大城参加の中一組、ハーリー参戦記
 2003年(転覆ハーリー2位)   大城初出場うみんちゅの願いが通じ、台風さえも吹き飛ばした!!
 2004年(御神ハーリー2位)   万年転覆ハーリーから抜け出し、御神ハーリーでの決選
 2005年(上がりハーリー優勝)  
中一組、悲願の上がりバーリー優勝果たす!
 2006年(上がりハーリー優勝)  
100回記念で感動の優勝2連覇達成!! 

 2007年(上がりハーリー2位)  
中一組、三連覇果たし、旗取りなるか?

ハーリーとは、豊漁、海上での安全を祈願して爬竜船(サバニ)による競争を行うものである。
漁業が盛んな石垣島では各地でハーリーが行われ、特に石垣漁港でのハーリーは、大海洋祭マンタピア八重山と同時開催ということもあり、大いに盛り上がる。
ウガン(御願)ハーリー(主にうみんちゅ関係者の本戦チーム)をはじめ、マンタピアヤエヤマにおいて中学校ハーリー(文字通り中学生のチーム)、職域ハーリー(職種を問わない一般者のチーム)、マドンナハーリー(女性だけのチーム)などが行われる。

2003年:第97回石垣市爬龍船競漕大会「ハーリー」

大城初出場、うみんちゅの願いが通じ、台風さえも吹き飛ばした!!


2003年6月3日海神祭中一組


6月3日(火)

5時前から起床して、朝ご飯をしっかり食べ、いざ出陣!台風の予報は見事にはずれ、おだやかな風。曇ってはいるが、まったく問題なく競技できるとのこと。
5時過ぎからハーリーを知らせる鐘の音が鳴り響く。静かにカーン、カーン。この役目は小学生の男の子。町を練り歩いた後、会場にやってくる船の一番前に乗り、鐘をたたくのである。
7:00am開始も8:00からとなった。

 

会場に次々現われる勇士たち。中1組は中2組、西組と合同チームとなり、東1組と東2組の3チームで争われる。


隣の漁港からやっていた東1組、東2組

一同集まったところで鐘の音と共に会場となる漁港内を数週周り、開始のアピールが始まった。鐘の音が厳かでかっこいい。開会式が行われ、婦人達の踊りが披露された。

 


そしていよいよ本ハーリーが開始!カメラを構える私にも緊張が伝わってくるようだ!!中2組、東1組、東2組による御神バーリーからスタート!激しい水しぶきが飛ぶ!


予選でもダントツの早さだった中2組が圧勝した。

次は大城が参加する中1組の転覆ハーリーだ。スタートで一気に引き離す作戦だったが、思うように船走りにのびがなく、苦戦。
1周回ったところで2位とサバニ1漕分引き離されていた。東1組と2組はほとんど並んでいる。2周目は転覆だ!これで挽回できるか??
接戦のたびに応援団の太鼓と声援がすさまじい怒涛のごとく漁港中に響き渡る。

 
     激しいスタート!緊張の一瞬。   右側中1組、転覆した船を起こすのに手間取る

東1、2組の転覆した船をおこす速さは中1組の半分ほど。あっという間に起き上がり、漕ぎ手が乗りこむ。ハーリーで一番盛り上がるこの競技に、一番良い場所で撮影していたわたしの回りはふと気がつくと、カメラマンだらけになっている!!
「行けー!!!」船の漕ぎ出しが速い!転覆の遅れも取り戻し、離された差も徐々に縮めている感じ。1位の東1組は少しずつスピードを上げ、他を引き離す。しかし2位との差はほとんど互角になっている!万年ビリが、いけるかも??
帰りの2度目の転覆で、まったくかなわないほどあっさり船をかえす東組。
「ああー、だめか?」とその瞬間、中1組の漕ぎ手の乗り込む素早さに息を呑む。
乗り込みながらも走り出す。
全員が乗り込むときにはもう並んだ!いや、また引き離されたか?
ゴールまで20mぐらいしかない!猛烈な勢いで最後の力を振り絞る男たち!
最後ののびがものすごい!!勝った??勝ったの?


