「plastic smile」

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せっかくふたりでいるのに、退屈では決してないけれども、あまりにもあっさりした日々が続くのも少し。

だからといって味気無いとかそういうのでも決して無く、本気で幸せとはこういうものなのかもしれないと思う毎日であったりするし、ずっと追いかけ続けてきた人が、自分の目の前にいて自分の名前を笑った顔で呼んでくれたりするのが自然に思えるようになってはきた。
それでも今でも時々思う。

ああもう、頼むから、そんな目をして見つめないで下さい。

困った、と思うと同時に、何か強い衝動みたいなものが湧き上がってくることもあり、そのきれいな表情をどうにかしたくなる。
何かうずうずするはみ出す様な気持ち。もしくは、レーダーがぴたりと合って、ロックオン状態か。スイッチに指がかかる。

ちょっとだけ、すみません。
なんで謝られたのかわからない顔に手をかけて、顔を近づけた。

何か外れた。

おしまい。


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