ラ・ヴィ・ダムール La vie d'amour ~シャンソンに誘われて~
2015.11.13FRI-15SUN |
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草月ホール |
CAST | |
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安寿ミラ | |
佐藤洋介 | |
中塚皓平 |
SATFF | |
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構成・演出 | 酒井澄夫 |
児玉明子 | |
音楽 | 斎藤恒芳 |
振付 | 原田薫 |
港ゆりか |
MUSICIAN | |
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キーボード | 斎藤恒芳 |
バイオリン | 土屋玲子 |
アコーディオン | かとうかなこ |
ベース | 佐藤哲也 |
小雨そぼ降る晩秋の日
ヤンさん初のシャンソンコンサートが開催されました
ヤンさんのシャンソン!
ずっとずっと聞きたかった
シャンソンっていうと
波瀾万丈、奔放な匂いのする人が
自分の人生背負って歌ってるイメージと
そんなことは匂わせず歌声を歌詞にかえて
物悲しいパリの夕暮れだったり
おしゃれで楽しい雰囲気やそこに生きる人の暮らしを
SONGとして歌うイメージが
私の中ではあるのですが
ヤンさんのシャンソンは!?
ヤンさんとシャンソンがバチバチ!っと結びついたのは
1990・花組ベルばらのフィナーレナンバー
トリコロールカラーの衣装で
シャンソンナンバーを歌い踊られた時です
パダンパダンパダーーン!と肩をゆらす振りがもう素敵で素敵で
ターンしたり、ステップで移動したり
なんでもない振りが実におしゃれでカッコ良くて
そんなヤンさんにばかり見惚れてしまって
何度も何度も繰り返し見ているうちに
いつのまにかその流れの曲が耳に馴染んでいたわけです
その後FEMALEなどでも歌ってくださりましたが
ヤンさんには
音楽劇「Piaf」でピアフを演じられたのが大きなきっかけだったとか
ヤンさんのピアフ素敵だったなあ~
冒頭の年老いての登場は衝撃的でした
「あれがヤンさん!?」と
想像不可能なくらいの老い病んだ姿には胸突かれ、感動しました!
そしていよいよヤンさんが本格的にシャンソンに取り組まれるという
朗報すぎる朗報!
ヤッタア!!
と叫んだのは言うまでもありません
本当は初日から全公演制覇したかったのですが
そうは財布が許すまいってんで
中日と楽、3公演観てまいりました
それでは観劇記、いってみよお~~!!!
ACT 1
舞台上下(かみしもと読んでね)にはアールヌーボー風のアーチ
中央には真っ白なカーテンが下りていて、上手にカウチ風ソファ
ポン!シュワシュワ~~~
という音が聞こえてしばらくすると
黒いドレスのマダムなヤンさんが
シャンパン片手にご登場!
あ~~~~~美しい~~~~
なぜ、このように美しい方をひとりにしておくんですか!
何人もの、みめ麗しい男女をはべらせたい美しさ
ラジオのスイッチを入れると
エディット・ピアフの「バラ色の人生」
くちずさむヤンさん
若い夫との幸せな生活を語り
シャンペンを口にふくみ目を閉じて飲み干す・・・美しい~・・・♥
♪「バラ色の人生」
なんてやわらかな幸せそうな歌声!
♪「聞かせてよ愛の言葉を」
なんていい感じ!
ヤンさんはシャンペンに酔い、私はヤンさんの歌声に酔う(べた~・笑)
すんなりシャンソンの世界に入り込めます
が空気は一変!
♪「私の男」
若い夫を「冷静に」こき下ろす
愛あるこき下ろし
クスっと笑えるユーモラスな中にちょっぴりの悲しみ
いいなあ~こういうの好きだなあ~
♪バラバラ事件の女」
幸せなのか、不幸せなのか、アンビバレンツな気持ちと生活
そうなんです
本当はぜんぜん幸せなんかじゃないの
若い夫は帰ってくるのが遅いのよ
誰に送ってこられてるんだか
♪「ラ・セーヌ」
幻想の中の夫(佐藤洋介さん)と悲しいデュエット
♪「行かないで」
このあたりどの曲でのことか忘れてしまったのだけど
カーテンのシルエットにうつる夫と愛人(中塚皓平さん)
愛人を紹介され
「私がこの人の妻です」
っていうとこ大好きだった!
