半神

原作

 萩尾望都

脚本

 萩尾望都・野田秀樹

構成・作詞

 岡本おさみ

作曲・音楽監督

 笠松泰洋

演出

 山崎清介

振付け

 内堀照子 舘形比呂一

新潟公演 りゅーとぴあ劇場(新潟市民文化芸術会館)
2002年3月22日 23日 24日

東京公演 サンシャイン劇場
2002年4月6日 7日

キャスト

先生・老数学者

 安寿ミラ

シュラ

 坂井涼子

マリア

 藤井美菜

謎が化けていた スフィンクス

 佐々木拓

秘密が化けていた ハーピー

 福島美穂

欲望が化けていた ユニコーン

 高橋紅緒

誘惑が化けていた マーメイド

 河内大和

後悔が化けていた ガブリエル

 真保しのぶ

優柔不断から生まれた ゲーリューオーン
 山賀晴代

老ドクター

 谷垣茂彦

 坂上光紀

 真木美智代

右子

 小池匡

左子

 佐々木雅也

化け物たち

 内藤千子 蛯子紀穂 佐藤幾久代
 内藤由佳理 菊田香子 田島真弓
 玉木舞子 柴田恵美 諸橋優


観劇記

またも出かける東京へ!
「ヤンさんを見たい!と心で素直に思った日、私の背中にときめきの翼が芽生えた!」
ときめきの翼ではばたいてしまった仲間が4人
新幹線の座席にすわり(心は飛んでるけど、身体は飛べん)
ヤンさん談義に花が咲く。
富士がこれまた美しく、まるで私たちがヤンさんを思う気持ちのようね〜
などとうっとり見とれる。ホッホッホ。
あっと言う間に東京だ。

とーきょー、とーきょー

山の手線に乗り換えて池袋へ。ここ1、2年でもう3回目だ。
ロビーにはプロデューサーさんやスタッフの方々がズラリと勢ぞろい。
まぶしい。
劇場に入れば大女優の白石加代子さんが目の前にいらっしゃる。
私、身毒丸もおやすみ母さんも百物語も観ました〜〜〜!!
源氏物語も関西での上演があれば行くつもり。

超満員の客席はなかなか落ち着かない。
ザザ〜〜〜、ザザ〜〜〜と潮騒がはるかかなたから聞こえているのだが・・・
やがて客電が落ち、舞台に群がる人々、いや、化け物たち
不思議な音楽に合わせて身体をくねらせ、私たちをファンタジーの
世界へいざなってくれる。

♪そんな音を作ってやろう♪

シュラちゃんの歌♪うさぎのあしと どうかとばてい♪

そこへ、中央から老数学者が♪一次元と二次元の間には長さがある〜
と空を泳ぐように登場する。
もちろんヤンさんよ*^^*
二次元と三次元の間には高さが〜〜
三次元と四次元の間には、時間がある〜〜
そして?
四じげんと五じげんの間には
給食がある!
給食は憩いの時間、ゴムまりの風がふく

♪一次元と二次元の間には♪

老数学者は「半分と半分とでつねに半分をしかつくらない」螺旋方程式をつくり出したことを話し
その2分の1の螺旋階段を上がるうちに
もうひとつの螺旋階段を降りてくる男の懐中電灯の灯りと

「ぼくは、すれ違った」

この間にヤンさんは老数学者から若い家庭教師にかわるのであります。
そして、「ぼくは、すれ違った」とまっすぐな目でもうひとつの世界を照らすのであります。

どんなに素敵だったか・・・
幸いなことにヤンさんの男役、宝塚現役時代のカッコいい男役もたくさん観ています。
でも、この先生のカッコよさは、それとはまた違う・・
それ以上のなにか・・・
透明感・・・
先生の魂がヤンさんの姿を借りてそこにある・・・そんな感じ

「ぼくの行き先、わかりません?」

先生は双子と出会い、双子は先生と出会う。

醜いが知能の高いシュラ、美しいが知能の低いマリア
ふたりは身体の一部がくっついて生まれてきた双子。
ふたりでひとり、シュラとマリアは未分化であったが、シュラは最近
シュラという私、マリアというこの子は別の人間だと自覚し始める。

