Macbeth

2008.12.19〜28 恵比寿エコー劇場
劇団AUN 第16回公演

CAST

マクベス
吉田鋼太郎
マクベス夫人
安寿ミラ
バンクォー
大塚明夫
ダンカン/シーワード
関川慎二
少年・マクダフの息子
西本健太朗
将校・門番
松木良方
医師
星和利
マクダフ
中井出健
ロス
谷田歩
暗殺者1
岩倉弘樹
レノックス
松本光生
フリーアンス
木村健吾
ドナルベーン
谷畑聡
マルカム
長谷川祐之
暗殺者2
飛田修司
小シーワード/幻影2
福岡幹之
兵士ほか
杉本政志
斉藤慎平
マクダフ夫人
千賀由紀子
魔女
坂田周子
林蘭
沢海陽子
ヘカティ
根岸つかさ
侍女
長尾歩
金子久美子
工藤晶子
幻影1
浅井京子

STAFF

W・シェイクスピア
翻訳
小田島雄志
演出
吉田鋼太郎
照明
原田保
音楽
笠松泰洋
音響
角張正雄
映像
仲野慶吾
アクションコーディネイト
八敷勝

なんてたってマクベス夫人

悪女と名高きマクベス夫人

悪魔のようなマクベス夫人

なのに

ヤンさんのマクベス夫人の
なんと美しく可憐なこと!

こんなに可愛らしいマクベス夫人が
今迄にいたでしょーか?

こんなにラブラブな
マクベス夫妻がいたでしょーか!

寄り添って悪事、ともに破滅

一心同体

こんな一心同体見たことないです!

では観劇記行ってみよ〜!

恵比寿エコー劇場

150席あまりの小さな劇場

補助席ぎっしり客席は満員

ロビーもお花でいっぱい

吉田鋼太郎さん主催の劇団AUNの公演に
ヤンさんは客演です

2階にある劇場へ上がる螺旋階段の下には

舞台で侍女を演じるAUNの女優さんがいらして

ロビーでパンフレットを販売なさったり
チケットの手配をなさったりしてるのも
AUNの女優さんたち

なんだかそういうのって好きです

パンフと音楽/笠松さんお手製のマクベスサントラCDを買って客席へ

不思議な音楽が流れています

舞台壁面にはお芝居マクベスの絵がいっぱい

魔女や騎士、剣に酒宴などなど

眺めているうちに真っ暗に


第1幕

突然の雷鳴!
浮かび上がる魔女の顔!

怖ッ!

思いっきり驚きました
客席で飛び上がりそうでした

雷鳴ごとに魔女が増え
3つのスポットに浮かび上がる真っ白な魔女の顔
(坂田周子さん、林蘭さん、沢海陽子さん)
白目に黒点
あの不気味なコンタクトレンズは効果満点

魔女の言葉でいざマクベスワールドへ!

黒のレザーコートをひるがえし
ずらり現るイケメン軍団!

おーーーーーーーーーーーーー!!!

AUNって何?こういう劇団やったん?

男くさ!

一瞬、何を見に来たのか忘れそうになりました(わはは)

血まみれの将校(松木良方さん)が
スコットランド王ダンカン(関川慎二さん)たちに
マクベス、バンクォーの手柄を臨場感たっぷりに報告

ロス(谷田歩さん)が登場
ダンカンに裏切り者を注進
裏切り者は処刑
ダンカンはマクベスをコーダーの領主に!

のっけから出世(早!)

魔女たちが待ち受けるところへ
マクベス(吉田鋼太郎さん)バンクォー(大塚明夫さん)登場

魔女はマクベスに向って

「万歳!マクベス、グラームズの領主」
「万歳!マクベス、コーダーの領主」
「万歳!マクベス、将来の国王」

バンクォーに向って
「国王を生み出す方!」

と謎をかけ

マクベスの心の奥底に潜ませていた野心を引きずり出す
悪魔のささやきでなくしてなんでありましょう

そこへまたジャストなタイミングで
ロス(谷田歩さん)登場

マクベスがコーダーの領主となった事を告げるのです

魔女の予言は当たったじゃないか、とマクベスはますますその気になり
バンクォーはあんた王冠にまで手ぇ出そ思てんちゃう?
と見透かしたようなことを言う

再びダンカン率いるAUN軍団登場

コーダー前領主の処刑完了
新領主マクベス、バンクォーと熱い抱擁を交わした後

息子マルカム(長谷川祐之さん)を王位継承者とする旨発表

思わず顔をしかめるマクベスに誰も気付かない

そんなマクベスの心中を思うこともなく
王ダンカンはマクベスの城インヴァネスに立ち寄ると宣言
マクベスに歓迎を命じる

<インヴァネス マクベスの城>

さあ、ヤンさんご登場〜〜〜!!

