しょあくまくさしゅうぜんぶぎょう
「諸悪莫作衆善奉行」
自浄其意　是諸仏教(じしょごいぜしょぶつきょう)

生前、中村天風に師事した松下幸之助氏が祀った祠（ﾎｺﾗ)にはこの漢文が刻まれていました。
この八文字を自分のこころに神様と崇めて天下の松下電器産業を導いてきたようです。
この言葉はその昔、釈迦の病床で死に水をとったとされる十番目の弟子
「阿難（阿難陀ｱｰﾅﾝﾀﾞ）」が謳ったといわれています。
「何事も悪いことはするなよ、みんなのためにいいことだけをしなさい」の意

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中国の詩人で有名な白楽天は若いとき禅道を求め、「仏教の根本の教えとは何か」と質問した。
道林和尚は即座に「諸悪莫作・衆善奉行」（悪いことをするな、善いことをせよ）と答えたという。　　

これはいたって平凡な解答です。どこかのおじいちゃん、おばあちゃんでも言いそうな言葉です。

偉い禅師の言葉とは思えぬ、そう思ったのでしょう。

白居易（白楽天）は言う・・・「そんなことは、三歳の童子でも知っていますよ」
だが、鳥彙和尚は動ずることなく
　　「三歳の子供が知っていても、八十の老人すらこれを実行することはむずかしいぞ！」と応じるのです。

　一切の悪いことをするな、善いことをせよということは、最も簡単な教理ですが、この行を軽んずることが問題なのです。簡単なことほど実行するのは難しいところがあります。分かることと、行うこととはまったく別なのです。禅はなによりも「行」を根本とします。この教えも、三歳の子供でもわかりそうなことでも、実際のところは八十の老人にしても実行することは難しいと説くのです。

　ありとある悪を作さず
　ありとある善きことは
　身をもって行い
　おのれのこころをきよめん
　これ諸仏のみ教えなり　　　　　　　　「法句経」の１８３句

　　　　　　　　　　　　　※鳥彙禅師＝道林和尚　　　白居易＝白楽天

道林和尚の真意を知った白楽天はすっかり参ってしまい、道林和尚のもとで修行したという。仏の教えとは悪い行いをなさず、善い行いをして心浄らかにして悟りを開き、仏（真理）の世界にいたるための道であり、是れが仏教なのだ。
仏教では善悪の悪は単に道徳に背くことではなく悪業のことで身業、口業、意業の三業（さんごう）の十悪をいう

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歴史的人物考察

親鸞（しんらん）・・・・・念佛　　　　法然の浄土宗から発展させた浄土真宗開祖
平和時代が続いた平安時代の３５０年の秩序に向かい、救われるには阿弥陀如来を信じ「南無阿弥陀仏」と念佛を唱えるだけでよいといった教え、創造的破壊の行動を起こした人物である。彼の思想に基づいて形成されたのが浄土真宗の教えである。この宗教運動からやがて一向一揆が発生することになった。

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道元（どうげん）・・・・・坐禅　　　　曹洞宗開祖　　（および瑩山禅師）
坐禅を励むことによって悟りを得るとした教えをひたすらすすめた人物

仏教の開祖「釈迦牟尼仏」を本尊と定め、釈迦の悟りの心を正しく伝えた「道元禅師（高祖承陽大師）」とそれを親しく広めた「瑩山禅師（太祖常済大師）」を両祖とする。釈迦、高祖、太祖を一仏両祖（曹洞宗三尊仏）と呼ぶ。
座禅の実践を通して仏との絆を深め、身と心を調え報恩感謝の日送りを行じていくことを信仰の要としている。
道元・・・・・大本山永平寺
瑩山・・・・・大本山總持寺　能登（火災）→横浜鶴見へ移転

五観の偈（ごかんのげ）.

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日蓮（にちれん）・・・・・題目＜法華経＞　　　　日蓮宗宗祖
題目を唱えさえすれば世直しが実現し、汚れたこの世が理想の国土に変化すると教えた人物であり、その題目とは「南無妙法蓮華経」である

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彼らは三人三様のやり方で一元的価値に基づく救いの理論を持ち出し、それを過激な形で実践しようとした。
いずれもただ一つの宗教行動を選択せよ、と人々に説いた。そうしなければこの世は地獄、救いは到来しないと迫った。
それまでの主流をなした比叡山や高野山の仏教界では、人間が救われるにはさまざまな道があると説かれていたこととまったく反対のことで民衆を煽った。
３５０年続いた平和な時代から戦乱の時代に転換していくのだ、多神教的な進行がいつの間にか一神教的な進行へと変化してゆく。

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その後戦国時代が続き、ようやく戦乱が徳川家康によって鎮められ、江戸幕府によって最後の将軍：徳川慶喜まで２５０年の平和な時が刻まれた・・・・・。

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さてなぜこのような考察をしたのか・・・
ホームページで記したように、この世にいるとされる神仏などは偶像に過ぎないのである。困った時にだけこの偶像に手を合わせ「助けて下さい」とお願いしてみても所詮叶わぬ愚行なのです。
宇宙真理に即した生き方をしない限り願いは成就しない・・・ならばひとり一人今の生き方を変えることです。
宗教を信じ、それにすがってあなた自身が幸せになるならば、それはあなたの選択ですから致し方ないとしても、他人の享楽を犠牲にさせてはならないのです。
歴史上の人物が「宗教にすがれば必ず救われる」と囃し立てても結果は戦乱でした。あなた自身の戦乱を終結させるには真理に即した生き方をしなければなにも変わらないということではないでしょうか。

あなたが万物の霊長としてこの世に生んでもらい、生かされた証をどのような結果として残してゆくか、
それは・・・あなたの行動如何(いかん)であるのです。

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信仰というのは、宇宙真理の実在を信じて崇めるだけで信仰なんです。あなた方は宗教に帰依して、同時にいろいろなことを求めて与えられたいという気持ちを、信仰だと思っている。だから必ず神や仏に祈ったり願ったりしている。
この宇宙に存在する偉大な根本エネルギーは、神とか仏とかと名を付けるほど、安っぽいものじゃないんです。ただ、科学が今ほど進歩していなかった時代の人間が考えると、この宇宙の一切の運行の事実が、不思議に見えたのでしょう。太陽が出て沈み、満天に星が輝くのを見ても、花一つ咲くのを見たって、不思議だと思えば不思議だもの。

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