夫の愛人が男ってどんな感じなんだろう?
女よりも許せるかも・・
ほんとか!?(笑)
ヤンさんにとってはたったひとりのよりどころ
愛を捧げ、財を捧げ、すべてを捧げた男が
自分以外の人を愛するのが許せなかったのね
♪「人生は過ぎ行く」
好きよ・・・好き・・の歌
こんなにも狂おしく人を愛せるなんて!!!
目の前で抱き合う夫と愛人が艶めかしく
私、BL系好きなもので
「もっとおやり」なんて思ったりしましたが
それを見つめるヤンさんの表情を見ると
「なんてことしてるんだい!おやめ!」
と毛布かぶせたくはなりましたわね
若くて美しい愛人・中塚さんが
テーブルのナイフをそっとヤンさんに持たせる
抱き合う男ふたり、ナイフが突き刺さったのは夫だった
このナイフのくだりはどういうことなんだろうね
と観劇後に友人たちと盛り上がったのだけど
若い友達は、あの場面を観て「エリザベート」の最後の場面
トートがルキーニにナイフを落とす場面を思い出すと言い
私もナイフは愛と憎しみの象徴で
殺されるのは夫でも愛人でもどっちでも良かった
人生はロシアンルーレット
ってイメージ
でもある意味、自分の手で好きでたまらない男を殺しちゃうって
究極の愛よね(コラコラ)
歪みきってるけど・・
♪「私の神様」
祈る・・祈る・・懺悔・・祈る・・
ブランデーで薬をあおり
♪「思い出のサントロペ」
今年の夏はサントロペには行きません
この手の中にいつまでもあるはずだった幸せは
どこにもなかった
残ったのは留守番電話のメッセージだけ
遠くに聞こえる救急車の音
溶暗
土曜日ソワレ後のアフタートークで音楽の斉藤先生も言われていましたが
シャンソン自体ストーリーを持った曲
それをつなぎ合わせて大きなストーリーを構成するなんてすごいって
暗くなった舞台が再び明るくなると中央には
アコーディオン奏者のかとうかなこさん!
軽快な演奏で客席に降りて演奏されます
右手も左手も楽しそうに動いて
ほんとに素敵でした!
装置が転換された舞台にかとうさんが戻られると
バイオリン奏者の土屋さんとデュエット
おふたりともお美しくて
そして!!
白い変わり燕尾で登場されるヤンさんは
なんと客席から!!!
なんと華麗な!
ACT2
Brillant 華麗
♪「サントワマミー」
素敵ステキ素敵すぎます!!!
客席のあちこちに微笑みかけながら通路を進まれ
舞台にあがり
かとうさん土屋さんの真ん中で歌われると
なんて素敵な眺めなんでしょう!
さっきから素敵しか言うてませんが
素敵なんやもんしょうがない(笑)
かとうさんと土屋さんは定位置に戻られ
♪「パリの空の下」
歌い始められるや!
キャーーーー!!!!!!!
フランス語~~~~
すごい~~~!!!
日本語では絶対にない息の吐き方とか
もっともっと聞きたい~~~
って思ったけれど、後半は日本語でした
「ようこそおいでくださいました」とミニご挨拶があり
♪「リリーマルレーン」
アルトな歌声がなんて素敵な!
「検察側の証人」のローマインを思い起こさせる
キリリとした横顔!
ローマイン!もう一度、観たいです!
同時に中塚さんが兵士で恋人リリーの写真を胸に出征していきます
中塚さんの足の進め方が独特でね
どうやって進んではるんやろ?と観察してしまいました
♪「小雨降る径」
これはナツメさんと直結するナンバー
そして土曜14日はナツメさんのご命日
マチネのご挨拶では声をつまらせてしまわれたヤンさんでした
Masculin マニッシュ
白燕尾の上着を脱がれ、オスカル風
頭にはハット!
マニッシュなコーナーの始まりです
♪「パダン パダン」
ヤンさんといえばパダンパダン!なんて勝手に思ってる私
何が好きって
パダンのン~~~~~の後の響きが好きなんですよね
あの響きの中でまどろみたい
♪「ブルージーンと皮ジャンパー」
ワイルドに不良に!
