前十字靭帯断裂



6月頃に膝を捻って、チョット腫らしてしまいました。以前から膝が崩れるというか、流れるというか、変な状態になることがあったので、夏に病院に行ったら、前十字靭帯断裂、という診断でした。結構会社を休む必要があるようだったので、冬休みを利用して手術を受けることにしたのです。これは手術&リハビリ記録です。


手術前日
午後2時が入院受付。この日、家族への術式説明があるというので、カミさんと一緒に行く。案内された病室は4人部屋で窓際。結構見晴らしが良く、夜寝ることができれば快適そう。午後3時半ごろから30分、主治医から術式説明。曰く、

1.前十字靭帯が切れているので、再建手術を行う。方法は以下のとおり。

  ・半腱様筋を採取して、必要太さになるまで折りたたむ。

  ・下肢および上肢の骨にトンネルを掘る。

  ・折りたたんだ半腱様筋を、下肢側のスクリュー、上肢側のボタンでトンネル内に固定する。

2.半月板も損傷している可能性があるので、状態を確認した上で、縫合或いは切除する。

これらの手術は全て内視鏡下で行うので、術後の傷は小さいという。実際、残っているのは5p弱の傷が1個と1cmに満たない傷が数個で綺麗なもんです。ただ、5pの傷のほうは、切開するとき神経を切るので、膝下に痺れが残るといわれました。手術に要する時間は約3時間。準備とか麻酔の時間を考えると、手術室に入ってから出てくるまで約4時間とのことでした。

術式説明後、今度は麻酔科医から麻酔についての説明。「膝の手術なので、全身麻酔でも半身麻酔でもOK。併用して硬膜外麻酔というのも選択できる、どうします?」と訊かれるが、んなこと云われても・・・。

手術するまでに決めといてください、と云われたけど。。。

最終的には全身麻酔にしたのですが、麻酔の後遺症として、覚めた後、吐き気とか、だるさとかが残ることがあるという説明を受けたけど、幸いそのようなことは無く、結構すっきり目覚めました。ただ、全身麻酔のとき呼吸器を付けるため挿管するんだけど、そのときの後遺症か、2日間ほど首が異様に凝っていて、1週間ほどのどが痛かった。

午後からの手術なので、この日は夕食を食べたけど、夕食後は絶食。24時以降は絶飲。つらいかなと思ったけどそうでもなかった。


手術当日
午後2時からの手術予定だけど、前の手術が延びればその分開始が遅くなるといわれてました。午後1時前から点滴を開始。結局、前の手術が延びて、呼ばれたのは午後3時半。自分で歩けるけど、とりあえず儀式として(?)車椅子に乗って手術室まで。手術室で搬送用のベッドに自分で乗り換えて手術用ベッドの横まで運ばれる。手術用ベッドに載せかえられたところで、麻酔科の先生登場。「どうするか、決めました?」というので、全身麻酔にします、と答えた。硬膜外麻酔は?と訊かれ、やらない、と答えていよいよ手術スタート。

酸素マスクをされた後、肩から薬を入れるので痛くなったら云ってください、といわれた。しばらくすると肩が熱くなってきたけどそこから先は記憶がない。気がついたら手術が終わっていて、足は固定されていた。カミさんに訊くと予定どおり、4時間で手術室から出てきたそうだ。

術創は痛くないけど、半腱様筋を採ったところが痛むのと、足が固定されていて寝返りを打つのも大変。あと、手術中は出血すると内視鏡が見えなくなるので、太ももの付け根を縛って血流を抑制するため、手術後はこの部分がすごくだるくて、この日の夜はほとんど寝ずに過ごした。

食事は翌日の朝から可能。飲水は当日午後11時ごろ許可が出た。


術後1日目
昨日午後3時半からずーっと寝っぱなしだったので、背中と腰が痛い。7時半、久々の食事。8時半ごろ主治医から手術の説明を受ける。靭帯再建は成功。半月板は予想以上に損傷が激しく、かなりの部分を切除したといっていた。9時ごろ手術中に付けられた尿道カテーテルを抜いてもらう。これで車椅子で動けるようになった。

リハビリまでの間、足首の曲げ伸ばしと足の持ちあげをやるようにいわれた。筋力低下を防ぐためらしい。リハビリは月曜から、と思っていたら、来週は月曜日がお休みなので火曜日(術後6日目)からとのこと。傷の痛みは特になし。


