LOVE LETTERS
作 ARガーニー 訳 青井陽治
2002年 2月7日
パルコ劇場
安寿ミラ 長谷川初範
ヤンさん初の朗読劇!!
これを見逃してなるものか!!とて花のお江戸のウィークデーの夜公演、
ネットの友人たちと新幹線に乗りまして賑々しくおでかけしたのでござる!!
ヤンさんを観るためにこうやって遠足出来るなんて最高の幸せ〜〜〜〜
17時過ぎに東京駅に着くと、ホームではまたネットのお友だちが迎えに来てくれてて
おのぼりさんな私たち御一行を渋谷のパルコ劇場まで連れてってくれる。
パルコビルの前ではまたまたお出迎えしてもらっちゃって、キャーキャー嬉しいったらありゃしない。
エレベーターに乗って、劇場階まで、降りると、狭いぞ〜〜〜。
ヤンさんファンがひしめきあっているではないかいな。
待ち合わせにこの場所を指定したのは間違いだったと悟る。
以後気を付けよう。
舞台には中央に水差しとコップが2つのったテーブル。
その向って左側にはモスグリーン、右側には赤みがかった紫の四角い背もたれのある椅子。
会場係のお姉さんが携帯電話などの注意を呼び掛けて、しばらく場内、沈黙。
客電が落ち舞台にヤンさんと長谷川さんが登場。
ヤンさんは上手そでから、ちょっと恥ずかし気に出てこられた・・・
キャ〜〜〜〜、ヤンさんだあ〜〜〜〜
真っ赤なノースリーブのセーターに胸元にブラックのハート、
その中にさらに真っ赤なハートの飾り。スカートはとろんとした生地の黒いロングスカート。
椅子に座られて本を広げられる。
あ〜〜〜〜ドキドキ!
第1声は長谷川さんのアンディから。「アンドルー、なんとかなんとか3世より・・・」
そしてヤンさんメリッサ。「アンディさま、お誕生日のプレゼントどうもありがとう」・・・・
この戯曲に関してはいっさい予習をしなかったので、予備知識はなし。
こどもなんだあ〜〜〜〜と妙に感激してしまう。
それからは子ども時代、学生時代、ふたりは常に手紙のやりとりをするのだけど、
まじめなアンディに対して、メリッサは奔放なきまぐれやさん。
その中で二人がどういう家庭で育ったかなどが明らかにされていき、
アンディはインテリジェンスにあふれ愛情にもあふれた家庭に育ち、
メリッサは大金持ちだけれど、両親は離婚、
祖母が唯一の安らぎといった家庭に育ったことがわかります。
一番ショッキングな出来事だろうな〜と思ったのは
父親の再婚した家庭をロスに尋ね
「私には家庭はふたつあると思っていたけど、ひとつもなかった」
とメリッサに言わしめたことではなかったかと。
そして祖母の死。
絶望的だよね。
子どもにとって家庭はとても大事だもん、親からの愛情が一番大事だもん。
メリッサの破綻のきざしは学生時代から十分見えていたよね。
可哀想だった、とても・・・
それでもヤンさんのメリッサは可愛かった。
声はもちろん少し作っておられたけど、
あの無邪気さはヤンさん本来のお姿ではないかと私は思っているので
(思うのは勝手だもんねえ〜〜)
ヤンさんの少女性がとても生かされていると思いました。
大好きです。
2部。ふたりは大人になっています。
ヤンさんは黒いブラウス、お袖はシースルーでとてもフェミニン
あんまり綺麗だったので、見とれてしまった
メリッサはフローレンスで絵の勉強、賞もいくつか取り輝いています。
アンディは海軍に入り海外の基地をまわっているようで、手紙の最初には必ずどこかの地名が・・・・。
お互いの活躍を喜びながらも男女としてはすれ違ってばかり・・・
アンディが日本人の妻を連れてかえってくると知って、
メリッサは弱肉強食がモットーの男と結婚してしまい、子どもも二人出来る。
でも離婚・・・・、アンディに再び会いたいと思った時、アンディは「ジェーン」を紹介するという。
この時のメリッサの落胆が目に見えるようだったなあ。
メリッサはますます落ち込み、子どもを元夫に取られ自暴自棄、
久し振りに開いた個展もさんざんな結果となった。
アンディは順風満帆、上院議員に出馬するまでになる。
そんな二人にとうとう訪れたんですね。
運命のときが‥‥‥
メリッサ「ああ、アンディー、会えないかしら?もうあなたしかないの、私には。」
メリッサ「その夜は、ずっと家で待ちます」
メリッサ「・・・すぐまた会いたい気持ちです」
メリッサ「あなた、楽しかったわ、会えて、また来てね」
メリッサ「ああ、神様、、早くまた来て・・・」
ここでちょっとミーハーモード。
ヤンさんに「会いたいわ」「また来てね」「早くまた来て・・・」
「あなたしかないの・・・」なんて
甘い声、少し鼻にかかってて、切なくて……………
アンディ長谷川さんはいいよなあ〜〜〜〜
そら、あんなふうに言われたら会いに行ってまいますわなあ。
わかりまっせ〜〜〜〜〜
ええなあ〜〜〜〜
ほんまにええわあ〜〜〜〜〜〜
好きやわ〜〜
良かったのか悪かったのか、ふたりのことはスキャンダルとなり、会えなくなってしまいます。
アンディは選挙第1。
メリッサはただ会いたい・・・・・・。
アンディは見事に当選!
メリッサは心が壊れて入院生活・・・・・。
会いに行くというアンディに「来ないで!」と死を選択したメリッサ。
最後にメリッサの母にあてたアンディの手紙、それに優しくこたえる天国のメリッサ。
ラストの「ありがとう、アンディ」には涙が・・・・・。
決してオーバーな朗読でなく、むしろ押さえた語り口のヤンさんメリッサ。
なのに、心にしみ入り、なんと後口のよい爽やかさだったことか・・・
演じようによってはドロドロにもコテコテにもなるようなメリッサを実に清清しく、
潔く、そして可愛らしく朗読という形で演じて下さった。
アンディの長谷川さんも実直で、メリッサを初めてみた時の王女さまのまんま愛してくれて、
涙を流して朗読されるお姿には感動しました。
「もし、あの時、あなたと・・・・」というセリフがありましたけど、
選択する時には2本だった道も振り返ればたった1本の道、
迷ったことも含めて自分の歩いてきた1本の道に自ら終止符を打ったんですね。
私にはそう思えて清清しく感じられたのかもしれません。
メリッサはこれからはアンディの胸の中で生き続けていくような気がします。
ジェーン(アンディの妻ね)にとっては、これからの方がメリッサは強力のライバルになる気も……
ヤンさんのメリッサには心底惚れました。
可愛さはもちろん、後半の情感にじみ出る雰囲気、美しい口跡、
『書』に例えるならその筆跡のスッキリした線と余白の美しさとでもいいましょうか、
ヤンさんがこのステージで創られたあの清清しい劇空間!
そこに存在出来て幸せでした*^^*
興奮さめぬまま、狭いロビーでひとしきり友だちと
感動を語り合い、
出待ちもちょっとしてみたんだけ、タイムオーバーでおしまい。
夜行急行「銀河」に揺られて家路についたのでした。
もどる