安房国札三十四ヶ所
 観音霊場巡りは、奈良時代に始まった「西国三十三観音」、弘法大師が設けたといわれている「四国八十八か所」、鎌倉の杉本寺にはじまり、那古寺が33番目の結願所となっている「坂東三十三観音」などが有名です。
 「安房三十四観音」もそのひとつで、鎌倉時代、疫病や飢餓で困惑していた人々を救うため、一人の行脚僧が「西国三十三観音」をなぞり、創設されたといわれています。
 午年と丑年に開帳されていますが、歴史を紐解きながらふるさと再発見というのはいかがでしょう。近隣局長のコメントとともに、ご紹介します。
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札所番号・寺院名・所在地 寺院外観 御詠歌 コメント

1

那古寺

館山市那古1125

ふだらくは
よそにはあらじ
那古の寺
岸うつ波を
見るにつけても
県指定文化財
重厚な建物
和泉式部供養塚などがあり、眺望良好
階段は60段程度

2

新御堂

館山市亀ケ原808-2

にいみどう
みあげて見れば
峰の松
くびこいつるに
かめいどのみず
ニイミドウと読む
亀ケ原八幡神社の隣にあり、昔山の上にあったが、火災で焼けた為、現在の元秀満院跡地に建てられた

3

崖観音

館山市船形835

ふなかたへ
参りて見れば
がけづくり
磯うつ波は
ちよのかずかず
大福寺
船形山中腹の崖に建立、朱塗りの観音堂は優美
館山湾の眺望は素晴らしい

4

真勝寺

富浦町青木173

はるばると
のぼりて見れば
真しょう寺
じゅんれんどうも
たのもしきかな
開創は不詳
本尊は光明皇后懐妊の折、難産救済のため立田川に流された尊像であると伝えられている

5

興禅寺

富浦町原岡275

寺を見て
今はさかりの
こうぜん寺
庭のくさきも
さかりなるもの
1345年に開創され、本堂は1905年に改築、庫裏は1966年に新築した

6

長谷寺

鋸南町勝山409

長谷寺へ
のぼりて沖を
ながむれば
にはまの浦に
たつは白波
勝山漁港沿いに、石段70を数え登りついた小高い山の中腹にあり、特に近くに住む漁師達の信仰を集めている

7

天寧寺

鋸南町下佐久間3180


天ねい寺
きいてたずねて
きて見れば
いつもたえせぬ
まつ風の音
寺の裏内はかなり広く、周囲は閑静な所で、風格のある大きな寺

8

日本寺

鋸南町元名184

はるばると
のぼればにほんの
山おろし
まつのひびきも
みのりなるらん
鋸南保田側の中腹にある曹洞宗の寺
寺のすぐ下まで車で登れるが、国道127号線からの入り口がわかりずらいので注意

9

信福寺

鋸南町大帷子字毛沢山637
しんぷく寺
のぼりて岸を
ながむれば
ほたのかわせに
たつは白波
すごく急で狭い坂道を登る
画家、中川一政の「山寺花」という文章に紹介されている

10

往生寺

鋸南町上佐久間1241

おうじょう寺
登りて見れば
ちしゅの花
いつもたえせぬ
のりのこえかな
門前百姓9軒置き、米三十石を耕作する大寺であった

11

金銅寺

鋸南町上佐久間字森1977

はるばると
のぼりて見れば
こんどう寺
はぎのはしらは
五六千本
本尊も鐘も遠地から戻る法力ある寺で、区民管理
12

福満寺

富山町合戸569

おもくとも
かるくのぼれや
富山へ
四方じょうどを
見るもごくらく
門前にある仁王像は、寛政年間、郷土の生んだただ一人の仏師「渡辺馬之助」により富山山頂に奉納されたもの

13

長谷寺

三芳村下滝田西ノ谷486-1
わけゆきて
きたりてみれば
にしのやつ
長こく字とは
めいしょなるもの
石段24段
やや急ではあるが、手すりがついていて楽々

14

神照寺

富山町平久里中413
朝日さす
夕日かがやく
神照寺
たのみをかくる
伊予のゆうだち
伊予ケ岳の登山口
平久里天神社の別当寺で、1872年に修験道の僧がいたという理由で大政官布告により廃寺

15

高照寺

富山町山田1162

大杉へ
きいてたずねて
きて見れば
ほとけのちかい
あらたなるもの
街道沿い
16世紀頃、山田・川名家により建立、牛の安産寺ともいわれている

16

石間寺

鴨川市下小原374

石のつま
峰よりおつる
たきの水
むすぶこころは
すずしかるらん
階段は91段
長狭平野の片隅に佇む

17

清澄寺

天津小湊町清澄322

ふきはらう
月きよすみの松風に
はまよりおきに
たつはしらなみ
日蓮聖人が当山で出家得度し、初めて題目を唱えた日蓮宗の大本山
境内には国指定の千年杉、きよすみしだれ桜、モリアオガエル等天然記念物有り