術後2日目
9時半ごろ回診。ガーゼの取替えと傷口の消毒。午前と午後に1回ずつ抗生剤の点滴。後は、足首の曲げ伸ばしと足の持ち上げ。それ以外は暇なので本を読んだりパズルをしたりして過ごす。傷の痛みは無し。腫れはある。


術後3日目
昨日と変わらず。今日で抗生剤の点滴は終了。やっと体につながれていたチューブ類が全部無くなった。


術後4日目
昨日と変わらず。暇に過ごす。


術後5日目
昨日と変わらず。回診時に絆創膏の取替え。後はベッドの上で暇に過ごす。この3日間は、動こうと思えば車椅子で動けるけど、病棟をうろうろするわけにも行かず、トイレなどの必要なとき意外は、ベッドの上で過ごしていた。


術後6日目
午前と午後に約30分ずつCPMという機械で膝の屈伸運動を実施。最初は20度から40度の範囲だったけど、痛みが無く曲がるので徐々に角度を深くして60度で実施。退院までに80度まで曲げる予定だそうだ。

この日、松葉杖の高さ調整と松葉杖を使う練習をやって、松葉杖歩行(加重無し)にOKが出た。これで少し動きやすくなる。


術後7日目
午前・午後ともCPMで膝の屈伸。今日は70度まで。特に痛みは無く曲がるが、少し突っ張る感じもする。まぁ順調。


術後8日目
午前:75度、午後:80度でCPM実施。さすがに80度にすると突っ張り感が増すが、痛みは無し。


術後9日目
この日、朝の回診時に抜糸。今日から、日中はニーブレースという装具を膝に付けて過ごすように云われる。リハビリは午前・午後とも80度でCPM実施。松葉杖歩行も半加重までOKということで、体重のかけ方の練習と階段昇降の練習。装具は20度から90度の範囲で屈伸ができるように調整してあるので、しばらくはこれで過ごすことになる。


術後10日目
朝の回診時に絆創膏の取替え。11時に退院。装具を付けていれば、車の運転をしてもいいということだったので、田舎に住んでいるこの身としてはうれしい限り。ただこの日はカミさんの運転する車に乗って帰宅。


術後3週目
2週目は退院時と同じく装具を20度〜90度の可動域にして過ごす。加重は半加重のまま。まぁ、正月休みなので病院にいてもあまり変わったことはしないんだろうと勝手に納得してました。術後3週目に、退院後初の受診。退院時に、次の受診時には全加重になる、と聞いていたけど、いざ行ってみると、先生いわく「あれ〜、まだ3週目やなぁ・・・」。(そうですよ・・・と思っていたら)この1週間で徐々に体重をかけていって、1週間後に全加重にしましょう。可動域も今のままで、1週間後に曲げ側だけフリーにしましょう。ただ、毎週来るのも大変でしょうから、自分でやっといてください。(そんなんでいいの?)次回は3週間後に見せて。」ということでした。

ということで、3週目の受診は特に進展なしです。まぁ、屈曲側は順調に曲がるようになってきているし、膝の緩みもないということなので、経過は順調のようです。


術後4週目
4週目に入って予定通り、全加重開始。装具の屈曲側もフリーにしました。最初は恐る恐るでしたが案外大丈夫で、階段の昇降も交互に足が出せるようになってました。日常生活にはほとんど支障はなくなった、というところですかね。ただ、曲げ伸ばしをする際は若干の違和感があって、なにかこう引っかかる感じ。半月板をいじったからかなぁ。4週間たったけど膝周りはまだ少し腫れ有り。半腱様筋を採ったところも、変に力をかけると痛い。膝下の痺れも相変わらず残っている。気になるところを上げるとキリが無いけど、徐々に良くなっているのも間違いないので、そのうち気にならなくなるか?

リハビリというものは特にしてなくて、1日数セットのハーフスクワットと風呂の中で膝の屈伸くらい。先生には「歩け」といわれてるけど、なかなか・・・。約1ヶ月、ほとんど負荷なしにしていたから、太ももが約2cm細くなった。スポーツ復帰を目指すなら、きちんとリハビリして筋力をつけて、といったところでしょうが、普通の生活ができるように、ということなので、先生のほうものんびり構えている?


