季節の調べ

第2楽章『ある秋の日』

 

 季節は10月、私のいる公園は大体どの木立も、木の葉を赤や黄色に色づけている。

そして私は、この公園のベンチでただ1人・・・。

ただ自分の好きな本を読みながら、ぼ〜っと周りの景色を眺めていた。

 私の名前は、大場 紅葉。

 その名のとおりに秋の生まれだ。

 人から言わせれば、めがね掛けの、委員長タイプ、ちょっと几帳面なのが災いして、少し小姑くさいのが駄目な所だそうだ・・・。

そんなわけで、私は1人いつもの日課である、読書にいそしんでいた。

そして、流石に長時間独り読書をしているのはむなしく、自然と独り言を私はつぶやき始めた。

 「・・・それにしても暇よね〜、、周りの子は、彼氏持ち・・・、私なんかは人生で一度ももてたためしも無いし・・・。は〜、それにしても暇よね〜。しょうがない・・・、ちょいと図書館でも行って、なんか良い本でも探してくる事にでもしましょうか・・・」

 と言う訳で、私はこの公園の近くにある図書館へと足を向けた。

 「よっ、大場暇そうだな〜」

 「な、なによ!!武〜!!ふんっ、そうですよ〜、とっても暇で暇でしょうがないですよ〜だ。そちらこそ、同じく暇ではないのでしょうか〜?」

 「ああ、そうだけど・・・、それが?」

 「・・・う〜、まあ私は専門書だから、あなたは適当に変な本でも探してくださいな〜。それでは、ごきげんよう〜」

 と私は偶然出会ったクラスメイトの間島 武にからかわれながらも、お目当ての本を探しに行った。

 「さ〜て、何か良い本は無いかな〜」

 「・・・・・、『世界の薬草大全』、う〜ん、微妙。『薬品の作り方〜実践編〜』これは前のシリーズはそこそこだったけどな〜」

 「ってあなた、なんでこのスペースにいるの?」

 「まあ、一応理系だし・・・、進路も薬学行こうと思ってるから・・・。」

 「・・・・・そうなの?私もなんだけど・・・」

 「まあ、そうだろうな・・・、うちのクラス理系だし・・・・・、まあ医療系にいかなかったらそっちかあとは・・・、工学系だもんな・・・。」

 「・・・、まあそうね・・・」

 「そう言えば大場は、どこ大目指してるのか?」

 「まあ、一応西薬学大学だけど・・・。」

 「ふ〜ん、流石委員長〜、まあ俺も同じだけど・・・・・」

 「そうなんだ〜、でも間島君って成績良かったっけ?」

 「・・・・・まあ、学年で真ん中くらいは・・・・・」

 「・・・そ、そう・・・。まっ、まだ1年以上はあるしね・・・」

 「ああ、それでなんだが・・・、もし良ければちょいと勉強教えてくれないかな?」

 「いいけど、科目は?」

 「英語なんだけど・・・、代わりに理科系ならなんでも教えられるけど、なにかある?」

 「う〜ん、そうだな〜、じゃあ化学教えてもらおうかな。」

 「ああ、良いけどいつやる?」

 「そうね〜、じゃあ、明日で・・・」

 「おっ、結構早いな・・・」

 「良いでしょ、暇なんだから。」

 「お、おうっ。」

 「じゃあ、明日から宜しくね!!」

 「ああ。」

 「そういえば、間島君はどこを教えて欲しいの?」

 「・・・う〜ん、文法の所がちょっとわからないんだけど・・・」

 「じゃあ、学校のテキスト、わからないところだけコピーして持ってきてね?」

 「ああ。」

 「うん、じゃあ私は、まだ用事あるし、先に帰るね。」

と、私はまだぼうっとしている彼を尻目に先にスタスタと出口に向かって歩き出した。

 季節は秋、受験まであと1年と半年。

 迫り来る受験にあせりつつも、また新たな予感がした、ある秋の日の出来事であった。

 

Fin

 

 あとがき

 

 と言う訳で久し振りに書かせて頂きました。

 季節の調べシリーズ

 本当の所言うと2章は梅雨のお話でした・・・(汗

 なぜ更新出来なかったって?

 それはキャラ名思いつかなかったからです(ぉ

 もちろん中身の大筋決まってます(ぉ

 次は・・・、クリスマスに1つ書きたいですね・・・

 でもその時は・・・、受験1ヵ月前・・・(爆

 と言う訳でこちらは本当に気分次第でいきますのでどうぞ宜しゅうお願いします。

 と言う訳でそれでは次までさようなら〜