ローコスト住宅−「コストダウンのテクニック100」
割安な土地探し適切な供給方式の選択発注方法の見直し計画条件の見直し諸費用の節約形状の単純化流通の合理化
材料費の節約省力化・合理化高耐久性化高断熱化省資源化..... 1〜100一覧表示.............. homeに戻る

1. 用途地域 建築基準法上、住宅は工業専用地域では建築することが出来ません。その他の用途地域では建築可能です。工業系の用途地域でも住宅化が進む地区があります。住居系の用途地域に隣接した、容積率、建ペイ率の高い準工業地域などが狙い目です。
2. 傾斜地、不整形宅地 ハウスメーカーが建てられない条件の厳しい土地は比較的安い価格で流通しています。工夫次第では良いものができます。不整形地の価格は対象地の存する近隣地域の標準的土地建物の利用形態からその不整形状でどの程度の支障、阻害を受けるかで決定されるそうです。
3. 狭小宅地 都心居住の一つの方法として、狭小宅地に建てる建築が注目されています。古くは東孝光さんの塔の家、最近では杉浦伝宗さんの「ちっちゃな家」シリーズが有名です。 都市計画的に見れば狭小宅地は防災面や環境面から問題があります。それを乗り越える工夫がないとタダの狭い家になってしまいます。
4. 競売物件 リスクが高い分、価格は安いといわれています。現地に行って物件(事前に建物内部を見ることは出来ない)を確認することが必要です。競売物件に人が住んでいる場合には,その明け渡しを買受人が自ら交渉しなければなりません。入札に参加するには最低売却価額の20%の保証金が必要です。競売では代金を分割して納入することはできない(約1か月後までに入札金額から保証金を除いた代金を一括して納付)ので,あらかじめ資金のめどをつけておく必要があります。平成10年12月の民事執行法の改正により,金融機関のローンを利用することが容易になったようです。
5. 定期借地権 住むことが目的なら土地は借地でもいいはずです。定期借地権を使うと、借主は高額な権利金を負担することなく長期間土地を借りられます。集合住宅では、建物穣渡特約オプション付きの一般定期借地権とスケルトン−インフィルなどを組み合わせた「つくば方式」と呼ばれる供給方式が注目されています。
6. コーポラティブハウス コーポラティブ方式とは「自ら居住するものが、組合を結成し、共同して事業計画を定め。土地の取得、建築の設計、工事発注その他の業務を行い、住宅を取得し、管理していく方式」です。容積に余裕がある場合、コーポラティブハウスのように共同で建てれば、土地取得の費用を低減できます
7. スケルトン−インフィル住宅 構造躯体などの共用部分(スケルトン)と内装などの私的部分(インフィル)を2段階に供給する方式をスケルトン−インフィル方式といいます。高耐久性の躯体が人工の土地のように機能して、各自がそこに自由に住宅を建設することができれば、我々は高い土地のの価格に苦しまなくてすむはずです。しかし、現実には人工土地は建築基準法や区分所有などの制度が障害になってなかなか実現されません。前述のつくば方式が漸く事例を増やしてきたようです。
8. 長屋の見直し 住宅地には使い道のない中途半端な隙間がたくさんあります。この隙間がないのが長屋です。土地の有効利用を考えるなら長屋形式はもっと見直されていいはずです。 現代の建築は火災に対して強くなってきています。八王子みなみ野では都市公団が単独所有権(マンションは区分所有権)の長屋を計画しているようです。
9. 中古住宅のリフォーム 日本では現在5000万戸の住宅があるといわれています。中古住宅として市場に流通するのは僅かその0.3%の15万戸ほどです。1年に120万戸建設される新築住宅と比較しても大変少ない数字です。新築せずにリフォームやリニューアルで住みこなせる住宅は無数にあるはずで、これからの重要な課題となることは間違いありません。