術後6週目
6週目にレントゲンを撮りに病院に。先生曰く、「特に問題は無いですね。靭帯は写ってないけど・・・」。そりゃ、靭帯はレントゲンには写らんだろうけど・・・
まぁ、徐々に曲がる範囲も増えてきてるし、痛みも腫れもマシになってきてるから、治っていてるんでしょうね。
今後は8週目に、伸展側をフリーにして(現在20度で制限)、夜寝るときは装具をはずすことに許可が出ました。可動域としては、8週目から12週目をめどに、踵が尻につくようにリハビリして頂戴ということでした。
次回は1ヵ月後(10週目)に経過を見るため受診予定です。



術後8週目
8週目に入ってやっと夜寝るときは装具をはずしても良くなった。
再建した腱は特に痛みは無いけど、再建に使う腱を採ったところは、足を持ち上げたりするとチョットした拍子に痛い。周りの筋肉を強化すればいいのかも・・・です。
屈曲側はもう少しで踵が尻につくくらいまで何とか曲がるようになってきた。伸展側もずいぶん伸びるようになったけど、まだ膝裏が床にピタッと着くようにはなってない。まぁ、あせらず徐々に、といったところですね。
次回は2月末(10週目)に経過を見るため受診予定です。



術後9週+3日目
やっと踵が(ほんの少しだけど)尻につきました!



術後10週目
経過を見るため受診。可動域もなんとなく順調に(?)大きくなってきているので問題はなさそう。ちなみに正座ができるまでもう少しです。
次回、13週目の検診で、レントゲンを撮って、問題無ければ装具をはずすことになりました。



術後13週目
経過を見るため受診。足が細い意外に問題は無く、装具を外すことになりました。先生曰く、もっと筋肉をつけないとダメ、だそうで、筋トレを真面目にするように言われました。車生活のうえ、デスクワークときたもんだから、よほど気を入れてやらないと負けてしまいそうです。ちなみに正座はスムーズではないですが出来るようになりました。
次回、24週目に検診予定。(忘れてしまいそうです・・・)



術後16週目
食事のときは正座が出来るようになりました。
前回の受診時、ジョギングはしてもいいですか?といったら、暖かくなってからね、と云われてました。で、暖かくなってきたので走ろうかなとも思ったのですが、仕事の関係でなかなか・・・(と言い訳しておく・・・) ということで、昼休みに会社で3分間縄跳び(昼休み終了前5分間、「体操しましょう」音楽が鳴ってる)をすることにしました。初日、普通に20回ほど跳ぶとふくらはぎがパンパン。あまりの情けなさに愕然としました。
1週間ほど続けてやっと100回ほど跳べるようになりましたが、3分間跳ぶにはまだまだです。目標は、目指せ二重跳び○回です。



術後19週目
気候が良くなってきたので、リハビリを兼ねて自転車で出かけてきました。
行き先はここから25kmほどの藤公園。使う自転車は1年ほど乗っていない、取り合えずギアの付いた自転車。
先ずはぺちゃんこになっていたタイヤに空気を入れて、いざ出発。途中、青息吐息で峠を越えて、2時間ほどで目的地に到着。五分咲きの藤を見て、たけのこご飯で腹を満たして、帰りも2時間。足は大丈夫だったけど、尻が痛くて・・・
まあ、チョット自信を持った遠出でした。

閑話休題:綺麗な言い方じゃないけど、うんこ座りがまだ出来ない・・・正座はできるんですけどねぇ・・



術後24週目
特に大きな変化は無く、24週目の検診に行ってきました。膝の曲がりは先生曰く十分だそうで、たいしたリハビリもせずよく曲がるようになったと感心されました。
(チョットがんばっていたつもりだけど、先生に云わせるとやってた部類には入らんらしい・・・)
経過が順調なので次回は3ヵ月後の受診です。そのときに、膝に埋まってるボルトを抜く手術について、ある程度の日程を決めるみたい。手術してちょうど1年が目処となるようです。

閑話休題:うんこ座りも何とかできるようになりました・・・筋肉が無いので立ち上がるのに一苦労ですが・・・



いつのまにか術後49週目
ときどき(本当に時々)膝小僧の少し下、多分再建靭帯をボルトで止めている部分が痛む以外は特に大きな変化は無く、正座も蹲踞もうんこ座りもOKになりました。なんとかなっていくもんですねぇ。
で、今回ボルトを抜く日を決めてきました。手術してからちょうど1年です。予定では手術前日の午後に入院、翌日午前中に手術、その翌々日に退院とか。正味4日の入院になるようです。前回の手術は全身麻酔でしたが今回は半身麻酔のようで、膝の中の様子もモニターで見せてもらえるようです。
退院してきたら、手術の様子も含めてアップしますので楽しみにお待ちくださいませ。



