お笑い三人組』(山上たつひこ)より

近藤勇の池田屋襲撃


擬音か?

「おまんこ」...周りで唯一この作品を知ってる父は、このシーンだけ覚えてました

この音は宮川大輔の擬音の解説で言う、擬音語にも擬態語にも、擬音語と擬態語の中間にも、感覚、感情と結びついてる変な音にも当てはまりそうにありません。

 このコマを見たとき、未知の表現に触れた気がしました。
さりげなく「ふん(どし)チラ」してる所もポイント高いです。

第二・三位と共通するのは読者が「話は覚えてないが擬音は覚えてる」ということ。
つまり擬音は、ただ場面を補助するだけではなく、時に作品自体を超越するのです。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。ガモ〜ン



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