2003年・初釣行

 この霧降については、計画的なものではなく、ほとんど発作としか
言いようがないもので、あまりにも天気が良かったからとしかいいよう
がない。
それにそろそろ渓の春の息吹を味わってみたかったのだ。

細谷氏を誘うことにも成功し、いざ出掛けようとすると、餌釣りの仕掛
け一式が見付からない。しかし、竿はあるから、仕掛けは細谷氏に
借りることにして、出発した。

車止めに着いたのは、正午頃である。
準備をしていると、細谷氏の携帯が鳴った。
虫が知らせたのか、坂下からの電話である。しかも、車で日光に向
かっていると言う。
細谷氏と私が釣りに出掛けたことは、私の自宅に電話をした時に
知ったらしい
坂下は、実家に寄る予定もあるらしいので、そのまま入渓することに
し車を後にしたのだった。

この日は本当に陽気が良く、下界では初夏の暑さだったそうだが、
このあたりもほんとうに暖かく、長袖二枚の重ね着は少し大袈裟だっ
たようだ。

釣りを始める前に、丁字の滝の上流で川虫採り。
今まで寒かったせいか、川虫の成育も悪く小さなオニチョロしか採れ
ない。でも必要な量を確保して、本流に向かうが、途中カタクリと一
が花を咲かせていた。

細谷氏の持参した鉤や糸を借りて仕掛けを作り、オニチョロ餌で釣り
始める。しかし、なかなか反応しない。

上流にいた細谷氏に追いついて、釣果を聞くと、やはり駄目だという。
そういえば、数年前にこの霧降川に入渓した時も不漁だった。
この川は、家から近いせいもあって、雪深い本命筋に入渓できない
時は、雰囲気を楽しむためによく来ていた。
それでも、飽きない程度には魚が反応したものだ。
しかし、最近は魚が少なくなってしまったのだろうか。

玉簾の滝(たますだれのたき)の滝壺を細谷氏と攻めていると、下流
で野太い声がする。
振り返って見ると、坂下がいる。渓流シューズならぬ長靴を履き、我々
の所にやって来た。
「釣り」と聞いたら、矢も楯もたまらなくなってしまったようだ。
途中、ホームセンターで急遽長靴を購入し駆けつけたのだそうだ。
ご苦労なことだが、奇しくも偶然のことのように、三人が渓の中で一堂
に会す結果になってしまった。
喜んでいい事なのだが、釣りのほうは坂下が現れた後も全然駄目である。
玉簾の滝の上まで試してみたが、釣れて来ない。

しかし、三人揃えば釣れない釣りよりも、もっと他にやることがある
じゃないか、という暗黙の了解があったが如く、私の納竿の提案に二人
共「我が意を得たり」と頷き、さっさと帰り仕度を始め、さっさと車に向かう
のであった。
なに、たいした事を企んだわけではなく、私の家でビールをシコタマ飲んだ
だけなのだが、話題は今年の夏の黒部はルートを少し変えてみよう、など
というところに収まっていくのだ。

まあ今年もよろしくおねがいしますよ、お二人さん。
                                小平記


4月13日

餌釣りの前のセレモニー、川虫採り

カタクリ(画像をクリックすると拡大画像に変わります)

一輪草

玉簾の滝を釣る細谷氏。

同じく玉簾の滝、坂下の長靴に注目。

玉簾の滝の上部

霧降川

霧降川

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