術後366日目
午後2時に入院の手続き。通された部屋は4人部屋で窓際。今回は夜中に騒ぐような人は無く、きわめて平穏な入院生活が出来そう。
前回は午後4時ごろから手術に関する説明があったけど、今回は夕食が終わっても何もなし。ボルトを抜くときはそんなもんか?と思っていたら、消灯間際になって先生がベッド際にやってきて曰く、

・飲食、飲水は24時まで。
・手術日は、朝食&昼食は抜き。
・手術は10時からで、下半身麻酔。
・麻酔が効くまで&いろいろ準備があるので実際の手術は10時半ごろから。
・手術の時間は、ゆっくりやっても1時間くらい。
・モニターで膝の中を見せるのでメガネを忘れないように。(ちなみに近眼です)

ということでした。
聞き終わったらすぐ消灯。思ったとおり、騒ぐ人も無く、いびきもほとんど無く、前回に比べると非常に快適な夜になりました。



術後367日目
手術当日です。今回は朝の手術なので時間通りスタートしました。時間的にはこんな感じ。

6:20 起床、血圧測定
8:00 点滴開始
9:05 手術着着用
10:05 手術室へ
11:35 手術終了
14:00 左足が動いた
14:30 右足が動いた
16:30 おしっこが出た
23:00 点滴終了

前回は全身麻酔だったので手術室に入ってしばらくしてからは記憶が無いのですが、今回は半身麻酔。背中に麻酔を打つので丸くなって、と云われて丸くなってみたものの、先生に「硬いなぁ、もっと丸くならん?」といわれ、助手の先生に足の裏と肩をギュッと押される始末。
なんとか麻酔を打ってしばらくすると効いてきました。先ず右足。左は効こうが効くまいがどっちでもいいのですが、そのうち左も効いてきた。左足は血流を保つために(?)ポンプらしきものを取り付け、しばらくするとモニターに映像が写る。もう切ったん?と思うくらいあっさりと映し出された。いろいろ説明されたけど、結論としては、「順調、問題なし」です。一通り説明をした後、今度は別の先生に内視鏡の操作を含め、説明を始めた。まぁ、好きにして頂戴、と思っているうちに、「それじゃボルト取るか」という声。で、しばらくすると、「んっ、取れんなぁ・・・・・ノミ持ってきて!」、その後手術室にカンカンカンカン・・・・と響く音。まぁ、何とか取れたようです。
手術は正味1時間弱で終了。助手さん?に説明してなければ30分ほどかと。
手術室を出る際、「おしっこ、がんばって出してね」と云われました。このときは意味不明の言葉。

病室に戻ったら看護士さん、「10時におしっこ出したから18時までに出なかったら、管入れて抜きましょうね」と恐ろしいことをさらりとのたまう。
このときはあまり思わなかったけど、麻酔が切れてくるにつれ、かなりキツイことだとわかってきた。なにせ、尿意はすごくあるのに、どうにも出ない。どこにどう力をいれても出ない。管を入れるのも嫌だけど、それ以上に出したいのに出ない、これがツライ!何とか出てきたけど、最初のは溢れそうになってたのが出てきただけで、この日は日が変わるまで尿意と格闘してました。
あと、この日は麻酔から覚めても「起きるな、頭を上げるな、頭痛の元になる」と云われていたので、晩御飯もおしっこも横向き。手術以降この日は寝たままなので、背中や腰が凝って大変でした。痛みはそれほどでもなく、痛み止めの薬は出たけど結局飲まず終いでした。



術後368日目
朝夕2回の抗生剤点滴があるだけで、特に痛みも無く、ただ、肩から腰にかけてだるいというか凝ってるというか、しばらくおきてると首の後ろが重たく感じて、ごろごろと過ごしてました。



術後369日目
今日まで朝夕の点滴があるものの、今日退院ということもあって、朝の点滴は食事前。夕方の点滴は昼食直後。昼食前に先生がやってきて、抜糸は近くの病院でやってもらってOK、2ヵ月後くらいに状態を見せて、といわれました。



手術をしてからちょうど1年、ボルトも抜けたので報告はここまでにします。同じような経験をもしするようなことがあれば、参考に(?)してやってください。


<戻る>