10. 用途転換 中古住宅に限らず、倉庫や廃校になった学校、事務所ビルなどその気になればいくらでも住宅に転用出来る空間はあるはずです。 店舗や美術館は事例をよく目にしますが住宅はあまり聞きません。
11. 自力設計 住宅は自分で設計するのが一番いいと思います。自分で出来ない部分を専門家にフォローしてもらい、作業量に応じて費用を支払うことにすればそれなりにコストダウンが計れます。例えば、実施設計だけを設計事務所に依頼したり、コスト管理をコーディネーターや積算事務所に依頼したり、性能管理を公的検査機関に依頼したりする方法が考えられます。
12. 自力発注 施主が様々な工事業者に直接分離発注すれば、工務店などに支払う経費(直接工事費の10〜20%程度)の一部を節約できます。オープンネット株式会社(鳥取県)は、分離発注に伴うリスクを回避する保証制度を東京海上火災と協力して整備しています。デメリットは施主がサブコンと契約を直接結ぶため原則として契約ごとに費用が必要なこと、仮設工事が高く付くことなどです。
13. 見積比較 複数社に見積をとれば価格が比較できます。但し、見積書をきちんと読み込まないと危険です。設計事務所などに相談し、単価、数量、経費などについて精査する必要があります。
14. 分離発注と一体発注 外構と建築を一体で発注したり、2棟の住宅を一度に発注したりすれば理論上は経費や仮設の低減になります。また見積段階で外構工事だけが高い場合、それだけ分離発注するといった方法もあり得ます。
15. 近場の工務店 見積書には必ず経費が計上されます。一般的にはハウスメーカーの様に広告費に莫大な費用をつぎ込めば当然経費も高くなります。工務店の営業範囲が一定のエリアに限られていれば、移動や輸送にかかる時間と費用が節約できるので経費は下がります。会社の規模が大きくなれば事務経費が増えます。理屈から考えれば近場の零細工務店が良心的な価格で施工してくれればそれに超したことはありません。
16. 保証 保証のしっかりしていない施工者には仕事を頼むべきではありません。10年瑕疵が義務づけられたとはいえ、当の工務店が倒産してしまったりしたら、安く作った筈が結局高い買い物になってしまうことも有り得ます。すべて任意ですが地盤の保証制度、完成保証制度、性能保証制度、性能表示制度などがあります。
17. 家づくりの目的は? 建物の仕様を変更しても減額には限りがあります。本気でコストダウンを考えるときには建築条件の見直しが不可欠です。特にライフスタイルの変更を伴うものであれば施主の判断無しに事は運びません。条件の変更を考える時は、後で後悔しないためにも、家づくりの目的をはっきり明確にしておくことが必要です。
18. 土地の高度利用化 土地の高度利用をすれば、同じ規模の建物でも少さな土地に建設することが可能です。東京の都市部など本来もっと高度利用が図られるべきです。ある程度のまとまった土地があるなら住宅を集合化したり、店舗や事務所と複合化することが必要になります。
19. 規模の縮小 性能を落とさずにコストダウンを図る最も手っ取り早い方法は、建築の規模を小さくすることです。建築工事の材料費や施工費は建築の規模に依存するので、規模を縮小することはあらゆる面でコストダウンにつながります。ただし、設計においても、生活においても様々な工夫が必要となります。公庫の融資を受ける場合、面積の下限もあるので注意してください。
20.  仕様の変更 もう一つの手っ取り早い方法は規模を縮小せず、仕上げや設備ののグレードを落とすことです。適度な床面積を確保して、将来の間取りの変更に備える(フレキシビリティを高める)ことがこの場合のテーマです。上記の規模縮小とは反対の考え方かもしれません。
21. 取りやめと5万円減額 2000万円程度の住宅では仕様をAからBに変更しても5万円単位の減額しか出来ないことが多いのですが、そういった細かな積み重ねでも数百万のオーダーに達することがあります。大幅なコストダウンを一度に行うには規模を縮小することと何かを取り止めることの2つの方法しかありません。