真っ白なドレスでマクベスの手紙を読みながら
舞台下手奥から壁に沿って

マクベスにかけられた魔女の謎
夫マクベスに足りないものを私が補ってあげよう

あなたの耳に私の強い心を注いであげる

ヤンさんのお口からこのような言葉が聞けるなんて
M的ファン生活にとって最大の喜び(わはは)

そこへまたもジャストタイミングで
王ダンカンが自分たちの城を訪れるとの知らせを持って使者登場

夫マクベスを王にするチャンス到来!

私を女でなくしておくれ、
残忍な気持ちで満たしておくれ
思いやりへの道をふさいでおくれ
甘い乳を苦い胆汁に変えておくれ

マクベス夫人は悪魔になろうと祈ったんだわ
ってことは元々残忍でもないし、思いやりがある甘い乳の持ち主だったってことよね
(勝手に解釈)

マクベスの帰還

あなた〜とマクベスに抱きつき
クルクル廻る
あ〜なんて軽やかな妖精のようなそのお姿

美しいです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

抱き合ったまま
強く抱き合ったまま
顔を近く近く寄せ合って
ダンカンの明日は日の目を見ないでしょうと

暗殺を共謀
なんて書くと身も蓋もないのだけど
悪に手を染めようとしている二人は
ヒジョーにセクシャル!
何故かドキドキ

ダンカンご一行様ご到着

美しい奥方のお出迎え

奥方さまはマント?をはおって後ろ向き
美辞麗句で無心の花と見せかけ上手

ご一行様の穏やかな目線は美しい奥方に注がれてます

客席には見えないお出迎えヤンさんは
どんな表情なさっているのでしょう?

王ダンカンにお手をと、奥へ

マクベスはタキシードを着込み、迷いながら登場

暗殺なんてやめとこーよ
ダンカンって人望厚いしさ、殺しちゃったら非難囂々よ
野心に従うのもいいけど
やり過ぎたらヤバクね?

なんてことをシェイクスピアの比喩の限りを尽くした言葉でマクベス

マクベスを追いかけてレディマクベス

黒のラメラメ・スリムなお衣装・細いショール

王の歓迎パーティー抜け出しちゃだめじゃない
え?やらないの?どーして?
あの手紙やさっきの決心は何だったの?
私がお付きを酔っぱらわせちゃうから殺んなさい!

(↑まったくクリスチャン(シラノの)だ・笑)

なんてことをシェイクスピアの比喩の限りを尽くした言葉でレディマクベス

この比喩がすごいんですよね
比喩なしの直接表現だと
それっきりこれっきりの話で終わってしまうのだけど
比喩故にイメージがさらに広がるのね

バンクォーとその息子フリーアンス(木村健吾さん)登場

剣を息子に渡してたけど
自分も剣なんか持ってたら悪い気持ち起こしそうなんて思ったのかな

マクベス、従者と登場

こっちはヤル気まんまん!
ばったりバンクォーに出くわしてオヨヨ
上手くやり過ごした(どうだろ)マクベスは
剣の幻に己が運命の破滅をかいま見るが

意を決して王ダンカンの寝室へ

マクベス夫人登場〜

白いガウンだ〜〜〜〜〜〜〜〜

綺麗です〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

マクベス夫人にその勇気を与えたお酒
その勇気で
従者のお酒に薬をお入れに??

その現場、見たかった〜〜
どんなお顔でお酒に薬を?

手は震えましたか?
マクベスが剣の幻にさいなまれたように
その白い手に持つ薬瓶に幻は見えませんでしたか?

それがやがて破滅へ向わせるものとは
想像しませんでしたか?

なんてことは頭の隅に追いやられてたんでしょうね

マクベス夫人はただ夫マクベスのために

本当は出世したがっている夫のために
最悪の最善を尽くしたのだわ!

ダンカンを刃にかけたマクベスは早、その罪に怯え

もう眠りはない!

この手の血は大洋の水をもってしても消えぬ
むしろこの血が大洋の水を赤く染めるだろう

恐れおののくマクベス

マクベス夫人は血なんて水ですぐに洗い流せますってなだめるの

対称的なふたり
この自分の言葉に後で呪われることになるなんてね

王殺しで盛り上がった後は(おい)

松木さんの地獄の門番、遊べる役どころですね

中日以降は 2008流行語大賞ノミネート語
「あなたとは違うんです」も飛び出したそうで
唯一笑えるシーン
いい味わいでした

マクダフ(中井出健さん)レノックス(松本光生さん)が
王ダンカンを起こしにやってきて発見!

