「空間の利用率」  2003.4.13

 


どうやって適正規模を想定したらよいか。おそらく今までの方法はこうだ。少し住宅の設計をかじったことのある人なら、少なくとも一戸建ての住宅なら、目をつぶっていても規模の想定できる。

リビングダイニング15畳、キッチン4畳、風呂4畳、トイレ2つで2畳分、親用に和室8畳、押入2畳、子供部屋6畳×人数分、納戸3畳、玄関2畳、廊下で4畳とすれば、階段4畳、〜願いましては、TOTAL4人家族で60畳、30坪、3LDKが最低規模となる。統計的なデータでみれば、もう少しゆとりがあって、都市部35坪、地方で40坪程度だろうか。

しかし、この面積は本当に必要か。我々の住宅を詳細に眺めてみると、多くの部屋が有効に活用されていないことに気づく。タンスの置き場となって納戸化した和室、殆ど、就寝時にしか利用されない子供部屋、通過するだけの玄関、二度と使われることのない引出物で充填された押入、ものに溢れたリビング、多くの床面積をさんざん無駄遣いしたあげく、せまいせまいと嘆いている。

家は大きいに越したことはない。だが、家が仕様をそのままに面積を大きくすれば自動的にそれにかかるコストも跳ね上がる。面積を増やして、仕様を落とせば、たちまち性能の低下を招く。したがって、こうしたリスクを回避するには、面積アップも、仕様ダウンも不可である。

残された方法はただ一つ、我々にできるのは、あらゆる空間の無駄を排除し、もっと空間の利用率を上げること以外にないのである。面積でなく効率で考えるのである。利用率の低い空間は徹底的に排除する。長時間いる場所に大きな面積を割り当てる。極限までこの作業を進めれば、家は小さくても済む。そうやってつくられた少しのゆとりを、自然と人とが接する部分、人と人とがコミュニケートする部分に充ててみてはどうだろう。

外壁屋根が決まれば、内部の容積が決まる。要はこの容積をどのように割り振るかという問題である。今まで物に占拠された空間を活動のために使うのだ。活動空間を我らに。これはいってみれば住まい方の問題だ。ワンルーム化、立体化、回遊化、など狭小住宅での試みを、一般の住宅でも採用してみるのもいい。徹底的に収納物を計算し、収納位置を厳密に定義するといった地道な方法を試してみるのもいい。

工夫次第で家は狭くも広くもなるのである。