18

石見堂

鴨川市貝渚2261-1

石見堂
まいりて沖を
ながむれば
ふねにたからを
つむぞうれしき
波の伊八の龍の彫り物あり
鴨川松島を見下ろす

19

普門寺

和田町中三原270
ふもん寺へ
ひばらまつばら
分けゆけば
むぐみも深き
岩やなりけり
山門に駐車
閑静な佇まい

20

石堂寺

丸山町石堂302

ただたのめ
千手のちかい
両だすけ
二世あんらくを
かけてたのめよ
1300年前、奈良の僧恵命、東照が当地を訪れ、秘宝アショカ王塔を護持して、これを祀ったのが始まり

21

智光寺

三芳村山名1370

光明寺
のぼりのどけき
はるの日に
山名のはなの
ちるぞおしさよ
参道入口に仁王門
境内にある大銀杏は樹齢何百年とか

22

勧修院

三芳村上堀35

朝日さす
夕日かがやく
この堂へ
まいる人こそ
仏なるらん
入り口にはるお地蔵様は十三仏の中のひとつ
地域の人々の信仰を集める

23

宝珠院

三芳村府中687

あま寺へ
参るわがみも
たのもしや
はなのお寺を
見るにつけても
安房の守り神として建てられたお寺
安房八ケ所地蔵参り第一番

24

延命寺

三芳村本織2014-1

平尾山
のぼりて見れば
うどの原
出世はここに
七夕の松
里見家の菩提寺
昔はお坊さんを集めて教育する修行道場があった
8月16日に地獄絵が見られる

25

真野寺

丸山町久保587

夜もすがら
まのの入り江の
松風に
おばなぞ見ゆる
秋の夕暮れ
725年、行基菩薩によって開山
覆面千手観音と大黒天を安置

26

小松寺

千倉町大貫1057

小松寺と
きいてたずねて
きて見れば
ふしぎなるもの
おとおうが滝
奈良時代初期に役小角によって小さな庵が建てられたのが始まり
何度か焼失し、現在の寺は再建後135年経過

27

住吉寺

千倉町南朝夷1353

中嶋へ
まいりて沖を
ながむれば
いつもたえせぬ
波のあらさよ
真言宗
土佐与市の碑あり
与市は紀州の生まれで、天明の頃当地に至り、鰹節の製法を伝えた

28

松野尾寺

館山市神余4612

おもくとも
つみにはのりの
松のお寺
仏をたのむ
身こそたのもし
自性院
丘の上に立つ風格ある建物
階段はないが急坂を登る
市指定文化財

29

金蓮院

館山市犬石379
ずんといり
見あげてみれば
ひしゃくの塚
ごくらくじょうどは
犬いしのどう
山門有り
境内広く「大賀ハス」の池有り
風格ある建物

30

養老寺

館山市洲崎1331

かんのんへ
まいりて沖を
ながむれば
のぼりくだりの
ふねぞ見えける
境内に保育園有り
建物は小さくお堂のような感じ

31

長福寺

館山市館山928

かんのんへ
まいりて沖を
ながむれば
岸うつなみに
ふねぞうかぶる
城山公園近く
近代的な建物

32

小網寺

館山市出野尾859

はるばると
のぼりてみれば
小あみ山
かねのひびきに
あくるまつかぜ
山中にあり、山門仁王像あり
風格ある大きな寺
参道に小網寺、西行寺合併記念石柱あり
階段は50段

33

観音院

館山市西長田372

ふるさとを
はるばるここに
すぎもとへ
わがゆくさきは
ちかくなるらん
県道わき
お堂風の建物
境内に大きなくすのきあり

34

滝本堂

鴨川市平塚1718

 
ごくらくの
みのりはここに
大山の
千手のちかい
なをもたのもし
奈良時代に良弁僧正が開山境内からは,長狭平野や市街地が一望できる
本堂正面の庇には,波の伊八の獅子をあしらった作品が彫られている

番外

震災観音堂

館山市北条2549-4
あわやとて
たつまなきまに
きゆるみは
おなじはちすの
花のうてなに
北条海岸中村公園わき
黄土色の瓦屋根が目立つ瀟洒な建物
震災記念反省地蔵尊あり

番外

観音堂

鋸南町保田335
ありがたや
まことの道に
手引きして
ふきかえにしを
むすぶみほとけ
長狭街道のJR内房線踏切近く
真言宗
保田保育所入口

番外

水月堂

鋸南町勝山406

ありがたや
千手の糸を
つずみ来て
じひのみもとで
今ぞきるらん
長谷寺の近く
漁師達の信仰を集めている
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