TS Musical
タン・ビエットの唄
高知公演
[高知市民劇場公演]
2008年1月30日(水)〜2月2日(土)高知県民文化ホール
2月3日(日)須崎市立市民文化会館
大阪公演
2008年2月5日(火)〜6日(水)シアター・ドラマシティ
東京公演
[第10回東京芸術劇場ミュージカル月間公演]
2008年2月10日(日)〜17日(日)東京芸術劇場 中ホール
CAST
フェイ
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安寿ミラ |
ティエン
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土居裕子 |
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トアン
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畠中洋 |
ハイン
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吉野圭吾 |
ミン
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宮川浩 |
ビン/ビック
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駒田一 |
ゴク
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戸井勝海 |
チェー
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川本昭彦 |
警官
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福永吉洋 |
黒い男
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平野 亙 |
ボーイ/スリ
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島田邦人 |
白い女
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藤森真貴 |
フェイ(少女時代)
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長尾純子 |
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中野祥子 |
久積絵夢 |
Musician
キーボード
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吉田さとる |
パーカッション
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宮崎仁 |
音楽強力
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ベース
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えがわとぶを |
ウィンドシンセ・サックス
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宮崎隆陸 |
ヴァイオリン
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大多貴子 |
Staff
企画・演出・振付
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謝珠栄 |
脚本
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大谷美智浩 |
音楽・歌唱指導
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玉麻尚一 |
美術
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大田創 |
照明
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小川幾雄 |
音響
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山中洋一 |
衣装
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友好まり子 |
アクション
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渥美博 |
ヘアメイク
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逍英 |
舞台監督
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山矢源 |
緞帳に描かれている2輪の蓮
白と桃色
ティエンとフェイ
ベトナム戦争の話であるが
ベトナム戦争の話ではない
二人の姉妹と5人の男たちの生き様
テーマは「生きる」ことと私は勝手に解釈
フェイは現代の多くの人々を映した鏡
戦争のことは
見ざる・言わざる・聞かざる・振り向かず
物語はフェイが振り向いたからこそ始まる
フェイが覗き込んだ過去の鏡
ミロワールだ(おい)
戦争で深く傷つき
傷ついた心を閉じ込めてしまった5人の男たちの前に
突如現れたフェイ
5人の男たちはフェイにティエンの姿を重ねたであろう
観劇記!(2幕へのジャンプはこちら)
行ってみよお!
舞台はベトナム
縄で編まれた木切れや何やらがたれ込めた舞台
白い女(藤森真貴さん)
白い蓮の精
ティエンの魂がフェイを導いている
蓮の花を摘むティエン(土居裕子さん)
M1♪ホアセン(ティエン)
寄り添うように咲く
白い蓮、桃色の蓮
そっと摘むティエン
水面を優しくなでるような歌声
M2♪戦争の記憶
悲惨な戦争のミュ−ジカルナンバー
紫のブラウススーツ
今のベトナムにはそぐわないドレスのフェイ(安寿ミラさん)キャー☆
戦争が終わって20年あまり
ある村で起きた大虐殺を語るためヨーロッパに渡り
そのままそこに留まっていたフェイが
姉ティエンに会うために祖国ベトナムに戻ってきた
M2♪シクロ(トアン)
ホーチミン市の雑踏
シクロとは自転車によるタクシーのようなもの
フェイがまず訪ねたのは
自分たちの先生でもあったというトアン(畠中洋さん)
山椒は小粒でピリリと辛い
ビシバシ決まるトアンの歌、セリフ、動きもシャープでステキです
シクロの運転手をしながら地道に今を生きている
まじめな男
M3♪これがベトナムだ(トアン・フェイ)
フェイには「帰れ」と。
「ティエンを探すのはやめておけ」と。
「綺麗な過去はそのままにしておけ」と。
けれどフェイは引き下がらなかった
トアンの冷たい反応に驚いたけれども
フェイだってダテに20年イギリスで暮らしてたわけじゃない
フェイにだって必死に生きた20年があった
大虐殺を伝えるためヨーロッパへの使節団に加わり
そのまま戻って来なかったことをずっと負い目に感じて今迄生きてきた
年の離れた夫が亡くなり今こうしてやっと祖国に戻ってこれたのだから
M4♪タン・ビエットの唄(ティエン・フェイ)
フェイは姉と別れたあの日を思い出す
素敵だった回想の場面
ティエンは「行きたくない」と泣くフェイに
「ヨーロッパに行ってちゃんと伝えるの!
