
「魔法の杖」を求めるこころ
加藤諦三の「好かれる理由嫌われる理由」の心理学ががコンビニの500円本で出ていたので衝動買いした。
本との出会いは、後で購入すれば良かったといつも後悔しているので、500円という価格は私にとって魅力である。
表題の魔法の杖に本題を戻そう。
論語の「子曰く、君子求諸己、小人求諸人」
君子はこれを己に求む。小人はこれを人に求める。小人は常にこれをして、あれをしてと人に求める。
それゆえに、常にあの人は自分に「ああしてくれない、こうしてくれない」と不満を持つ。
君子は全てを自分に求める。その重荷を背負うことで自分を磨いている。
神経症型の人はこれを己に求めて得られず、不満になり最後には自分の人生に「魔法の杖」を求める。
神経症型の人は自分の人生を安楽にする「魔法の杖」を求める。そして魔法の杖で無いものを魔法の杖と思うことで、悲劇が生まれる。
「努力しないで出世する方法」「必ず上がる株」「必ず儲かるマンション経営」等、あるいは、自分に都合にいいことを言う異性を「魔法の杖」と思い込み信じて、最後には社会的に挫折していく。
神経症型の人は「毎日少しずつ良くなること」を期待して時を待てない。この薬を飲めば「スパッと良くなる」ことを期待する。神経症型のビジネスマンは企画で一発当てて社内の注目を一気に集めようとする。
この本で神経症者という言葉がたくさん出てくるが、これは、なにか症状が出て病院に通っている人でなく、心のバランスが採れなくなった人のことを指していると考えた方が良いだろう。
心のバランスの崩れた神経症者で自分でそのバランスを取り戻す行動ができない人は他人からの愛を得ようと4つの行動をすると言っている。
(1)何かをしてあげるといった賄賂を贈る。
これは、見返りを前提として相手に何かをしてあげること。そして、見返りが得られないと相手を恨む。
(2)自分がいかに苦しいかを訴える。
何かにつけて自分を被害者の立場におき、あるいは被害者の立場におき発言し、相手からの同情を求める。
同情が得られないと、誰も分かってくれないと、さらに苦しさを訴え続ける。
(3)正義に訴える。
相手が自分の思う通りに動かないと利己主義等と批判する。相手が自分を愛さないことは不当なこととし、相手を批判し、自分は正義の士としての感情に浸る。
(4)「自殺する」と騒いで愛を求める。
「死んでやる。」とか騒いで愛を求める。
いずれにしても、神経症者の心の底にあるものは、不安と憎しみであり、無意識に不安と憎しみがあり、意識的には自分は愛のひとであり、正義の士と思っている。
心理的に健康な人は何事においても「いくらかでも良くなる。」ことを、まずはめざす。
目標は、性格、病気、仕事に限らず「昨日より、今日、今日より明日、毎日少しずつ良くなること」でいい。そのためには、自分から動くことが必要。
今の世の中、自分からは、何もしないで、何か人がしてくれることをじっと待っているだけでは何も解決はしない。
魔法の杖をわざわざ持ってきてくれる魔法使いは存在しないし、魔法の杖も存在しないのだから。
とは、言いつつ、宝くじという魔法の杖を夢見る、自分もここにいる。
今の自分を受け入れ、日々良くなることを目指すこと
ゴールまでの道が遠いと嘆いているだけではいつまでたっても着かない。
そこに向かって一歩ずつ歩き出すことで、いつかゴールが見えてくる。