その

2002年

11月

白石加代子「百物語」
●安義橋の鬼●鉄道員(ぽっぽや)
演出 鴨下信一
新神戸オリエンタル劇場

笑えるお話と、しっとりしたお話
●「安義の橋の鬼」(あぎのはし)は、笑えるお話
白石さんのお衣装も派手な着物で髪も若衆のように
結い上げられている
この話しは白石さんのために夢枕獏さんが書き下ろされたという作品
途中馬に乗って逃げまくる熱演にはマイッタ!
あの白石さんが着物のすそ振り乱し、大汗かいて馬にまたがって
ハアハアハア‥‥‥
大変だろうな〜〜とは思いつつ、オカシクてオカシクて爆笑してしまった
ラストは怖〜〜〜いんだけどネ

●鉄道員(ぽっぽや)は映画にもなった浅田次郎さんの名作
いい話しですね
しっとり落ち着いた色目の着物に、髪も大人しくアップに
結われた白石さん
60過ぎた鉄道員から小学校の女の子まで
巧みに演じわけられ長いお話であるにもかかわらず
最後まで引き付けられる
テレビで一度観たことがあったが、やっぱり『生』がいいですね〜

11月

エレファント・マン
作 バーナード・ポメランス
演出 宮田慶子
近鉄劇場

藤原竜也君のためのエレファント・マン
カーテンコールの白い歯のこぼれるはにかんだ笑顔のための芝居だったかも
2幕にドクターと立場が逆転する場面は、竜也君のしっかりした
セリフが聞けて嬉しかった
身体を歪ませたままで、しかも発散のしどころもない難役なのに
凄い集中力だなと感心した
エレファント・マン、メリックの優しさ、忍耐に裏打ちされた強さ
が浮き彫りにされて胸にせまるものがあった。
小島聖さんは男爵婦人には見えなかったけれど
華があって素敵だった
「華」がある、ってことはやはり大事なことだと思った
白いよれよれのズボンだけの竜也君と小島さんは
登場しただけで舞台が明るくなる
他のキャストの方々もお上手なのだけど
役が際立って見えない
どの役が何なのか、わからない
妖し気な歌手も妖し気で思わず誰?と興味そそられるんだけど
芝居の中での意味がわからなかった。
舞台照明がセンス良くて好きだな、と思ったら
下の「HAMLET」と同じ沢田佑二さんだった

10月

ハムレット
脚本 W・シェイクスピア
演出 栗田芳宏
新神戸オリエンタル劇場

これは、もう文句なくおもしろかった!!
大作「エリザベート」の後で、ちっちゃい作品だったらどうしよう〜と
心配だったけど、ぜ〜〜んぜん!!
たった8人の出演者ですんごいド迫力!!
演出、音楽、振り付け、照明、音響、統べてが素晴らしくて
役者たちがみーーんなエネルギッシュでそして当然小気味良いほど上手くて
すみからすみまでおもしろかった!!

シェイクスピアだから難しいなんてこともなく、
最初から最後まで夢の世界に引きずり込まれて
ラストシーンにただよう無常感には涙がこぼれてしまいました。

このハムレットは実は裏文字で書く『Hamlet』なのですが
裏側から見たハムレット、裏返しのハムレット‥‥
色々な解釈が出来ると思います。
簡単にわかるのが、配役。
ハムレットとホレーショーを女優が演じ、
オフィーリアとガートルードを男優が演じるのです

そして私が最も「裏返し」だなあと思うのは
「演じる」という視点から立った『ハムレット』
ハムレットは劇中で、「目に見えることは全て演技」
「僕の中には見せかけを越えたものがある」と演技のその奥にあるもの、を主張します。
演技以上に僕は生きている!と‥‥
けれど、この裏返しのハムレットを演じる人たちは、もうすでに命のない
彷徨う亡霊たち‥‥ハムレットを演じるために彷徨い、行きついた所で
テントをはりハムレットを演ずる‥‥‥
演じ終わればまた次の場所を求めて彷徨っていく。
彼らから「演じる」ということを取り上げてしまえば、彼らは露と消えてしまう。
「演じる」ことが彼らの魂の「生きる」証。

上手く表現できないのだけど、
「生きる」ことと「演じる」ことが裏返ってるように私には思えました。
違いますね、「生きる」こと「演じる」を裏側から見た‥‥っていうか‥‥
説明するのは難しいわ^^;

とにかく、おもしろいお芝居でした。

それと歌と踊りもふんだんに盛り込まれてて「ミュージカル」と呼んでも
まったく差しつかえのない作品なのですが、それよりも
「ストレートプレイ」「ミュージカル」
そういう「分類上の名前」などどうでもいいじゃないか、と思わせる
作品だったのです。

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10月

ミュージカルエリザベート(宝塚歌劇団・花組)
脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツエェ
演出・潤色 小池修一郎
演出 中村一徳
宝塚大劇場

宝塚のエリザベートは初めてでした!
素晴らしかった!!
なんといっても作品なんでしょうけど、
全体の歌唱力に圧倒されました。
それと、変な言い方なんですが
下手なひとがいない!
宝塚を観てて辛いなと思うことは、
時々こっちが赤面するような
とんでもないセリフまわしの人がいるわけです。
それがいない!
嬉しかったですね〜〜〜
歌劇団のレベルの高さに乾杯!!

