過去の相談  半地下室について

[28] 地下室の断熱 投稿者:DIY主義 投稿日:2002/09/06(Fri) 13:21  
markhatena.gif 現在,自宅を建築中です。企画設計をほぼ自分で行い,その他DIYで仕上げていく余地を残した住宅にする計画です。
このホームページの内容は,論理的・合理的・簡潔で,とても参考にさせていただきました。
傾斜地を利用した地下室を設けましたが,その断熱について,よろしかったらご意見を下さい。
地上部分1mの他,外周ベースで30%露出した鉄筋コンクリート造の地下室で,天井も鉄筋コンクリートでスラブ打ちします。建物は,その上に断熱材を敷き,更に蓄熱温水床暖房のためのモルタルを打った高断熱仕様とします。高断熱仕様の建物と玄関のある地下室は階段でつながっています。予算上および構造上の問題から地下室外周の埋没部分の外断熱を断念しました。いずれは地下室を居室として使いたいので,建物完成後1〜2年後,コンクリートが乾くのを待って,地下室の内部に断熱材を貼ることを検討しています。
質問は,外気に露出している30%の外周部分および地上露出1m部分にだけでも,外断熱処理を行うべきかどうかです。もしよろしかったら,ご意見をください。


[29] re: 投稿者:飯塚 投稿日:2002/09/08(Sun) 12:01  

marknasi.gif DIY主義さん、書き込みありがとうございます。

かなりの専門知識がある方、あるいは専門家とお見受けしました。このHPはどの様な職種の方であれ、貴殿のような自分で建てるという意識を持つ方を全面的に支援したいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

まず、住宅の形状がイメージしにくいのですが、傾斜地で > 地上部分1mの他,外周ベースで30%露出した鉄筋コンクリート造の地下室 > 玄関のある地下室は階段でつながって とありますので、こんな住宅を想像しましたが、あっているでしょうか?

1.敷地は住宅の表と裏で1.5〜2m程度の高低差がある。
2.道路沿いに擁壁または法面が立ち上がり、その部分で玄関や駐車場を確保している。(急勾配の雛壇状造成地に良くあるタイプ、純粋な地下ではない)
  外周長の30%程度が接道する。いわば半地下式の地下室。
3.1階レベルは雛壇上の土のレベルより1m程度高い。
4.RC上部はフラットで、階段室の穴だけあく。2階建て程度の木造が乗る。

気にされているのは、おそらく地下室部の夏期結露等の問題ですね。

土の断熱・蓄熱効果を期待するには、露出部に(凍結深度以下かなり深いレベルまで) 外断熱を施す必要があると思います。そのようなことが可能なら、最初から外断熱を採用されているはずですから、これは、あまり意味がありません。温暖地ではシロアリの危険もあります。 内断熱(全部)+露出外断熱は一部のヒートブリッジを低減する効果しかなく、内断 熱(外断熱がない部分のみ)+露出外断熱なら、仕上げの関係が整理できない気がし ます。

結論からいうと、半地下式、十分な通風換気の期待できる地下室なら、内断熱で良い ような気がします。難しい問題なので、ちょっと調べてみると、山田雅士著、「結露を止める」という本の中に

 室内空気変動に対して、壁や床の表面温度の追従が遅れると、空気温度だけが  上昇してしまって、壁や床の温度が上昇しないということがあるので、地下室の表面には熱容量の小さい材料をもってくるのがよい。つまり、断熱材も内側に設ける方が適合する

という記述があります。しかしこういった一般論よりも、防水の問題を含めて、お住 まいの地域でのトラブル事例を調べたり、施工者の方と協議したりする方が有効かと思います。 断熱材はプラスチック系のものだと、どうしても別途仕上げを考えなくてはいけない ので、万一結露や漏水が発生したときに不安です。モルタルの様な仕上がりとなる 断熱(吸音)材料に心当たりがありますので、これについてはちょっと調べておきます。



[31] Re:[29] 地下室の断熱へのご回答
投稿者:DIY主義 投稿日:2002/09/09(Mon)
 

marknasi.gif 早速のコメント,ありがとうございました。私の短い説明に対して,適格な状況把握ですね。住宅の形状は,ほぼご認識のとおりです。ちょっとだけイメージが違うのは,急勾配の造成地ではなく,数軒続きで1.5m高の台状の土地の角(道路面を含む2辺が低い)であることです。埋没部分を外断熱としなかったのは,地盤面が同じ隣地からかかる土圧の処理ができないと判断されたためです。
懸念しているのは,冬の断熱効果と,夏型結露の両方です。
場所は関東地方ですが,高断熱仕様建物と蓄熱式床暖房による穏やかな暖房システムを採用している中,地下室が無防備なのです。土壌の蓄熱効果は全く期待していませんが,土壌に接しているコンクリート壁の温度変化は緩やかで,外気に直接触れているコンクリート壁は急激に変化すると想像しています。もし,この外気に面した部分だけでも外断熱処理した場合の効果がどのくらいのものなのか想像できないでいます。
夏型結露の問題については,お聞きしたかった回答そのものでした。熱容量の小さいもので表面を覆うということで,「2×4材を隙間なく並べたらログハウスみたいで気分いいのではないか」などと考えていました。良い材料があったら是非教えてください。
完成してから1〜2年は地下室を無断熱状態として,その後,一部外断熱とするのか,全部内断熱とするのか,そのままで十分ということになるのか,判断する計画です。
お願いしている工務店はとても良心的で,技術力もある(まだ完成していないので,私の想像・信頼にすぎませんが)のですが,全く未経験なことについて論理的に検討することは得意ではないと思います。そこで,こちらに相談させていただきました。
P.S.
私は銀行マンです。事情があって色々自分で悩むこととなりました。「自分の家については自分が一番真剣に考え,自分が考え・作ったものには自己満足でき,失敗しても自分が考え・作ったものなら許せる。」 結構,楽しいです。