22. nLDKで考えない 設計条件を決めるときに「このくらいの大きさの個室が何部屋必要」という考え方をすることが一般的ですが、狭い住宅に個室を沢山設けるのは現実的ではありません。目的に応じたスペースの配分や配列をすることが重要です。本当に自分が必要なスペースが何なのかを見極めなくてはいけません。
23.  物の少ない暮らし 物がないシンプルな生活をすれば家の規模は小さく出来ます。同じ大きさの住宅でも収納の面積の割合を減らせます。物を少なくするのは施主にしかできないことです。
24. 収納計画 適切な収納計画のもとに整理整頓すれば、部屋は広く使えます。逆に言えば整理ができない人や物が捨てられない人はローコスト住宅には向きません。
25. 過剰設備の省略 人生一度のことだからということで住宅設備はどうしても過剰になりがちです。 利便性、快適性向上のための設備は省略しても生活できます。自分の生活に最低限何が必要か真剣に考えるべきだと思います。
26. 自分でできることを増やす 建築を建てると様々な諸費用がかかります。金額の大きいものとしては、外構工事費用、住宅ローン手続き費用、家具、家電類、カーテン類の費用、引っ越し費用、登記費用などです。自分でやることにすればこれらの費用を減らす事ができます。
27. 自分でやる塗装工事 最も施主が参加しやすいのは、塗装工事です。オイルフィニッシュ、柿渋、密ロウなど自然系の材料は素人でも施工することが出来ます。逆に、自然塗料は乾燥に時間がかかり、将来的に塗り替えが必要になるため工務店に頼むと高くつきます。
28. 自分でやる左官工事 左官工事も素人が出来る工事の一つです。施主が自分で塗った壁と本職が塗った壁とは当然出来上がりは違いますが、自分で塗った壁の方が遙かに価値があると思います。
29. フラードーム・ログハウス どちらも素人が作ることを前提としたもので、DIYの代名詞のような存在です。土地の高価な日本では馴染まないのかもしれませんが、時間に余裕ののある人がDIYの延長でつくれるような仕組みです。どうしても似たような物しかできないのが問題です。DIYの可能性を展開させるのは建築家の一つの指名であると思います。
30. ローンを組まない ローンを組まないで家を建てられるのはかなり恵まれた人であることは確かですが、住宅の取得費用のうちローン関係の費用は非常に大きい。利子に加え、手続きの費用も大変高額です。できるだけ借金をしないのがローコスト化の基本で、一度にすべて整備せず、ゆっくり漸進的に造り上げていくことが大切です。「つくり続けられる家」というのは魅力的な概念です。
31. 外構工事を自分でやる デッキや植栽はガーデニングの延長として自分でやるのが良いでしょう。自分で計画して自分で施工するのはすばらしいことです。
32. 家具の自作 日曜大工の延長として家具も自分でつくってしまいましょう。下手でもいいのです。あまり難しいことをせずにシンプルな構成とするのがコツ。
33. 備品の自作 カーテンなどの備品は意外にお金がかかります。私は値段が高い上に畳んだときの姿が美しくなく、開口部との間に不愉快な結露を生じるカーテンの存在自体が嫌いです。そんな予算があれば開口部の断熱性能を高くしての安いロールブラインド(大塚家具オリジナルのブラインドとか)でもつけた方がいいと思うのですが。個人的な趣味はともかく裁縫が得意なら自分でつくってしまいましょう。
34. 表示登記を自分でやる 建物の表示登記は個人でも申請することができます。ただ簡単な図面(縮尺のあるシングルラインの線画)を書けないとダメです。図面さえかければ法務局の人があれこれ教えてくれますので、それに沿って申請書類を用意するだけです。土地家屋調査士費用約8万円を節約できます。
35. 外側の表面積を小さくする。 材料にかかるコストは、材料の価格と表面積に依存します。同体積で最小の表面積を持つ立体は球面です。直角ベースにした形で表面積が最小なのは立方体です。