王の息子
マルカム、ドナルベーン(谷畑聡さん)もやってきて

マクベス夫妻も一緒になってうろたえてみせて大騒ぎ
マクベスはどさくさの中、罪をなすりつけた従者たちを殺してしまい

その言い訳に自分の忠誠心をわめきちらす

その様子をはらはらしながら見ている
マクベス夫人に視線はロック(ファンだから)

夫がボロを出さないか
墓穴を掘らないか

たまりかねて注意を惹き付けるために
失神してみせたのよね
って感じました

マクダフに(2回目観劇時ミーハーチェーック!)
かかえられて退場

王の息子マルカムとドナルベーンは
それぞれ脱出するが
そのため王暗殺黒幕の嫌疑をかけられた

王座についたマクベスだが

不安にさいなまれる

不安の元はバンクォー

暗殺者(岩倉弘樹さん、飛田修司さん)を呼び
バンクォーとその息子フリーアンス殺しを命じる

バンクォー殺しは妻には内緒なのね

可愛いおまえは知らなくてもいいって*^^*

あとで褒めてもらおうって*^^*

このあたりマクベスってけなげ〜って思っちゃう(おい)

そして「可愛いおまえ」ですもん

きゃい〜ん

可愛いおまえ。。いい響きだ。。

可愛いおまえにつづくマクベスの独白も素敵

バンクォー暗殺の場面

結構派手な殺陣で迫力ありました

なんか昔の芝居ってこんな風にお客さんを楽しませてたんだろうな〜って

常識人のバンクォーが殺されちゃうんだって気の毒だったけど
殺陣はおもしろかった

バンクォーは殺されちゃうけど
息子フリーアンスは逃げます(良かったあ〜)

そしていよいよ1幕のクライマックス

宮殿での宴会!

木のテーブルが3つ出されて
綺麗にたたまれてある白い布で覆われて
お皿にはちゃんと食べ物が配られて
あれって何だったんだろ

主立った貴族たちが王マクベスの宴会に集まるのですが

マクダフ居ません
バンクォーもいません(当然だ)

でもバンクォーは亡霊となって現れるのです

血だらけのバンクォー

王マクベスの椅子に座っている

その亡霊はマクベスにしか見えない

この時のマクベスの動転具合ったらハンパじゃないです
バンクォーがすでにこの世の人じゃないってことは
犯人しか知り得ない事実

そのバンクォーが自分の王座に座ってるんだもの

「席がない」とわめきちらすんだけど
まわりは「?」

マクベス夫人は必死で場を取り繕おうとするんですけど

再び亡霊

「失せろ!姿を見せるな!大地にもどれ!」
椅子を投げるわ
テーブルひっくり返すわ

最前列のお客さんは怖かっただろうな

この時ロスがずっと夫人をかばうモードだったのが素敵だった
(どこ見てるんだか^^;)

あまりのことに貴族たちは退席

残されたマクベス夫妻

ここからが良かったのですわ〜〜〜〜〜〜

戯曲読めば1ページと半分

なのにあんなに胸しめつけられる場面になるなんてね

地獄への道行き

犯した罪に内側から復讐されて

夫に眠りを与えた妻が
やがて自分の眠りを殺される

寄り添う二人が一人の人間のように思えました

夫人の流す涙はマクベスの涙のようにも思えました

素晴らしい1幕でした!

10分の休憩

隣りの方としばしの歓談

良かったわね〜

1幕の余韻をひきずったまま2幕です

ヘカティ(根岸つかささん)と魔女の場面

「くそばばあ」が耳に残る(おい)

照明下がって密室の雰囲気

テーブルはさんでロスとレノックス
(戯曲ではレノックスと貴族なんだけど、ロスでいいんだよね)

密談の内容は
「マクベス怪しいんちゃう?」(おい)
「マクダフ危ないんちゃう?」(こら)

轟く雷鳴

有名な魔女と大釜のシーンです

リアルなお鍋でした〜

血でぼっとんぼっとんの臓物
目は釘付け
どうやって作ってはんのやろ
あのべっとり感は何?

願わくば原型を彷彿させて欲しかったな〜^^;
ヒキガエルならそのでっぷりしたお腹
目玉ならクルンと丸く光ってて
コウモリの羽なら骨が尖ってて

そこまでやるのはエグザイル^^;(意味不明)

そこへマクベス登場

困った時の魔女頼み

見せてあげよう!と魔女が見せたのは

血管ブチ切れそうなチャールストン!
踊り狂う魔女に
幻影
(浅井京子さん、福岡幹之さん)

映像に映る子々孫々亡霊の行列

マクベスひとりで阿鼻叫喚

レノックスからマクダフ逃亡を告げられ

暴走マクベス

魔の手はマクダフ夫人(千賀由紀子さん)に!