ほとんど並んでいる2位と3位。

やったー!競り勝ったー!!!
1位はすでにゴールに入っていたが、もう優勝したような騒ぎ。2位を取ったのだ!!いやあ、ほんとにがんばった。あの転覆の遅れを良く取り戻したもんだ。なんか、すごく感動してきて泣けてきた。
シャッターチャンスも観客でもみくちゃ。


優勝の喜びを全身であらわす東1組。


最後の漕ぎで死ぬかと思ったらしい。全身脱力の中1組。

その後の上がりバーリーも3艘が抜きつ抜かれつの接戦でかなりの見ごたえがあり、ほとんど並んではいってくるサバニの差はきっと50cmぐらいしかなかっただろう。会場中かなり盛り上がっていた。
結果は転覆でも優勝した東1組がまたしても優勝。


まったく並んでいる3艘はこのままずっともつれあう

総合では東1組が優勝、2位は中西合同チーム、3位は東2組となった。
台風で中止になることなど今だかつてなかったハーリー、マンタピアも中止にしたのがまったく惜しまれる天気で、職域ハーリーに出るはずだった選手達も応援に混ざり、ため息をついていた。
例年なら、座る場所もないほど人で埋め尽くされる会場。それでも観光客はまばらだが応援の人でどんどんふくれあがっていた。
にーにたちは、「台風で中止になったことなどないんだ。海の神様を信じないから、中止になんかしてしまうんだ!」なんて本気で言っているから楽しい。
年々、職域ハーリー(マンタピア)が盛り上がり、それはそれで楽しいのだけれど、これが本来のうみんちゅの海神祭の姿であって、今年は今年で良かった、という声に、全力で練習していた参加者の皆様には申し訳ないけれど、少し納得してしまった自分であった。
終了後はあちこちで祝賀会。勝っても負けても祝賀会である。

こうして大城たちの熱い1週間は幕を閉じた。


戦い終えた満足の笑顔。来年は優勝するんだって。
え?来年も出るんですかー?

大会までの1週間(長文です)

5月25日(日)

2、3日前から漁港周辺に組ごとのテントが立ち、サバニが出されていた。
今日から本格的に船の調整、こぎ手の選択、顔合わせなどが行われた。

船は各組2、3艇あり、その中から本競技に使う舟を選ぶのだが、船の周りを削ったりして細かい修正を行うのはおじーの仕事である。
あちこち手を入れ、あーでもない、こーでもないと入念な打ち合わせが行われる。

こぎ手はニーシェー(若者達)。調整を済ませた2艇のサバニを出航させ、本競技用サバニを選び、さらにこぎ手の指名もする。これもおじーの仕事。

おじー達はこぎ手の体型や力量を予想して、座る順番など入れ替えさせる。ここでもあーでもない、こーでもないと入念な打ち合わせ。

おじー達はほんとは自分が出たいぐらいだが、若さには勝てないので、裏方にまわっている。しかし、一番熱が入り、楽しそうなのはやっぱりおじー達。

いよいよ出艇。この後漁港の先に本戦同様の距離で置かれたポールまで、何回もこぐ。こぐ。こぐ。こぐ。

体力自慢の大城も漁港の先に出るぐらいでもう腕がパンパンになる。しかしこの後4時間ほど、漕ぎ出したら止まらない。サバニのこぎ手を入れ替えたりしながらひたすら漕ぐ。
手伝いで借り出されていたはずの大城なのに、体がのってきたか、すごくうれしそう。

大城所属は中1組。昨年最下位とあって、練習時間を大幅にのばし、28日から本戦まで皆仕事を休んでひたすら漕ぐらしい。エー?仕事にならにじゃない?

昨年優勝のお隣の中2組。むむっ、なんか立派そう。

テントでは、これまたおじー達が昼食から夕食の準備をすべて引き受ける。大城一家全員でご相伴にあずかる。一瞬にょにん禁制では?とおじーだらけのテントの隅で牛汁(お祝い事で食べる汁)をいただく私だが、たぶんそうでもないらしい。

翌日ひどい筋肉痛でロボットのように動く大城は湿布だらけ。28日から、毎日13:00集合して練習するそうだが、果たして中1組はリベンジを果たせるか?