36. 矩形の平面 出っぱり引っ込みのない矩形の単純な平面は施工の作業効率を高めます。断熱にとっても望ましい形です。
37. 片流れ屋根 木造建築で一番単純な形状の屋根は片流れ屋根です。形だけみればフラットルーフの方が単純ですが、防水の耐久性などを考えると、木造では無理があります。寄せ棟の屋根は屋根の外周4辺に樋が必要です。片流れ屋根にすると軒樋が一つですみます。
38. 小屋裏をやめる 断熱が十分でなかった昔の建物では小屋裏のスペースが熱の排出に重要な働きをしていました。しかし、ローコストな住宅を考えるときは、こういう小屋裏のスペースも無駄にする訳にはいきません。屋根面で十分な断熱をして、内部空間を使い切ることが重要です。
39. 玄関の省略 玄関は一つの例えですが、家の中には常時人がいるわけでは無いのに、必要以上に広い面積が割り当てられているスペースがあります。そういった我々が当たり前に必要だと思っているスペースを他の空間と共有したり、無くしたりすることで家はコンパクトにすることが出来ます。先入観を疑ってみる態度が大切です。
40. 水回りの集約 集合住宅のように規模が大きくなるほど水回りは集約する必要が出てきます。単純に配管の長さが短くなる以外にメンテや更新がしやすくなります。
41. 廊下の取り止め 狭い家で廊下に沢山のスペースを割くのはもったいない。個人住宅なら一切廊下のない平面をつくることも可能です。
42. 間仕切り・内部建具の省略 間仕切りや内部建具はプライバシー、通風、遮音などのどんな性能がそこに必要なのか考えましょう。よく考えると壁で4方を囲まなくても良いと言うことがあるはずです。 また、将来に備えて家具を間仕切りとして使うことも十分考えられます。
43. 規格材、工業製品の使用 2×4材、構造用合板、OSB、MDFなどのエンジニアリングウッド、アルミサッシ、金属の折板や波板、ポリカーボネイト板、軽量鉄骨のような工業製品は品質が比較的安定しています。ローコスト化のためには、こういった汎用製品を組み合わせて使うことが必要です。
44. 産直材料 中間マージンを省いた産直材料はインターネットによって利用しやすくなってきました。軸組を産直材でつくるときには、含水率の管理が必要です。
45. 軽量化 軽量化はコストダウンの基本です。軽量化すると、輸送費が節約され、ハンドリング性がよくなり、地震のような外力が低減されます。軽量鉄骨は住宅規模の建築ではもっと見直されていい材料の一つです。
46. 工務店の材料 独自の材料入手ルートを持っていたり、そのルートから入手した材料をストックしていたりする工務店があります。きちんと材料を見極めることができればそ品質がよく安価な材料を利用できます。
47. メーカーにこだわらない 特にシステムキッチンのようなそれ自体が高額な商品の場合単価が同じでも掛け率や流通ルートの違いから実際の納入価格はかなりの開きが出てきます。
48. 個人輸入 木製サッシなどは国産のメーカー品は非常に高価です。時間に余裕があればそういった製品を海外から入手する方法もあります。
49. 汎用品の利用 はめ殺しの窓より引き違いの窓の方が価格が安いことがあります。これは引き違いのサッシの方が流通量が多いためと考えられます。同様に木材でもよく使われる3m材などはM3当たりの単価が安くなります。
50. 農業製品の利用 工業製品のみならず、温室用サッシのような農業用の材料を利用する手もあります。毛細管現象で止水するなど建築屋にはとても思いつかないようなテクノロジーがつめこまれています。ビニールハウスも使い道がありそうです。
51. 材料支給 工務店がどうしても安く入れられないのなら、施主自らインターネットなどを駆使して材料を集め、取付や配管工事だけを工務店にお願いするという手もあります。特に家庭用エアコンなどは材料支給の形をとったほうがいいと思います。
52. 自然材料 単価は概して工業製品より高価ですが、メンテナンスコストを含めて考えれば汚れてもそれが味になる自然素材の方が有利になることもあります。工製品と適材適所に使い分けコストダウンしていくことになります。