ロスがマクダフ夫人と息子(西本健太朗さん)に
急を告げにやってくる

ロスって何しに来たの?
マクダフが逃げた事だけ伝えただけじゃないの?
逃げなさいとも言わなかったしな〜

ロスって謎な男よね

あなたのご主人は立派な方だ!と持ち上げても
夫人はそうは思わなかったし

去り際の「これ以上長居をすれば。。」ってどういう意味(笑)

ロスはマクダフ夫人が好きってこと?^^;

ロス去って

マクダフ夫人と息子の場面

ここからは素直に泣けますね〜

母だもん、無条件で共感出来ちゃいますもん

途中、使者が逃げろ!って来るけど

哀れな母と息子は無惨な姿となってしまうのであります!

マルカムに忠誠を誓ったマクダフ
マクダフをやっとのことで信じたマルカム

イングランドの援軍を得られると知り
二人の士気は上がる

が、しかし

そこへロス登場
マクダフの妻子の不幸を告げる

復讐の幕が上がる

さあ〜〜いよいよです

マクベス夫人の見せ場でございます!

侍女が医者に夫人の異常な様子を相談

舞台下手そでから燭台を手にマクベス夫人登場

真っ白な夜着にガウン

侍女と医者が遠巻きに見ている
舞台全面中央で

手をこすりあわせるマクベス夫人

「まだ、ここにしみが」

「消えておしまい、忌まわしいしみ・・・」

なんて言えばいいのでしょう〜

ヤンさん、凄すぎます

空洞みたいな身体からただ言葉だけが
ぼろぼろとこぼれてくるみたいな

眠ってるんだってわかる

眠ってるんだけど

眠れない罪の意識がはけ口もとめて
勝手に喋ってしまう

こんなヤンさんが見れるなんて〜〜〜

素晴らしいです!!もう一度観たい〜〜〜〜〜

観たい!観たい!観たいです〜

でもきっともう観られないんですよね

カナシすぎます(T T)

たくさんの貴族や軍人さんたちが
マクベス討伐のために集まってます

マクベスの元へ
討伐の軍勢がせまっていると使者がやってきます

医者に妻の具合を尋ねます

もう破滅しかないマクベス

軍勢はバーナムの森となり押し寄せてくる中

妻、マクベス夫人の死が知らされます

この時の鋼太郎さんのマクベスが
素晴らしかった〜

さっきまでギラギラグラグラ煮えたぎっていたものが
一瞬で音もたてずフっと消え
一条の煙となってマクベスの身体から抜けていく

今、思い出しても
マクベスのまわりのうごめく空気が見えるような気がしてしまう

そして音楽

マクベスのテーマ曲が流れ始めるのが
マクベス夫人が夫マクベスを思う魂のようで

舞台全体がマクベス夫人の思いに包まれてしまったように感じてしまい
胸が熱くなりました

せまる軍勢

マルカム、老シーワード(関川慎二さん)小シーワード(福岡幹之さん)マクダフが次々に現れる

戦いが始まる

マクベスvs小シーワード

迫力満点の殺陣

必死で戦うマクベスが哀れで哀れでしかたなく

因縁の対決

マクベスvsマクダフ

このシーンはたまらなかったです

互いに亡くした妻を思い
マクダフはマクベスに妻子を殺されたんですから

二人の戦いを見ながら
世の男性全てが愛おしく思えてなりませんでした

なんでだろ^^;

そしてマクダフがマクベスを倒す

王となるマルカムの元
マクダフ、シーワード、ロス、ほか領主兵士たちが集まり

その前に転がるマクベスの首

夫人の膝で眠っていた頭

今は胴体もなく

哀れでした

新しい時代の始まりをマルカムが宣言し

カーテンコール

舞台いっぱいに並ばれた役者さんたち

迫力あるとてもおもしろいお芝居を見せていただきありがとうございました

鋼太郎さん、ヤンさん、

とても魅力的なマクベス夫妻を見せていただき

ありがとうございました

本当はもっともっと見たかったです

でも忘れません

マクベスのこと、マクベス夫人のこと
このお芝居のこと

次の「アントニーとクレオパトラ」も楽しみにしています

ヤンさんのファンしててほんとに幸せ!

ありがとうございました

終わり

読んで下さってありがとうございましたm(__)m

2008.12.28記

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