伝えることも戦うことなの!」と諭して
お互いのヘアバンドを互いの形見に交換するのね
ティエンのうす水色のヘアバンドはフェイに
フェイのオレンジ色のヘアバンドはティエンに
ティエン(土居裕子さん)と
少女時代のフェイ(長尾純子さん)が
お芝居をしているけど、
話しているのは土居さんとヤンさんなの
ヤンさんがね、とても少女なの
ティエンお姉さんを頼り切ってる少女なの
少女なヤンさん、大好き!
過去と現在、トライアングルなお芝居がとても自然で良かったです〜〜〜
M5♪二十年の歳月(フェイ)
トアンは「ミンの居場所なら知ってる」と
ミン(宮川浩さん)の所へ案内してくれる
ミンのバー(酒場)
今じゃジョーと名乗っているんだじょー(おい)
外国人相手の酒場をやっているミン
ミンのバーへの道のりに
何故か黒い男(平野 亙さん)
黒いスーツ、赤いテープを垂らした男のダンス
黒い男は侵略者の象徴と思われる
または絶望
悪意の象徴とも思われる
侵略者相手に絶望の日々を送るミン
フェイはミンが久しぶりの再会を
喜んでくれると思っていた
大好きな詩人のお兄さんだったんだもの
それなのに
ミンは吐き気がするほど腹が立つ!と言い放った
何故あの時帰って来なかった!
あの時のティエンの哀しみを知っているのか!
あの子はたった一人の肉親に裏切られて
本当にひとりぼっちになってしまったんだ!
M7a♪葬り去った過去(ミン)
ミンが怖かった
フェイにすっかり感情移入してしまってたんだと思う
フェイの受けたショックが我が身にも突き刺さった
それほどミンの怒りは凄まじかった
全てのものへの怒り
・・・
フェイは弁解する
祖国に帰りたくなかった、怖かったのだ
平和が日常だなどと思ったことがなかった
家族で食卓を囲み
明日の命を心配することのない
イギリスでの生活を自ら望んだのだ
まだ少女だったフェイの決断を
誰が責められよう
そしてそれを今認め話すフェイを誰が責められよう
「もしも自由を手にしたなら
空に向い熱い唄を
闇に散った友に贈ろう」
あなたの作ったこの詩が大好きだった
ティエン、フェイと5人の戦士たちの共に戦っていた日々
M8♪勇気そして希望(トアン・ハイン・ミン・ビン・ゴク・ティエン)
迫力のあるダンシシーン
その中でビンのティエンを思う心
ティエンがたった一人の人を待つ思い
5人の男たちの姿が浮き彫りにされていく
フェイはビンの故郷バン・メトートを目指す
ビン(駒田一さん)の故郷バン・メトート
のどかな田園(ダンスナンバー)
家族で田畑耕し、老いた父の面倒を見ている
M10♪自慢の息子(ビック)
ここは見事に騙されてしまいました
駒田さんブラボー!です
老いた父親と二役だったなんて〜〜〜〜
フェイにすっかり感情移入してる私は
まだかまだかとビンを待ってしまいました
そしてビンのお父さん、可哀想に
何か辛いことあったのねなんて
「ここで待たせていただいていいですか?」
というフェイと同じにね
そしたら突然混乱状態になるビックにビックりしました(おい)
M11♪傷を背負い続けて(チェー)
チェー(川本昭彦さん)というのはビンの弟
けなげな弟ですね
ビンが逃げて帰ってきてどうだったかを
父親のビックがその時どうしたかを
そしてどうなったかを
大きなネタばれなので以下伏せます
ビンは父親の目の前で引き金を引き自殺
父親はティエンという娘がビンを殺した!と叫ぶ
あまりにショッキングな言葉に愕然とするフェイ
M12♪故郷に戻りたい(フェイ)
その真偽を知るためにも
M13♪これからのベトナムのために(ティエン・フェイ)
ビンの元を毎月訪れるというゴクを訪ねることにする
M14♪運命(ゴク)
さすが僧侶のゴク(戸井勝海さん)
癒されました〜〜〜〜
フェイに同化してるもんで、ここまでくるのにもうグッタリ