53. 建築面積を小さくする 建築面積を小さく抑えると、仮設工事、基礎工事などでコストダウンが図れます。また、傾斜地では接地面積を小さくするのが基本です。
54. 階高を押さえる 落ち着きが求められる空間や小さい部屋は天井高を下げ、大きな部屋や高揚感を生み出す動的な空間は天井を高くするとうまくいきます。どこもかしこも天井が高い家は下品な感じになります。また外観も軒が低いと高級な印象を与えます。
55. 歩留まりの向上 材料のロスが出ないようにするのはコストダウンの基本です。優秀な施工者ほど材料を無駄にしません。特注材料が増えれば当然コストは高くなります。定尺材、規格材を利用し歩留まりを向上させることが必要です。
56. モジュールの変更 同じ面積の住宅で比較するならメーターモジュールの方が、900モジュールより部材点数が少なくなります。ただし住宅建材は通常尺モジュールで出来ているので、使用するあらゆる建材についてメーターモジュールに対応した製品があるかチェックしないと危険です。
57. 仕上げ材の省略 仕上げ材で構造体を覆ってしまうのは良い方法ではありません。外断熱の2×4住宅では(延焼の恐れがない場合)有効な方法と言えます。
58. 仕上げと構造の兼用 工場などに使われる折板はそれ自体が構造材として機能します。また家具を構造体として機能させる方法も有り得ます。
59. 特注対応 高価な住宅設備は特注で作った方が既製品より安いこともあります。システムキッチンの価格はそのほとんどが、収納部分の価格です。扉のグレードを替えるとコストは驚くほど上下します。 複雑な収納システムが不要ならカウンタートップだけ既製品で後は大工工事で製作と言う選択肢が有り得ます。ユニットバスも同様です。
60. スケールメリット 建築は規模が大きくなると単位面積あたりの施工費は一般に安くなります。 (仮設工事などのコストが減。繰り返しによる生産性向上)
61. 工期短縮 同じものを短い工期でつくれれば、生産性が向上したことになるので、価格は安くなります。気をつけなくてはいけないのは同じやり方で工期を縮めても、仕事が質が低下するだけだということです。また工期を絞ると安くやってくれる腕のいい職人さんの手配がつかないこともあり、必ずしも工期短縮=ローコスト化という図式は成り立ちません。施主側としては工務店の適正工期で工事を依頼すべきです。
62. 工種を減らす 木造建築であれば、できるだけ大工さんが出来る工事を増やすこと、特に家具工事を大工工事にすることがコストダウンにつながります。鉄骨造であれば建具や雑金物を出来る限り鉄骨工事でやることが考えられます。
63. 合理化工法 木造在来工法の複雑な施工を簡略化、省力化し、施工のばらつきを少なくする様々な工法が開発されています。
64. 2×4工法 省力化工法の代名詞 です。在来工法の合理化を考えるときでも、プラットフォームの形成、パネル化、金物による仕口といった2×4の特長は参考になります。
65. 断熱工事の合理化 手間のかかる工事の一つに断熱工事があります。室蘭工業大鎌田紀彦さんの開発したPFP工法は木造躯体と断熱工事を著しく簡略化する工法で、誰でもが使えるオープンなシステムになっています。
66. 仕口の省略 二つ以上の材料の接合部をを仕口と呼びます。金物を使えば仕口も簡略化できます。クレテックと呼ばれる大工さんが開発した金物がよく使われています。
67. プレカット 仕口、継ぎ手の加工を機械加工とする方法もあります。プレカット工法は現在ではかなり普及しています。
68. 布堀り基礎 構造家の梅沢良三さんが提唱している基礎形式です。型枠、打設回数などを減らしコストダウンを図る方法です。建築知識97年12月号に掲載されています。
69. 筋交いや火打ち梁の省略 構造用合板等の構造用の面材を木造軸組に打ち付けると、耐力壁として扱うことができます。施工のばらつきが問題であった筋交いを必ずしも使う必要はありません。12mm以上の構造用合板を適切に木造床組に打ち付けると火打ち梁を省略できます。