音楽の斉藤さんのヤンさんのイメージがこの曲っておっしゃってましたから
女番長にも一目置かれていたというヤンさんの本領発揮かも!
歌も不良で楽しいんですが
不良っぽいふたりのカッコイイダンサーさんが
楽しそうにヤンさんとからみます
♪「私は私よ」
手拍子ナンバー!
生まれつき男にもてるタチなのよ
なんてヤンさんそのものじゃないですか!!!
一度、ヤンさんを支持する男性に集まってもらい
その魅力を語り合っていただきたいものです!
早口でしゃべりまくるような曲で
千秋楽には中塚さんが変顔するもんだから
ヤンさん「わかんなくなっちゃった~!」って*^^*
可愛い~~~~
キリっとピリっとシャキっとしてらっしゃるのに、
この反則的な可愛さ!
元気につまずき(こら)舞台袖に!
カッコよくてセクシーな洋介さんと皓平さんが
バンドメンバーの紹介をされ
おひとりづつ、これでどうだ!ってダンスを魅せてくださり
拍手喝采!
洋介さん、足が200度くらい上がってるし!
皓平さん、滞空時間ハンパない!
そして雰囲気はがらりとかわり
Chansons matures 成熟した歌
お衣装も、ワンショルダーのベージュのしっとりしたドレス
白のもふもふ(いいのか?こんな言い方で)
腰あたりから白のレースを両手に
そう、まるで天女の羽衣のように巻いてられました
♪「愛のために死す」
ここからはしっとりと大人の恋をうたわれます
2本目のタバコに火をつけたあなた
って歌です
いいですね~~
映画のように情景が目にうかびます
♪「それぞれのテーブル」
これもまた同じ
女優さんならではの歌
ヤンさんの表情と歌詞で切ない物語がつづられていきました
Finale フィナーレ
♪「群衆」
あ~群衆です!!
大好きです!
ほんまに好きです!
ヤンさんの力強い歌!
そして初めてしっかり聞いた歌詞
こんな内容だったんですね~~
だから群衆!
初めて群衆を知ったのはヤンさんのバウ公演「エル・アミーゴ」
なんだ!?このカッコよさ!
トレンチコートにバッグ持って
親友の恋人と駆け落ちするため
祭りの中待ち合わせる
その時の曲が群衆!
まだ初々しい若妻だった私(笑)
このシーンにどんなに胸焦がしたことか!!
ヤンさん、歌ってくださりありがとうございました!
♪「そして今は」
ボレロのリズムですよ、ボレロ
力強くパワフルに
歌い上げてくださる!
なんて頼もしいお姿!
まるで戦いの女神!
「群衆」「そして今は」でパワフルに盛り上げ
キリっと後ろを向き去るヤンさん
ここでいったん幕は下りますが
拍手は鳴り止むはずもなく
幕が上がると
Encore アンコール
ここでバンド名紹介があったんですよね
初日は、斉藤恒芳とザ・ラヴィアンローズ
土曜日マチネは斉藤恒芳とザ・セーヌ
ソワレは斉藤恒芳とザ・群衆
千秋楽は斉藤恒芳とザ・バラバラ事件
きっちり確実に笑いをとるヤンさんです!!
シャンソン公演をやるにあたっての決意などをお話しくださり
最後の曲です!
♪「三文役者」
私はこの曲初めて聞きました
そんなに謙遜なさらなくても~~~って思いましたが
役者さんの心意気を歌った歌なんだなあと
回を聞くごとにその心が染み渡りました
・・・・
拍手して拍手して
スタンディングして力いっぱい拍手して
終わっちゃう・・
・・・素敵なすてきなショーでした
そしてたった今、更新されたばかりのヤンさんのメッセージを読み
これだけのショーを完成させるのに
どれだけ大変だったんだろうと思うと
またまたジーンとしてしまいました
それでもヤンさんはまっすぐ進んでいく!
そんなヤンさんが大好きです!
素敵なシャンソンコンサート
ほんとうにありがとうございました!
また次があることを心から願っています
読んでくださってありがとうございましたm(__)m
2015.11.22記
なずな