「狭小間口の店舗併用住宅の実例と間取り」  
2010.12.31


 

アイプラスアイ設計事務所が設計した、狭小間口の家の実例、施工例を紹介します。


狭小間口の家 実例こちらが南側の外観です。バルコニ先端の芯々間口2.3m。外から見ると、住めるのかと思うくらいの細さ。一番下は半地下でRC造。上部は木造2階建てです。
玄関はガラスの片引き戸。バイクを室内置きするので、有効間口を既製サイズをより広げています。外壁は非セキノ興産系の角波で、ガンメタ色。跳ね出しの下部など、板金の裏地をみせないように(表はガンメタでも裏は肌色だったりするのです)、板金屋さん手間かけて丁寧に納めています。スチール手摺の仕上げは通称「ドブ付け」、溶融亜鉛メッキ。

狭小間口の家 施工例1階北、大通り側は店舗。床と幅木は清掃が楽なようにホモジニアスビニル床タイル。下地は断熱モルタルです。白と黒のシンプルな空間。色はバッチリ成功でした。石目調など選ばないで良かった。
室内は暗いと電気店っぽくないので、配線ダクトとは別に蛍光灯照明を付けました。
建具を閉じても、欄間はガラスで住居部分と空間が連続。お客さんの気配もわかる、店舗併用住宅のプロトタイプ。はるか遠くの方に南の窓が見えますね。店舗は北から、居住部は南からと入口も機能的に分離。

狭小間口の家 事例
キッチンまわり。今回は家具屋さんがつくっているので、シナランバーコアじゃなくて、シナ合板ののフラッシュパネル。電子レンジ置き場には不燃のアイカセラールをプレス。家具工事なので、ブロックでつくって搬入組み立てです。キッチン水栓はグローエのミンタ。2/3円丸テーブルも制作。

狭小間口の家 実例半地下部、階段下の浴室。狭小間口の住宅ではお風呂の位置は重要です。できるだけ見通しを阻害しないように、階段下の空間に設けました。
店舗併用住宅なので、家事と店番の両立も課題です。洗濯機、キッチン、物干場を店舗南に集約したので、日中は、店舗裏のゾーンの最小限の移動で、家事ができるようになっています。
仕上げは腰までは白いタイルで、腰上部の仕上げはひのきです。半地下部は、排水が意外にやっかいです。床を2重に嵩上げして、玄関下から排水しました。


ここが物干場。床は初めて採用したファインフロアのエンボスタイプ。玄関の庇を兼ねています。反射光で室内もかなり明るそう。今回は、長孔タイプの斜めカットにも挑戦してます。

狭小間口の家 事例中2階居間。間口が狭くても窓があると、手狭な感じはありません。隣家カーポート上部空間を借景。隣家は建て替え直後なので、あと数十年はこの景色が維持されると思われます。

狭小間口の家 施工例
階段部から、中2階居間、中3階和室を同時に見たところ。
建物の南北1mの高低差をスキップフロアで処理。この間口では、廊下面積を最小にするスキップフロアは必然性があります。
スキップフロアは上下の空間がいっぺんに見えるので、広く感じます。居間にはアイプラスアイの定番、自然と座りたくなるの高さ40cmの棚。

狭小間口の家 実例店舗と多目的室双方から利用できる2階トイレ。
20m近い「住宅スケールを逸脱した見通し」を確保することは、この住宅の最も重要なテーマ。トイレすら行き止まりにしない掟破りのプランニングです(笑)。洗面器は丸形のベッセルタイプ。上部は家具工事の鏡扉付き収納。

狭小間口の家 事例2階店舗。天井高は2.2mですが、天井いっぱいの窓なので、特に低さは感じません。ここは上足ゾーンとして利用予定。

狭小間口の家 施工例ロフトから和室方向を見返したところ。この建物、スカラ・レジアのように、先細りのくさび形の平面。南方向みると実際よりパースペクティブが強調されます。
くさび形の狭小間口とくれば、これは鉄骨造が定番ですが、上部構造は壁倍率の高い特殊な木造を採用し、大幅なコストダウンを図っています。

こんな風に短辺方向に耐力壁があるのですが、入隅には窓があるので、壁はさほど気になりません。和室押入は、床際と天井際を抜き、狭くならないように。


狭小間口の家 実例

ところで、この階段、建物にあわせて少し平面がハの字になっています。今回の大工さんは9坪ハウスなども手がけた凄腕なので、こういうのも難なくつくってくれます。

ロフト。天井高は法規ギリギリの1.4mですが、横長のプロポーションで広大なスペースに見えます。



今回の建具の標準ディテール。通し手かけで、下はVレール。上枠はスリット溝をアングルが滑る方式です。幅木はH=30mm。枠見付は20で統一。下写真は、かぶせおさまりの脱衣室引戸。