細谷・坂下

それは、確か2002年の6月の2日間だったと思う。初日の
午前中、坂下と日光駅で合流。.目的地も定めぬまま、とり
あえず国道121号線で福島方面に向かう。栃木〜福島の
県境の山王トンネルを過ぎた頃、どこに行くかという事に
なった。選択肢は2つ、「奥只見・大幽東の沢野営1泊コース」
または「檜枝岐・舟岐川日帰り〜温泉付民宿泊〜大幽東の
沢日帰りコース」である。

今シーズン初釣行の坂下君に、答えは分かっていたが一応
聞いてみた。
温泉!坂下の脳裏に浮かんだのだろう・・・そう、あの只見町
の民宿「松屋」で風呂上りのビールを飲む情景が・・・。
飴(あめ)と鞭(むち)とどちらがいいか聞いたようなものである。
我々は「軟弱路線」を当然選択したのである。

一日目は舟岐川を楽しみ、テン場(?)は予定通り民宿「松屋」
にとる。
「風呂上りのビール」ってのは何故こんなにオイシイノ、「ウグッ、
ウグッ、ウグッ、プハ〜」という「生きてて良かった」的な幸福が
我々を包むのであった。
それにも増してアッタカイ布団で眠れるのである。
4月の無砂谷はタープから起き出してみれば、「氷の世界」
あらゆるものが凍っていた。寝ている間も寒くて、寒くて・・・。

さて、二日目である。
只見の名峰丸山岳へのゲートウェイでもある黒谷川支流
大幽東の沢は、数年前に小平と二人で大釣りをした所でも
ある。尺上を含め一束(100匹)と言っても過言ではないと
思うほど、釣っては投げ、ちぎっては投げ(本当はリリース)
の連続であった。
そんな思いを頭に描き大幽沢出合に着いた。

天気も上々、我々は水線通しに進む事にした。
途中に取水堰堤がある。3,4年前まではこの堰堤で尺上岩魚
のライズを見たものである。今では、土砂で埋まり当時の面影
は無い。傍らには、ひかえめな瓔珞(ようらく)ツツジの花が咲い
ていた。
約40分位で東の沢・西ノ沢出合に着く。そこから小滝の続く
ゴーロ帯を進むこと約20分、渓相は穏やかな流れになる。
大爆釣を期待しながら竿を出した。
水温は低い。
出てきた岩魚ちゃんは小物ばかり。
それでも今シーズン初の本格的釣行ということもあり、大物を
期待しながらポイントごとに竿を出すが、あいかわらず小物ば
かりである。
上流に進むに従い季節は春に逆戻り。両岸の木々は新緑に
衣を替え、沢風がとてもすがすがしい。
3時間ばかり釣り上がっただろうか、冷気の中にスノーブロック
が現れた。なんと!そこにはフキノトウが顔を出していた。
まさに春である。嗚呼、春はいい!若芽の勢いに感動を覚えた。
それに引き換えおれの髪は・・・トホホ。
 
その後も、相変わらず同じような状態が続いたので、納竿。
今朝「松屋」さんで用意していただいたシャケとタラコ入りのオニギリと熱いスープで昼食(朝食?)にした。
いつ来ても渓でいただく食事は別格である。

帰りは、山菜のミズナ(東北ではミズと言うが、日光ではこう呼ぶ)のお土産付である。
勿論、フキノトウの若芽は、家でテンプラにしておいしくいただきました。
昼過ぎに入渓点に戻り、1泊2日の「軟弱路線の旅」は終わった。
同行いただいた坂下君、お疲れ様でした。また、「軟弱路線」を復活させようゼィ!

                                                   細谷記



軟弱者達の「テン場」でおいしいビールを飲む。

東の沢・西の沢出合

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