「シークレットシークレット」

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せんたろ、とその声が呼んだ。
なんか犬が呼ばれてるみたいだな、と一瞬思ったが、実際に今自分がしている事はそれとさほど変わらないと思う。

匂いを嗅いで舌を這わせてマーキングする。

この人の本当の姿を知りたいと思っていた。でもどこまで暴けば、すべて目にし、すべてが自分の手の中に落ちてきたと思えるのかがわからない。
斜めから恋をしているみたいだ。どこまで行っても足りない。
自分をちゃんと見て欲しくて乱暴に顎に手をかけた。
もう、

触れる指先が切れそうだ。

おしまい。


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