そんな自分達を

どこが変?いつから変?・・・・と先生に問いかける

♪ふたつの顔♪

父母もまた、負えないその手を先生にまかせる

「そんなことが出来ます?」
「はて?」

♪らせんの歌♪

謎が化けたスフィンクス、秘密が化けたハーピー、欲望が化けたユニコーン
誘惑が化けたマーメイド、後悔が化けたガブリエル、優柔不断から生まれたゲーリューオーン
化け物たちが「おまえはおれたちの仲間だ」と歌う
老数学者が現れ、化け物で出来たベンゼンの輪
(大昔、化学の時間によく出て来た6角形のヤツ)
その6つめの角、つまり果てにある、双子の身体をぶちりと引き離す。
化け物たちは慌てふためく

しっかし、トボケタじいさん、いや、老数学者のヤンさんは
「クノクノクノ‥‥‥」
♪雨が降っても後で濡れるし、財布は先に拾えるし♪
わしゃボケとらんと歌う。
可愛いんだな、これが*^^*
『2分の1たす2分の1は4分の2』これが螺旋方程式。

舞台中央のちゃぶ台に父母と右子おばさん、左子おばさん
この右左のオカマねえさまコンビはおもしろかった。
‥‥‥アマチュアの方ってことは、普段はお仕事されてるわけよね
職場の方はこのお二人が実はこんな人たちだってこと、御存知なのかしらん?‥‥‥

お母さんの「みんな私が悪いんです。ゴツン!」も面白かった。
‥‥ノダマップのこのシーンがお気に入りだったので、どうなるのか
実は興味しんしんだったから‥‥‥

シュラちゃんは完全に憎まれ役、
「神様、助けて」と歌う

♪神様、助けて下さい♪
シュラちゃんの柔らかい声が心にしみとおる

ふたりを見つめる先生の優しいまなざし
そして立体眼鏡の登場だ!
螺旋方程式をとくために、風呂場の栓を抜くと
らせんの渦から風呂太郎が出て来た。

ぐるぐるぐるっと左回り〜〜〜
♪そしてそれからうわのそら♪
シュラとマリアは風呂太郎、実はユニコーンに我を失わされかける
が、先生が風呂のドアを開けて、化け物たちは「アチャー」と消える。
風呂太郎はイゴール・ボブチャンチンと名乗って・・

化け物たちはジャマをした家庭教師を誘惑することにする。
と、何故かじいちゃんの老数学者が・・・
(老数学者と家庭教師はいったい・・)
化け物たちは老数学者をボケてるボケてるとはやし立て
「ボケトル?」のにゃーーーんと可愛いこと!!
「表編み、裏編み・・・」とすっかり編み物でぼけさせられたじいちゃん。

すると今度は先生が後ろ向きで「リリアン編んでる」の

もう、このシーンはヤンさんファンなら見逃せません!!
あんなヤンさん初めて!っていうオカマチックなおかしさ。

「表編みと裏編みとでは常にちがう色目を使うのよ」

思いきり鼻にかかったあの声!色目を使うのよ、のあの目玉の動き!!
もっかいやってえ〜〜!!!

「どの目?この表の目?」
もう、最高でございます!!
それでミュージカルナンバー♪恋に恋しておもてあみ♪
これはもうヤンさんの本領発揮ってとこでしょうか?

それでいよいよリリアン姫の登場でございます。
いやあー、おもしろかったなあ〜。怪演!!
いかついリリアン姫と、母性本能くすぐり系のヤンさん先生が見事にマッチしてた。
カッコーにウォーレン役で出てた河内さんたらいいなあ〜
ヤンさんとひとつ浮き輪の中で・・・
ドキドキしましたか?
ウブな先生なのに、ダンスは何故か色っぽく「ご主人は・・・」「奥さん‥」
たまりませんです。はい。

♪リリアン姫の誘惑♪

というわけでリリアンを編んでいる説明が終わったんですが、
「アイ・アム・エブリシング」
「愛・編む・エブリ寝具」
『愛』がクローズアップされるわけですね。

マーメイドによる先生誘惑作戦は結局失敗。
螺旋方程式の答えも??