6月

ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ
作 マリー・ジョーンズ
演出 イアン・マッキルヒニー
新神戸オリエンタル劇場

トリオで観劇パート6です!!
市村正親さんと勝村政信さんのふたり芝居
市村さんが8役・勝村さんが7役
このコンセプトがおもしろそうでいそいそとチケットをゲット。

アイルランドの田舎町、映画のロケ隊がやってきている。
田舎町に時々現れるロケ隊は、田舎の町の若者にとっては憧れ。
脚本家、俳優になりたいと夢見るものも出る。
しかし現実は・・・
ロケのため自然は壊され、若者の夢は無惨にうちのめされる・・
顕著な例は勝村さん演じるショーン・ハーキン
彼はロケ隊とともに町に入って来た麻薬にむしばまれる。
俳優になりたくて市村さん演じる主演女優キャロラインに
気に入られようとするが、拒否され町の仲間の前で恥をかかされ自殺する。
入水自殺・・・・・その時彼のポケットの中に入っていた石

ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ

市村さん演じるチャーリー・コンロンは脚本家になりたくて
自作のシナリオを演出家やその助手に読んでもらおうと
いつも持ち歩いている。
ズボンのポケットに入れて・・・・

勝村さん演じるジェイクはエキストラの一員であるが
キャロラインに気に入られ、ショーンの心を傷つける原因が
自分にあったのではないか?と彼もまた傷付く

けれど、最後にはそのてん末を映画にしちゃおう!と
明るく腕をくむ二人(チャーリーとジェイク)の姿で終わる。
ハッピー!とまあこんな筋かしら?

けど、なんてったっておもしろいのは
ひとりで何役も演じる市村さんと勝村さん。
市村さんの主演女優キャロラインは絶品でしたよ〜〜〜
あんな風に誘われたら惚れちゃいそうだったもの。
勝村さんは、初めて生のステージを観たんだけど
テレビの勝村さんは10分の1だと思った。
とにかく色んな声、色んな動き、色んなオーラを出せる方。

このお芝居をおっかけて観たらもっと楽しいだろうな。
アイルランドの話しなので
アイリッシュダンスも披露される二人。
軽やかでした。


2月

身毒丸
作 寺山修二 岸田理生
演出 蜷川幸雄
近鉄劇場

トリオで観劇もグリークスに始まり、今回で5回目。
話題作「身毒丸」は藤原竜也君にとってはこれがファイナルとなるとのこと。
竜也君ファンのダリアちゃん、チケット取りからファイト満々。
当日は立ち見も満員の大盛況。
若い人から昔青年乙女まで、客層は一口では言いがたい。
オープニングはなんと舞台に渡された橋の上から
工事現場のような火花が散ってくる。
その中をお面売り、角隠しの花嫁、など懐かしい人々がぞろぞろ出てくる。

身毒丸が死んだ母親をなつかしんでいる
お面売りが残り、心毒丸の父親がまもなく母親を買いに来るという会話を始める。
小さいあまり風采の上がらない父親が現れて、
舞台後方からガガガ〜〜〜と見せ物小屋に陳列された女をのせて出てくる。
その中に白石さん演ずる撫子がいる。父親は撫子を母親として買う。
撫子には血のつながらぬ小さな息子を連れていて、
身毒丸には一度に母親と弟が出来たが、なじめようはずがなかった

というろころから物語りは始まるのだが、
結局は身毒丸は母親撫子に心を開かず撫子に呪われ追い出され、
最後は夢の中で(?)男と女として求めあうようになるらしい・・・・・のであるが――。
どれが夢で、どれが現実だったのかわからないまま今に至って居るので
わからないのである‥‥‥‥‥なさけない‥‥‥。

絵画的にとても美しい舞台だったと思う。
オープニングの火花、見せ物小屋、家に帰る家族の後ろ姿
わら人形に五寸釘を打つ白石さんも絶品なら
満開の桜の下で尻を打たれる竜也君も絶品であった。
共に息子のいる芍薬、ぺんぺん草には
撫子と身毒丸の関係は最初から男と女にしか見えなかったのであるが、
ダリアちゃんには母と息子の葛藤に見えたそうな。
見る人のコンディションによって感想ってほんとに違うようだ。

竜也君の身毒丸を観れて良かった*^^*

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