しむしむさんからいただきました高杉氏誕生日話。

何か変わったな、と思った。

悪が先に立つ友人である彼が大阪に旅立ってからしばらくして、それでも楽しそうに過ごしているような連絡がきたのが先月。それを聞いた緒方君が大きいたこやきを食べたい!というので、ふたりでそれぞれ有給を奪い取り、今こうして僕たちも大阪の地へとやってきた。

坂本に街の案内をしてもらい、緒方君お待ちかねの大きいたこやきも食べ(その姿があまりにも可愛くて自分の半分もあげてしまった)「今日は千太郎が夕飯を作るから食べていけ」という坂本の言葉にそれもどうかと思いながら、その夕食当番の帰りを待った。

「高杉先輩、緒方さん、お久しぶりです。遠くまでお疲れ様でした」
相変わらず律儀に腰を折る後輩を労いながら、何か手伝う事は無いかと問うと、横から坂本がこれまた相変わらず偉そうに口を出してきた。(大丈夫だ、この私が下準備を整えておいたからな!)
それでは失礼して、とソファーに腰を落ち着けると、緒方君が横に座ってこう言った。


「なんだかあのふたり、雰囲気が変わったッスね」
へえ、緒方君もそう思うかい?と返すと、緒方君がにこにこ嬉しそうにさらに言った。


「高杉さんもそう思ってました?だってあーやってケンカしてても、ちゃんとお互いの方をまっすぐ向いている感じがしますもんね。よかったですよ、上手くやってるようで安心しました」

お互いの方をまっすぐ向いている、か。そうだね、さすが僕の緒方君。僕も同じ事を思ってたよ。
「僕はいつでもちゃんと緒方君の事を見つめているからね。わかってると思うけど?」

「おッ、俺だっていつでもどこにいても高杉さんの事を思ってますから!」

その時、あー、ゴホン!というわざとらしい声が後ろからした。振り返ると、心底イヤそうという顔を作った坂本が仁王立ち、その後ろで桂君がスミマセンというように片目をつぶり顔の前に手を立てていた。
「そろそろ夕食の準備が出来るのだが、お前たちはそれどころじゃないようだな?」
「イエ坂本さん、俺もうおなかぺこぺこッスー!」
すいッと緒方君が立ち上がり手伝いに行ってしまったのでちょっと淋しく思いながらも、悪友に対して小声で言ってみた。
「お前が桂君と上手くやっているようで安心した、って話してたんだよ」
「うま、うまくって、私たちはそんなんじゃ・・・」
赤くなってわたわたしている姿を見ていたら何だか少し笑えてきた。

そしてその晩は、そのまま彼らの新しい部屋の一室を借りて緒方君と泊まらせてもらったのだけども、なんだかあてられちゃいました、と笑う緒方君の姿に少し後悔もした。
本当は、今日もふたりだけになりたかったよ、緒方君。
引き寄せて腕の中に抱え込むと、自分の鼻を僕の胸にすりつけてきた。ああもう、こんな時も可愛すぎる。

まあいいか。明日の夜は遠慮なく僕だけの緒方君にするから。



おしまい。






しむしむさんの高杉氏誕生日話でございます!
またまたありがとうございます(>_<)!!!
高杉氏・緒方氏の来阪の折にはさぞかし坂本さんはそわそわされたんでしょうなあ。もう前夜は下準備で大変ですよ。


「千太郎、あの二人が来たらあれとあれとあれを作ってだなあ。」
「そんなに作るんですか?大変じゃないですか。」
「何を言う!来たからには全力大歓迎!弱音を吐くな!」
「・・・(弱音って・・・そんなに言うならたぶん坂本さんが作るんだろうな)」
「じゃ、私はあの二人を案内してくるから、それまでに用意頼むな!」
「・・・はぁ!?ちょ、俺、その日仕事ですよ!」
「休め!(巨大フォントだと思ってお読みください)」
「そんな無茶な・・・(といいつつ手帳をめくり)あ、ダメです。その日は三社合同会議が入ってます。」
「む〜・・・それならば仕方がないか。せっかく二人にもお前の作ったの食べさせてやりたかったんだがなあ〜」
「(特に食べたがらないんじゃないだろうか)・・・外で食べたらいいんじゃないですか?俺、たぶん8時半くらいには合流できますよ。」
「せっかく我が家でもてなすというのに手料理なしはいかん!」
「じゃ、坂本さん作ってくださいよ!仕事から帰って作るんじゃ待たせちゃって悪いですって」
「あれは私でも作れるが、お前が作ったほうが断然うまいんだ!(決め顔にて断言)」
「(決め顔にどぎまぎしつつ)・・・わかりました。じゃあ仕上げだけですむように準備は坂本さんに任せました。酒でも飲みながら時間つぶしててくださいよ」


・・・というような前夜があったんじゃあないかなあと思いつつ。
桂氏を胸キュンさせながらの操縦術を無意識に繰り出していそうな気がする今日この頃です。
・・・おっと徹頭徹尾センサカ語りに(>_<)
いや、貴重なしむしむさんのタカオガ、ありがとうございました!  つぶて拝
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