70. 根太、垂木の省略 床に28mmの構造用合板を使うと、上記に加え煩雑な根太、垂木架けの作業を省略できます。目違いを防ぐため、小口に本実加工がしてある合板が商品化されています。
71. 施設の必要性 建物の寿命を考える上で一番重要なのはその建物が本当に必要なのかということです。必要性の無い建物はすぐに壊される運命にあります。公共建築で特に問題になります。
72. 間取り変更への対応 自由度の高い平面づくりは長寿命化にとって大切なポイントです。物理的な耐用年数をお金をかけて高めるよりも、建築の可変性を高めた方が 遙かに有効です。
73. エレベーター設置の可能性 高齢になって2階建て住宅の1階しか使えなくなるのはもったいないことです。最初からエレベーターを設置する必要はありません。設置できるスペースを最初から想定しておけばいいのです。
74. 設備更新への対応 設備配管や設備機器は、更新のサイクルがとても短いので、ピットやPSを設け、設備を集約するなど更新を見越した建築の計画が必要です。
75. どこでも点検 耐用年数が短い部分、機能障害を起こしやすい部分、傷みのはげしい部分は竣工後もメンテナンスができなくてはいけません。点検は被害を拡大させないという意味もあります。点検口やPSを設ける、乾式工法でビスをはずせるようにしておく等の配慮が必要になります。
76. 躯体や設備の露出 見えない部分があるから点検が必要になるわけで、露出していれば点検口など最初から不要になります。木造建築だと設備配管を露出させるのはかなり大変ですが、構造は是非とも露出させるべきです。
77. 痛みやすい部分の保護 ちょっとした庇や水切りを出すと壁面の汚れは少なくなります。木造高断熱住宅では通気層を外壁に設けることが近年増えてきました。通気層を設けると、壁体内の内部結露が発生しにくくなります。また木材を乾燥状態に保つので、躯体の保護にもつながります。
78. 清掃の容易さ 何でもかんでもつるつるになっていく今の風潮には賛成しかねますが、維持管理の費用を少なくする重要な要素です。
79. 木材の耐久性 建築家池辺陽さんの研究によれば、柱の太さを1cm太くすると家の寿命が15年長くなるそうです。樹種ではサイプレスと呼ばれるオーストラリア桧が優れているようです。
80. シロアリ対策 参考となるHPがあります。どうも旧来のシロアリ対策はすべて間違っていたようです。一読をおすすめします。  http://www.sinfonia.or.jp/~isoptera/
81. コンクリートの耐久性 RC構造体の耐用年数の理論値は、コンクリートの中性化が鉄筋まで進行する年数で一般に判断されます。中性化を防ぐには、鉄筋のかぶり厚を大きくする、水セメント比を小さくする等の方法があります。
82. シンプルデザイン 洋服でもそうですが、丈夫でシンプルなものほど長持ちします。ユニクロや無印良品のような住宅があればそれが一番いいのではないでしょうか。日本の戦後小住宅(一般の住宅ではありません)やアメリカのケーススタディハウスはそれに近いニュアンスを持っています。
83. 浴室の防水 住宅の内部では浴室がもっとも傷みやすい部分です。年中水のかかる部分ですから防腐対策が当然必要となります。また、水蒸気の問題は深刻です。湿潤空気は外部が気密化していれば内部に向かって(水蒸気圧の低い方に)流れようとするので、浴室の隣の部屋が冷えていれば内部結露を生じます。そのため水蒸気を完全に遮断する防水が必要不可欠になります。
84. 高断熱化 高断熱化はライフサイクルコストを低減させます。 高断熱化すると、ワンルームに近い間取りにしても熱環境的な問題が生じないようになります。いいかえると間仕切りを省略した方が熱的に有利になります。間仕切りや内部建具を省略すれば当然コストダウンが計れます。