身も心もね
アンコールワットのてっぺんみたいなグルグルが降りて来て
開演まで流れていたお香のにおいが
妙によみがえってきて
お寺モード仏教モード
歌詞なんてほんとにすっかり忘れてしまったのに
ゴクのソロを聞いてる間ずっと
そうよ、そうよ、そうなのよ、と思っていました
ティエンのこともビンのことも運命
フェイ、あなたが今ここにいることも運命
けれどもフェイが疑問をぶつけた時
ゴクの表情は激しくゆがみました
ゴクの慟哭(おい)
もうそれだけで見てるのが辛くなるほどでした
何があったのか聞きたくない!と思いました
けれどもフェイは聞きます
ティエンの死を
処刑を
ティエーーーーーーーーーーーーン
フェイの絶叫
幕
フェイという難役
5人の男たちの苦しみ怒りを一身に受け
ベトナムに散った姉ティエンの輝きのカケラを
拾っては胸にしまう
男たちが熱い情熱、苦しさや葛藤を歌い上げているのを
じっと静かに聞き、彼らの思いに胸打たれ痛めている
それぞれの見せ場、ミュージカルナンバーを
フェイはしっかり心に受け止めている
そんなフェイが、ヤンさんが
大好きです!
東京大楽観劇後の脳内再生観劇記
幕があがると
舞台にひとりたたずむフェイ
M16♪ダナンの街(フェイ)
パンツスーツ(黒のインナー)で帰り支度なさっている
ダナンの街でタクシー(?)を拾って
空港へ向おうとしてるのかな?
客席向いてタクシー(シクロ?)止まって!と
手など上げられて
でもタクシーはつかまらない
と、その時ヒッタクリが!
フェイのショルダーバッグを〜〜〜
「泥棒!」
と、そこへトアン
「ひとりで出歩くなって言っただろう」
M17♪存在(フェイ・トアン)
ヤンさんと畠中さんのデュエットが聞けるなんてね〜
土居さんとのデュエットも嬉しかったけど
ヤンさんのハムレットで
畠中さんのホレーショーなんて素敵かも〜
オフィーリアは土居さんで!なんてね
もとい
で、息抜きの場面です
日本人中国人韓国人の場面ですじゃ
みんな菅笠に大きな顔つけて
こういうのん大好きですわ〜〜〜
美人に愛人お蝶夫人に宗方仁
特に好きなのは3億6千万の観客を暇人よばわりする所(笑)
最後は木っ端みじん!(笑)
警官の福永吉洋さん
お疲れさまでした(笑)
トアンが警官さんに袖の下つかませて
スパイ容疑をかけられそうになったフェイを救ったところへ
さっきのカッコイイひったくり君(島田邦人さん)が戻ってきます
そしてフェイに
「あんたに会いたがっている人がいる」
「あんたひとりだ」って連れてって
トアンは後からこっそりついていくの
転換のダンスと音楽が素敵だった〜
船を漕ぎながら出て来るあの場面
アジアな響きのコーラスに
光る水面が見えるようでしたもん
連れてこられたところは胡散臭い
とても堅気な人の居るところじゃないところ
現れたのは最後の男ハイン(吉野圭吾さん)
すねてるし〜チンピラやし〜
赤十字の腕章してた頃の面影ないし〜
フェイ!ハイン!とご対面のところに
追いかけてきたトアン
ハインの驚きに
まだ何かあるのね、と予感がする
ハインは手下がひったくったパスポートを見て
フェイに会おうとしたんだよね
なんのために?
トアンがハインを問いつめ始めた
「あの子はどうした」
ハインが話し始める
ティエンの死とティエンの子どもの事を
〜回想〜
M18♪私のちいさないのち(ティエン)
お腹に宿った小さな命
その命の父親が敵のスパイだったことが分かる
それでも産みます!とティエン
いつかこの子がフェイに会えるかもしれない
M19♪ひとすじの光(ティエン・ミン・ゴク)
M20♪逃亡(トアン・ハイン・ミン・ビン・ゴク)
ひとりで子どもを産んだティエン
しかし父親は捕まり
彼を逃がそうとしたティエンも処刑に!
