本番に強い脳と心のつくり方


本番に強い脳と心のつくり方
苫米地英人 PHP新書

人間がスポーツをする真の理由はIQを上げるためと著者は言い切っている。
ベストパフォーマンスを上げるための脳の操作法が身に付くから、その人の人生に大きく役立つことは、その通りだと思う。
 また、著者はスポーツをする上で勝負の概念は捨てるべきといっている。勝負の概念をいれることで負けるということが脳に刷り込まれ、自己評価が下がるからである。1番の人以外は誰かに負けているわけだし、負けを意識するあまりパフォーマンスが下がることが多い。スポーツにおいては、自分の設定したゴールをいかに達成するかが大切。
スポーツにおいてIQを上げるためには一定のルールに基づいてどれだけパフォーマンスをあげられるかといったゲーム性を重視することが必要である。
 ゴールを設定できたらゴールを達成するためにゲームを支配するための臨場感と自分の周囲の空間を高い視野で見ることが必要とのことだ。これはビジネスにも繋がると思う。
 パフォーマンスを左右する3つの状態として、筋肉の状態、運動能力、精神状態があり、筋肉の状態を良くするには、一流のプレイヤーの動きを脳に刷り込むことが良い。
失敗したシーンを見せて、ココが駄目とかいうと逆に悪いことが刷り込まれて逆効果とのことだ。
 運動能力を向上させるには反復練習とイメージトレーニングが良い。
 精神状態を良くするには、脳波を良い状態にする必要がある。
野球の場合、バッターボックスでボールを待っている間はリラックス状態とし、バットを振る瞬間に緊張状態をつくることが必要。
リラックスと緊張の循環リズムに深く関係しているのが、神経伝達物質と内分泌物質。
神経伝達物質とは、神経細胞間のシナプス等で情報伝達を介在する物質で、
ドーパミンやセロトニンが代表。
ドーパミンは運動を促す神経伝達物質で快の感情や意欲を高める。
セロトニンは精神を安定させる神経伝達物質。
 内分泌物質は一般にホルモンと呼ばれるもので体内の決まったところで分泌され体内を循環するものでアドレナリンやノルアドレナリンが代表的。
この本では131ページにドーパミンもホルモンと記述されており、ちょっと記述矛盾があるが、そこは気にせずに。
 アドレナリンは敵から身を守るまたは敵に攻撃するときに必要なストレスを引き起こす興奮物質。
 ノルアドレナリンも興奮物質だが、不安、恐怖、覚醒、集中を引き起こすもの。
リラックスしている時、人間の神経は副交感神経優位になっており、興奮している時は交感神経優位となっており、アドレナリンやドーパミンが優位となっている。
興奮しっぱなしではよろしくないので、その後、セロトニンの出番となり、「静まれ静まれ この紋所が目に入らぬか!」状態となる。
 プロスポーツプレイヤーが日本の場合、圧倒的に4月生まれの人が多いのは、小学校時代は、学年で順位を競うが、そのころの4月生まれと3月生まれでは1年の人生経験というか成長差があるため、競争させても、例えば小学1年生と小学2年生とを100m走競争させるようなもので、当然2年生側、すなわち4月生まれが有利で勝負に勝つことが多い。
 走っている4月生まれの当の本人は、自分は足は速いんだと勝手に勘違いしてしまう。私も3月生まれなので、運動会ではいつもビリか後ろから2番目だった。(まあ、これは、先天的な心臓疾患に原因があったかも知れないが)
勝負に勝ち癖のある子の方が、走るのは楽しいし、得意意識を持つことになるが、負けた方は、ますますスポーツに苦手意識を持つことになる。
 もし、日本のスポーツ界を底上げするためには、幼稚園や小学校時代にスポーツをやらせる際には勝負の概念を排除させることが必要と主張していた。