85. 高気密化 気密化されないとせっかく高断熱化しても熱はどんどん外に逃げていってしまいます。壁内の内部結露を生じないように高気密化することは、高断熱化に比べては遙かに大変です。
86. 蓄熱 RCの外断熱工法は蓄熱体として熱容量の大きいコンクリートを利用します。コンクリートブロックは寒冷地のローコスト住宅などで熱容量の欲しいときによく使われます。木造住宅でも、蓄熱はランニングコストの低減を図る上でこれからのテーマとなりそうです。
87. 基礎断熱 高断熱住宅の1階床部の断熱手法として、通常の床下を断熱する方法以外に、基礎の外側と土間コンクリートの下(外周部90cm程度)を断熱する方法があります。これは土の断熱性能を利用したものです。基礎断熱にすれば、土間コンクリートを蓄熱体として利用できるので、寒冷地では省エネになります。関東では断熱材のシロアリ対策や、基礎断熱用換気口の設置が必要になる場合があります。
88. 床下暖房 基礎断熱した建物は、床下を直接暖める方法が効果的です。灯油炊きのFFストーブで床下を暖房するとローコストな床暖房となります。
89. ダイレクトゲイン もっと原始的な暖房手法としてはダイレクトゲインがあります。コンクリートのような熱容量の大きい材料を日射によってダイレクトに暖めるという方法です。こういったローテクな方法が実は一番優れていると思います。当然、夏は蓄熱体を暖めないように、簾や落葉植裁で日射を遮る事が必要です。小玉祐一郎さんの自邸が有名です。
90. 設備に頼らない建築 断熱のきいた庇のある通風の良い家はほんの少しの設備があれば生活に支障はありません。作るときも使うときも無駄なエネルギーを使わなければ、環境に対する負荷は小さくなり、同時にライフサイクルコストは低減されます。
91.  ローテク設備 設備機器を導入する際はできるだけ単純なものを選択するべきです。複雑なモノはすぐ技術が古くなってしまうし、故障も多い。OMソーラー は明快な仕組みだと思いますが、いかんせんイニシャルコストが高すぎる。なんとかならないものでしょうか。
92. 庇による日射の制御 日本では夏は太陽高度が高く冬は低いので、適切な形状の庇を利用すると、夏は日射を制御し、冬は太陽のエネルギーを有効に活用することが出来ます。
93. LOW−Eガラス LOW−Eガラスとは、複層ガラスの表面に特殊金属膜をコーティングしたもので、高い断熱性能を持ったガラスです。遮熱性能の高いLOW−Eガラスもあります。
94. ブリーズ ソレイユ ブリーズ ソレイユとは元来日除けの意味ですが、今日では日照調整の手段として建築化されたものを示します。竪型や横型のルーバーなどがこれに当たります。
95. 簾、オーニング 簾やオーニング(可動式のテント)を使えば、必要なときだけ日射を遮ることが出来ます。水まきすると涼しくなるのと同じで、ちょとしたことを面倒臭がらないと随分快適になるのです。
96. 落葉樹の植裁 家の南側に落葉の高木やつる植物を植えれば、夏期は葉が日射を遮り、冬期は日射を得る事が可能になります。この仕組みでは中間期の日射のコントロールが重要です。
97. 南北通風 昔の住宅では南北通風をとることは当たり前のことでした。建物に積極的に風を取り込み、かつ抜けるようにすれば必要以上に冷房を使う必要が無くなります。平面的にとれなければ、断面でとる工夫が必要です。
98. 設備の高効率化 冷蔵庫やエアコンの性能をみても明らかなように、近年の省エネ技術は著しく進歩しています。電気式のヒーターを使うくらいなら、エアコンを使う方が経済的です。
99. 燃料電池 太陽電池は現状では使い物になりません。だいぶ下がってきたとはいえ、価格が高すぎるのです。高い投資をしても回収するのに20年以上もかかる計算になります。燃料電池の実用化が待たれます。
100. 再資源化 耐用年数の長い高価な材料を使わずに、再利用可能な安価な材料を利用する方法があります。当然再生に使われるエネルギーと費用が小さい物でないと意味がありません。