免疫力のしくみ
病原菌を食べて殺す「顆粒球」と「マクロファージ」の働き

「顆粒球」には「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3種類がある。顆粒球のうち95%を好中球が占めている。好中球は白血球全体の40〜70%を占めていて、免疫の中心を担っている免疫細胞なのだ。顆粒球は体内に進入した大きな病原菌(細菌など)を飲み込んで殺す。このとき、顆粒球も細菌と一緒に死んでしまうので炎症が起こる。

好中球一個が食べる細菌の量は10〜20個だが、お腹一杯食事をした後や、血糖値が高いときにはその半分程度しか働かない。つまり、お腹が一杯の状態では好中球もお腹一杯の状態なのか、貪食能力が低下するそうだ。

病気の時食欲不振になるのは、空腹時に免疫力が高くなるのを体が本能的に知っているため。また、運動や入浴の後にも好中球の働きは活発化する。これは温度上昇すると好中球が活発に働くことを示している。このため免疫力を高めるには体を温め、食べ過ぎないことが大切なのだ

「マクロファージ」はアメーバのような触手をもっていて、体内に進入した病原菌などの異物を飲み込んで殺す。好中球と同じような役割を担う。それと同時に、顆粒球やリンパ球に「体内に異物が進入した」というサイン(サイトカインという物質)を出して、免疫反応のコントロールを行う。

体内の異物が少なくなったら、「もう大丈夫」というサインを他の免疫細胞に送って免疫反応を終了させる。

マクロファージは
1病原菌などの異物を触手で捕まえ、丸ごと包み込む
2「サイトカイン」などの物質を出し病原菌の情報を顆粒球やリンパ球に伝え、同時にNK細胞を活性化させる。異物が少なくなったら免疫反応の沈静化指令を顆粒球、リンパ球に出す

顆粒球は
「顆粒球」には「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3種類

もっとも多くを占める好中球は、比較的大きな病原菌を飲み込む、飲み込むと死滅してしまい、炎症を起こす免疫細胞であり、マクロファージよりも貪食力が高い

これらの二つの細胞を総称して「食細胞」と呼び、異物を飲み込んで退治する免疫細胞の総称である


リンパ球
    抗体を作り出してウィルスを無力化させる

白血球の20〜55%を占める
T細胞(ヘルパーT細胞、キラーT細胞)、B細胞、NK細胞の3種類


顆粒球が処理しきれなかった小さなウィルスやタンパクを攻撃して無力化する
マクロファージから受け取った情報はT細胞に伝えられ、更にB細胞に伝わるB細胞は情報をもとに病原菌を無力化する「抗体」をつくる・・・これが獲得免疫

NK(ナチュラルキラー)細胞はウィルスや細菌などにおかされた細胞を攻撃する異物攻撃する性質がある

これらは最近解明されたことで、体を治そうとする免疫力は複雑きわまりない

T細胞 B細胞 NK細胞
血液が汚れているときほど、
免疫力は活発に働く

病原菌は、血液中の老廃物を燃焼させ、浄化している

病原菌は体に悪いことをしているわけではない

汚れている血液の方が病原菌が入りやすくなる
どぶ川に細菌がたくさんいるように、どろどろ血液の方が病原菌は住みやすい

自然界にいる雑菌は、不要なものや死んでしまったものを分解して土に戻す


病原菌が体内で活発に活動していると、免疫反応が起こり、発熱、鼻水、くしゃみなどの症状病原菌が血液を浄化し、その病原菌を体内から駆逐するのが免疫力

自然界には病原菌がウヨウヨいるので、感染は避けられない。ならば血液が汚れていてそれを病原菌がきれいにしてくれていると考えよう。

このとき安易に解熱鎮痛剤で炎症を抑えてしまうと、体内を浄化する免疫力まで低下させてしまう

病気になるのは血液が汚れているサインと考え、自分の生活習慣を振り返って改善すべきところを見直せばいいのです

血液が汚れる原因には「体の冷え」「運動不足」「過度のストレス」・・・
白血球の働きは、体温が1度低下すると30%以上ダウンし、反対に1度以上上昇すると5〜6倍になると言われている、免疫力を上げるには「体を温める」ことが一番大切なのです

サイトカイン (cytokine) とは、免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。

ホルモンと似ているが、ホルモンは分泌する臓器があり、比較的低分子のペプチドが多い(しかし、サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく、エリスロポエチン (erythropoietin) やレプチン (leptin) など両方に分類されることがある)。