銃殺刑なんだけど
目隠しされたティエンはずっと「タンビエットの唄」を
歌っているのね
そのティエンに銃口を向けねばならなかった
ビンとゴク
ビンはティエンを愛していたというのに
それを見ていたハインも身体中が震えていた
ティエン
罪な人・・・と私は思う
残された子ども(赤児だ)を前に戸惑う5人
戦いの最中、子ども等育てるのは不可能だ
自分たちまで処刑されるぞ
殺そう!と
子どもの口をふさごうとするゴク
ゴクはこの時の自分が許せないんだろうな〜
M21♪ちいさないのち(トアン・ハイン・ミン・ビン・ゴク)
このナンバーは好きだったなあ〜
静かな男性ばかりのコーラスが
胸に沁みました
ハインとトアンがその小さな命を助けるために
ジャングルを抜けることに
M22♪ハインの過去(ハイン)
ハインは8年間必死でタオを育てていた
しかしその後のことは知らない
激しく言い争うトアンとハイン
凄い迫力でした!
M23♪夢と現実(トアン・ハイン・フェイ)
トアン
「フェイの手をひいて必死で逃げてきたティエンの目が忘れられないんだ」
舞台奥のジャングルを逃げてくるティエンとフェイ
少女時代のフェイに現在のフェイが重なり
ふたりのフェイをティエンが励ます
「起きなさい!」
ここは大感動でした!
ティエンが少女フェイに呼びかけてる
その同じ声が大人になったフェイにも呼びかけている
ティエンの魂が今フェイに呼びかけている
過去と現在がピタっとひとつに重なって
フェイは立ち上がり
歩き出す
M24傷を背負い続けて(フェイ)
故郷ハンティン村へ
舞台奥に垂れ込んでいた縄のセットがささ〜〜と開き
青々としたジャングルが現れる
池には蓮の花が先
人々は田畑で働いている
緑まばゆいジャングルに囲まれた故郷ハンティン村に
フェイは戻ってきた
黄色のアオザイに身を包み
ティエンの形見のヘアバントで髪を束ね
ゆっくりと、けれどもしっかりした足取りで、今
故郷の土を踏みしめる
そして語り始める
この村で何があったのか
語る意味を知り、祈りを持って語る
ティエンとフェイのお母さんが
二人の前に立ち
受けられる限りの弾丸をその身で受け止めた
というくだりにはもう号泣
そうなのよ
お母さんってそうなのよ
死なせたくない
痛い目に合わせたくない
子どもの苦しむ顔を見るくらいなら
自分が苦しい方がずっといい
そのお母さんの願いは通じたのね
静かなフェイの言葉に涙があふれた
そして
M25♪タン・ビエットの唄(フェイ・タオ)
なんて嬉しいこと!
フェイの歌う「タン・ビエットの唄」に重なる声
ゆっくりと振り返るフェイ
そこにはひとりの娘の姿があった
「母がずっと歌っていたそうです」
「あなたに会えると思っていました」
「ティエンの娘、タオです」
涙がこぼれてこぼれてしかたありませんでした
嬉しくて嬉しくてしかたありませんでした
良かったね、良かったね
M26♪これからのベトナムのために
タオをしっかり抱きしめるフェイ
素敵だった〜〜〜
タオが可愛らしくて
フェイが素敵で
ヤンさんがハムレットで
土居さんがオフィーリアだったら絶対素敵だ〜〜〜
なんてまたまた妄想^^;
明日への希望へ向かう人々に囲まれて
幕
カーテンコールは
賑やかに
手拍子に乗って
まず縦横無尽に踊り歌いアンサンブルの方々
5人の解放民族戦線の男たち
土居さん
ヤンさん
劇場が大きな拍手に包まれました
大楽にはひとりひとりご挨拶もあり
ヤンさんの
この役に選んで下さったことへの感謝と
作品と共に作り上げたスタッフキャストの方々への敬意を述べられ
謝先生を先輩と呼べることを誇りに思います
と締めくくられました
涙が出ました
感激しました
ヤンさんのことがますます好きになってしまいました
ヤンさん、ありがとうございました
おわり
読んで下さってありがとうございましたm(__)m