5月28日(水)

午後1:00集合で、うちなーがほんとに集まるのか?それは野暮な質問で、ハーリーにかける意気込みがどんなものか思い知らされることになった。

1:00に漁港を見に行くと、すでに練習が始まっているが、それは中1組だけでなく、中2組もこの時間から集合。夕方からだったら、その時点でかなり大きな差がついていたわけだ。

互いに相手が漕いでいる時は休憩し、相手の調整をうかがっているようだ。

本競技はスタートから400m先のポールまでを3往復する。全力を出し切るとかなり息がきれ、海の中にそのままざぶんと入って、体を冷ましていた。

リズムを合わす勇ましい掛け声や、おじ―たちの「なんで、こーするわけー!!」という熱い指導の声が、いつまでもあたりに響き渡るのであった。

それからなんと、6時までちゃんと練習しているではないか!それどころか中2組はその後ビデオを見て自分達の漕ぐフォームを研究、さらにその後も遅くまで練習しているではないかー!
これはもう、男達の本気の戦いなのだった!!

夜はもちろんおじーたちの手作り夕食。片付けもおじーさ〜。
よしよし、去年よりもいいタイムだ!これはいけるかもしれないぞ〜。
と、上機嫌でビール缶片手に語り合う。大城全力を出した心地よい爽快感の後の、これまたすきっと鮮快生(オリオンの発泡酒です)が出てくるのをうろうろ待つが、酒はご法度!との最初のおふれは本気だったらしい。
しかたなく、家路につきプシュッと、、、意味ないな〜〜。
うみんちゅたちの練習がひと段落すると、その後から中学生や、マドンナハーリーに参加する女性達が練習を始める。
石垣島の日没は遅いので8時近くまで練習するみんなの姿がみられた。熱気伝わってくるなあ〜。

石垣の中学生。カメラを向けたらみんなでポーズを取ってくれた!たくましいぞー!!

帰ってきてから、他の組をのぞいた大城、明日はビデオを撮ってもっと練習時間も延ばさないといけんな、一人反省会を開いていました!!


5月29日(木)

今日、午前中外を見ると中2組が船を漕いでいるのが見えた。あ!!こんな時間から!朝から練習しないとダメだと、昨日嘆いていた大城は悔しそう。今日はビデオを撮るように頼まれた。
練習後、ビデオの分析にも熱が入る。
「明日は船にのってビデオを撮るか!!」え?誰が?

今日は夕方からマドンナハーリーや職域ハーリーに参加する、たくさんの人が漁港に集まっていた。
小学校の先生チームもある!!ん?当日は平日のはずだけど、、、??

皆サバニは所有していないので、うみんちゅのサバニを1時間貸し出ししている。参加チームは年々増えているので、抽選で絞るらしく、うみんちゅだけでなく、いかにこの行事が1年のうちで大きな盛り上がりを見せているかがわかる。
マドンナハーリー参加チームは20組以上を超え、かなりにぎやかになるはず。ただ今4連勝中はエアロビチームということ、ふだんの鍛え方がちがうもの、かなわないよねえ。
台風の影響で強風の中、何艘ものサバニが漁港を行き交っていた。

夜、ハーリーやのテントはおばーたちでいっぱいになる。踊りを踊りながら太鼓をたたく応援団が結成され、これまた夜遅くまで練習に励んでいる。沖縄の女の人は「ちゅらさん」でもわかるけど、実に働き者。夕方遅くまで働き、その後夜練習に子連れでやってくるのは、ほんとにたくましい。祭り好きの私としては、この太鼓の音、島の民謡、みんなわくわくしてきて、つい夜見に行ってしまった。


5月30日(金)

台風4号の影響で朝からかなりの強風。風で押されたドアを開けるのがやっとのほど。こんな日でももちろん練習だ。
今日は明日行われる予選会のようなもののため、疲労を残さないようひと漕ぎ(3往復)で終了。

うみんちゅの爬龍船競漕にも3競技あって、それぞれ御願ハーリー、あがりハーリー、転覆ハーリーと言われる。ほんとはそれぞれの組からその3競技に出場して、3競技とも優勝して旗を勝ち取るのが一番名誉なのだそうだ。
しかし、中1組、2組、西組は漕ぎ手が少ないため、3競技全部に出れないので、予選会を開いて勝った組からそれぞれ御願、あがり、転覆、に出るよう振り分ける。

そして、大城所属の中1組は今までずっと転覆ハーリーだったとのこと。その無念ははかりしれず、今年の巻き返しをおじーたちも一丸となってねらっているのだ。
明日が楽しみだなあ。!!