「ひとりにして!」と先生に訴えるシュラ
「孤独を人にみせびらかしたい」
そしてついに
「愛されたいの」‥‥‥と。
そのシュラを見つめる先生の優しさ‥‥‥
うちからにじみ出る『人』としての優しさに胸がいっぱいになる。

双子は不整脈に、タンゴのリズムが狂いはじめる
(ファンの戯言。ヤンさんにタンゴ、踊って欲しかったあ〜〜!!)

しかし老ドクター(老数学者の双子の弟だそう)は宣言する
双子の命はあとわずか!
助かる手段はただひとつ『切り離す』

「どちらが生き残ればいいと思うの?」
シュラは難問を先生にぶつける。

2分の1の学問というのは、つまり、2本の足に1つの頭、人間の学問
つまり医学?
だけど、先生は低血圧の数学者の孫
美しい解を求める学問
(医学と数学も半神の世界では対極にあるのね)
「白いゴムまりの中に見つけだすよ、君たちの答えを」と
双子をやさしく抱き締める。

♪白いゴムまりの風の中に♪
綺麗な歌だったな〜〜。ホワホワと気持ち良くて優しくて・・

手術がはじまる
手術室から出てこれる子はただひとり。

先生を残して暗転のうちに舞台上が左右逆転する

手術が終わったらしい一年後、マリアの誕生会
記念写真のシャッターを押そうとする先生の目にはマリアではなくシュラの姿がうつる。

♪この世の奇々怪々なる魔界には♪

生き残るのは「シュラ」の筈だった。
ではいったいここはどこ?

マリアは謎をうむ
(ぼくの心がはらませた・・・――ちょっとドキッ(笑))
マリアと共にその謎を追ってメエルシュトレエムの渦の中に飛び込む先生。
(渦に巻き込まれてる先生がこれまた素敵だったんだわ〜)

♪メエルシュトレエムの渦♪

渦に巻き込まれる先生とマリア、渦の淵から「マリアー」と叫ぶシュラ。
統べてが渾沌とした世界の中でどちらがシュラでどちらがマリア?
とにかくこの渦の底に吸い込まれてはいけない!!
手術の終わるその少し前、世界の6つ目のはてへ飛び込むんだ!!
でなけりゃ、2度と君たちの胸をゴムまりの風が撫でることはない。
死んだふりして君らを引き離すその手を逆手に取り返せ!!

先生とシュラとマリアは6つ目の世界のはてにたどりつく。

そこには謎を抱いたままの老数学者がいた。
老数学者と先生が出会う。
老数学者の話しは全部「ボクの話しだ」
先生は老数学者の若い頃
ひとりの人間の過去と未来

変幻自在のヤンさん、らせんに廻りながら過去と未来が会話している。

それから謎は解け、いや解けてしまい
シュラはマリアに心をあげ、マリアはシュラに心をあげた。

先生はひつぎをあける・・・だれもいない
♪雪降る夜なら♪

♪シュラちゃんごめんね♪
この歌はダメです、いえ、泣けてしようがないという意味です。

孤独はヒトになる子にあげよう。
代わりにおまえには音を作ってあげよう

ヒトになる子はシュラ
シュラの半神マリアに音を作ってやろう

この海原ごしに呼びかけて船に警告してやる声がいる
その声をつくってやろう
これまでにあったどんな時間、どんな霧にも似合った声をつくってやろう
たとえば夜ふけてあるきみのそばのからっぽのベッド
訪れる人の誰もいない家
また、葉の散ってしまった晩秋の木々に似合った
そんな声をつくってやろう

先生のこの詩が大好きだったなあ〜〜
メロディーにのせた歌も綺麗だったけど、
やっぱりヤンさんの声で聞いたのが良かった*^^*
ファンだから、許してね

♪霧笛♪
先生のソロだ*^^*

霧笛がひびき、遠い国のマリアを思う

おわり。

謎のこととか、螺旋のこととか、よくわからない。
なんとなくそんな感じかな〜と思うだけ。

ドラえもんで鏡の世界っていうのがあったよね。
あれに似てるな、って少し思った。

千秋楽はスタンディングもあり、新潟のキャストの皆さんの
「白いゴムまり」の歌、ヤンさんはじいちゃんで出てこられたりで
とても嬉しかった。

帰りは夕暮れ。
新大阪についたらもう夜。
駅から家に向う田舎道をあるくうちに、
向こうからやってくる自転車こいで買い物に行く私と
私はすれ違った・・・(笑)


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