過去の相談  エクスパンシビリティについて

突然ですが・・・ 投稿者:hitomi 投稿日:2002/11/29(Fri) 16:28  
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建築の寿命を長くするためのエキスパンシビリティとは、
一体どういうものなのでしょうか?
自分でも調べたのですが、具体的な計画例もエキスパンシビリティという言葉も、見つけることが出来ませんでした。

よろしければ、教えていただけないでしょうか?
本当にいきなりで申し訳ありません。
お願いします。



Re: 突然ですが・・・ 飯塚 - 2002/12/01(Sun) 11:09 No.51  

marknasi.gif hitomiさん、こんにちは。

最近、何人かの学生さんが、この言葉について調べていているようですね。他の掲示板でどなたかが私のHPを紹介して下さったのを拝見していたので、そのうち私に振られるだろうと思っていました(随分前でしたけどまだこの課題終わってないんですか?)。そこでは、「フレキシビィティとエキスパンシビリティ」が課題になっていた様に記憶していますので、質問にはこの二つの言葉が並記されていることを前提に書いていこうと思います。

エキスパンシビリティなる言葉はあまり一般的に使われている言葉であるとは思えません。だからネットを使って情報を集めようとしても無理なんですね。この課題を出した方は、明らかにあなた方に「考える」ことを期待しているのだと思います。だから、自分で調べ、自分の頭で考え、自分の言葉で書くべきであるということは明らかです。本来なら、「私はこう考えるけど、それについてどう思うか」という形で質問するのが筋です。

あまり、説教じみたことばかりを書いても仕方ないので、ヒントだけ示します。あくまで私の考え方に基づいたヒントですけどね。

日本の場合、建築が物理的な寿命を全うする前に、機能不全に陥って、壊されてしまうことが多いわけです。これでは物理的な性能を高めても意味がない。
辞書を引くと、フレキシビィティとは柔軟性とか適応性、エキスパンシビリティは発展性とか拡張性という意味ですね。

フレキシビリィティというのは、ある状況の変化を柔軟に受け入れられる建築の基礎体力のようなものです。この言葉から私がイメージするのは、スケルトンインフィル、高齢化とリフォーム、建築の転用や用途変更の様な問題です。
フレキシビリィティというと、すぐポンピドーセンターのような建築をイメージしがちですが、もっと色々な形があっていい。新建築の「node」という本にある、坂本一成さんの「空間の配列について」という小論はフレキシビィティを考える上で大変参考になります。この本は他にも色々すばらしい小論が載っていますから、学生さんは必読です。

エキスパンシビリティとは、拡張可能な建築に備わっている基本的な力だと思います。建築は、常に時間の経過と共に人やモノが増えていく宿命を持っています。建築が機能不全に陥る主たる原因は規模や広さに関する事です。どんなにフレキシビリィティが高い建築も狭くては機能しなくなる。建築を徐々に大きくしていくこと、増やしていくことが容易にできるなら、初期投資は小さく押さえられます。住宅についていえば、プライバシーの問題もこの問題を考える上で欠かせません。

この二つの言葉を同時に考えられる最高の事例は、某有名建築家の自邸だと思います。日本一有名な住宅ですからきっと調べればすぐ分かることでしょう。

これらのヒントを元にhitomiさんがどう考えたかは是非書き込みお願いします。


ありがとうございました。 hitomi - 2002/12/04(Wed) 20:40 No.52  

  飯塚さん、唐突な質問をして申し訳ございませんでした。
建築については今年習い始めたところだったので、まだ充分な知識を持っていなくて、先生の意図は解ってはいたのですがこんなに専門的な掲示板に初心者の意見を書き込む勇気は無かったのです。。

フレキシビリティのところでリチャードロジャースに関して調べていたところ、彼の両親の家が、フレキシビリティとエキスパンシビリティ両方を兼ねているようだったので、何とかレポートは提出できました。

フレキシビリティについて調べると、割と家の中の事(家事動線や各部屋)についての情報が多かったのです。エキスパンシビリティに関して解った事は、始めに建てた家から、家族や物が増えるごとに建て増ししていく→R・ロジャースの建築から、エキスパンシビリティとは増築しやすく建てられていて、庭に向かって拡げていくことが出来るというもの。ということかな?と思いました。プライバシーの問題と深く関わっているという事が凄く気になっていたのですが調べてもわかりませんでした。

レポートは月曜提出だったので、時間の都合上まだ読めていないのですが、是非補講期間中にでも読んでみたいです。
あと、某有名建築家とは、誰ですか?安藤忠雄さん?ほんとにまだ何も知らないもので…。

とにかく、、ヒントを戴けて助かりました。ありがとうございました!


Re: 飯塚 - 2002/12/12(Thu) 01:21 No.56  

  書き込みありがとう。どうもよく分からないのは、増築しやすさ=エキスパンシビリティということでいいのかということです。スケルトン・インフィルにしても、百年住宅にしても、最近の考え方は割と手間のかからない改築系に傾いていて、上に増やすにしても、平面的に横に増やすにしても結構お金も手間もかかるので、最初に大きなフレームをつくること一つのテーマにしている。あとで増やせるようにつくっておいても、多くの場合、当初考えたように増築されることがなく、建て替えられてしまう。だから、エキスパンシビリティは、土地価格の高騰した日本で有効な考え方のようには思えないんです。担当教官のねらいはなんだったんでしょうか。

昔、メタボリズムという建築運動があったのですが、その最大の問題点はそういう所にあったのだと思う。そんな中で見事にそれを実践できた建築も少しだけある。私が某有名建築家の自邸と言ったのは、日本の住宅を研究すれば必ず登場する、菊竹清訓さんの「スカイハウス」という住宅でした。空中の4間四方のフレキシビリティの高い主空間を夫婦の生活空間として設定し、プライバシーを考え、子供部屋のムーブネットをぶら下げたり、温室を増築したりしている。私事で恐縮ですが、私が所属する会社のボスである、大高正人という建築家もメタボリのグループの一員です。よかったら、少し研究してみて下さい。