見学者にとっては、いったん転覆させたサバニをおこしてスタートさせる転覆ハーりーが一番見ごたえがあっておもしろいそうだが、漕ぎ手にとっては、一番きついらしい。


練習後サバニの手入れに余年がない。
おじーたちは朝から夜までハーリーやにいる。もうここが家のよう。

  
夕方次々と職域、マドンナハーリー参加者がやってきて船があくのを待っている。
みんなすごい楽しそう。
右は建設やハーリーチームか?ド迫力!


5月31日(土)

予選会は思った以上の見学者で、地元としては、本戦よりも大事な一戦らしい。
ビデオを抱えて私もさっそく応援。中1組は一番手前、次を中2組、西組と3艘が競いあう。緊張のスタート、出だしはなかなかだが、ビデオに全部映しきれないため、どこが勝っているのかわからない。目を離すと、おおー!接戦だー!!「がんばれ〜!!」、叫んでいたら、ビデオの画面がぶれぶれ。ここはひとつ、今後のためにビデオ係に専念しようと、はやる気持ちを抑えるのに、ついついぶれぶれに、、、

 
    親戚縁者の応援でいっぱい       競い合船。漁港の色です。塗っていません。


腕がムキムキ。トレーニングジムじゃないことはたしか!

ところが、直線になると少しづつ離され最後まで粘りはしたものの、惜敗となってしまった。それでも今年はもしかして勝てるか??というシーンもあり、おじー達はかなり満足してくれたようだ。結果は西組優勝。これで転覆ハーリーは今年も中1組が受け持つ事になった。

決まればもう惜しむ間もなく心は本戦へ。わずかな時間しかないので、すぐに練習だ。転覆した船をおこしなおして、漕ぐという、過酷なレースに皆の呼吸を合わせるには練習するしかない。

いやあ、初めて転覆ハーリーを見て、わたしほんとに感動してしまった!!海の男達のかっこいいこと!惚れ直したダーリン!!って感じ。流れるような皆の動きをビデオでお見せできなくて本当に残念ですが、画像だとこんな感じです。

  
船をわざとたおし、ひっくりかえってから、起こしなおす

  
向こう側の漕ぎ手は素早く船の下にもぐりこみ向こう側に回って前から順に乗る

軽々と船に乗り込む姿、流れるようなこの動き、昔やった組体操の「波」を見るようでした。くわっこいい!これを繰り返す事3時間近く。転覆シーンだけで40分近くビデオを撮りました。そのスタミナにも驚き、再び海の男達を惚れ直してしまった!!


6月1日(日)

今日は本戦とまったく同じ動きで転覆させる練習をする。2周漕いで2周目の行き返りにそれぞれ1回ずつ転覆させてゴール。漕ぎも入るのでかなりのハードらしい。昨年はかなりの差をつけられ、まったく惨敗だったらしいので、おじーたちもかなり今年の出来に満足しているが、漕ぎ手はまだまだ!!って感じで、やる気マンマンなのだ。

    
ハーリーやでサポートしてくれているおじーたち。カメラを向けると皆おちゃめ。

今日は日曜日なので中学生が早くから練習に来ていて、練習を終えた子供達が暑くて海に入って遊んでいた。

 
中学生が漁港で遊ぶって、青春ぽくていいよ〜。桟橋から飛び込むシーンもあったなあ。

 
中学生達も頑張ってれんしゅうしていました。さわやかだなあ〜。


うちの甥っ子もハーリー中学生の部に参加するそうです。そのチーム。優君どれだ?


月2日(月)

まさか、と言葉を失ってしまったが、台風5号が直撃する予報のため、明日のマンタピアヤエヤマは中止に、爬龍船競漕大会は御願ハーリーのみになるかもしれないというショッキングな展開。10:00開始を8:00開始に早め、天気の具合であがり、転覆をやるかどうか決定するらしい。
台風での中止は今回初めてらしく、皆仕事も休んでこんなに練習していたのはなんだったんだ?とやりきれない思いである。とにかく本ハーリーは開会できることを祈るしかない。

もともとうみんちゅは海がしけたら漁に出れず、何度も天候に左右される経験を味わってきたのだろう。せっかく昨日張った大テントも片付けられていて、見ていて胸が痛んだ。それでも明日の本戦に向け軽い練習をすませた。
裏方を見ていると、この企画のため何ヶ月も前から準備していたであろう関係者が苦渋の決断で中止を選択したことも思いばかれた。今日はおだやかな海。