[32] 地下室断熱材の件 投稿者:飯塚 投稿日:2002/09/10(Tue) 21:31  

marknasi.gif DIY主義様

前に言っていた材料の資料見つけましたので報告いたします。この材料は、 阪東工業株式会社(027-253-6971)のバンドーウールという商品で、一般名 称は、調湿性粒状岩綿、特許製品のようです。見た目は殆どモルタルの感 じで硬さもある程度あります。
カタログによると、これは岩綿繊維をスポンジ状に特殊加工した粒状岩綿 と、無機質接着剤を調合した建材で、耐火性にすぐれ断熱性能もあり、 (0.035kcal/mh℃程度)、防露性能、吸音性能もあります。
所詮カタログデータですから、実際使われるなら、カタログ、現物サンプ ルなどを取り寄せ、住宅建材として当該部位に利用可能かどうか、工務店 を交えてメーカーとも打ち合わせされた方が良さそうです。

建物の形状や心配されている問題については了解致しました。

完成して1から2年は地下室を無断熱状態とされる計画のようなので、材 料は時間をかけて十分吟味致しましょう。冬場結露の件は少し時間を頂い て検討することにしたいのですが、いかがでしょうか。もちろん簡単な計 算なら致しますので、まずは工務店と相談して、現実的に施工可能な壁面 の層構成案(材料と厚みと順番)をいくつか作って頂けると助かります。

参考までにいくつか申し上げると、理論的に言えば、冬場の壁内の内部結 露を完全に防ぐには、おそらく外断熱するしかありません。しかし、2種 類の壁面(土に埋まる部分、露出する部分)の断熱を切り替えるのは現実 問題として非常に難しいのではないかと思います。
個人的には、少々乱暴なのですが、水潤に強く、インテリアに露出しても 大丈夫な断熱材料を、RCに密着して設ける(内断熱)のがコストやシロ アリ、後々のメンテナンスのことを考えても良いように思いますが、どう でしょうか(当然この場合、RCと断熱材の境界面を中心に発生する結露 についてはある程度、我慢しなくてはなりません。)。

DIY主義さんは銀行マンでいらっしゃるとのことなので、少々厚かましいの ですが、こちらからも相談させて下さい。一番お聞きしたいのは、どうす れば、DIY主義さんのような作り方が普及するかという問題です。住宅を自 分でつくるための仕組みさえ整っていれば、もう少し多くの方が人任せに しない住宅づくりに挑戦してみると思うのです。
私が考えると、どうしてもスケルトン住宅とか、キットでの部材供給とか、話がハード面に偏ってしまって、おもしろくありません。
本当に読者の方が知りたいのは、融資、住宅ローン、税金、競売、定期借地権、リバースモーゲージ制度(おもいつくまま書いてます)などの問題で、そういった面から考えたときに、DIYによる住宅建設に少しでもメリットがあれば良いのですが。あるいはお金の面から考えれば、どうしてもDIYに行き着いてしまうというということなのでしょうか?プロの立場から是非アドバイス頂ければ、と思います。



[33] Re:[32] 地下室断熱材の件 投稿者:DIY主義 投稿日:2002/09/11

 

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ご丁寧なご回答ありがとうございます。「バンドーウール」ですね。施工者の方と相談してみます。その他のご回答の内容も,納得感がありました。これ以上の検討は,無断熱で放置する2年間で実証的に,施工者と相談して決めることとします。ありがとうございました。
逆のご相談の件ですが,理想にされる「人任せにしない住宅づくり」のレベルがわからないのと,私は実際に住宅ローン融資を担当しているプロではありませんので,ご期待にそえないと思います。また,「ハード面に偏ってしまって」とおっしゃいますが,私にはとっても面白かったですよ。

折角ですので,ユーザーとしてコメントさせてください。

まず,DIY的な家作りのメリットについてですが,
私がほぼ自分で企画設計を行い,DIYの余地を残した家作りをすることとなった(DIYといってもそのレベルですが)のには事情があるのですが,コスト面でのメリットが大きなインセンティブになったのは否めません。しかし,進めてきて感じたのは,「自分で考え・作ったものには自己満足できる」というメリットです。自己満足とは「愛着」とも言えると思います。個人住宅にとってこれ以上に重要なファクターがあるでしょうか?逆に,人が決めたこと,人が作ったものには,ちょっとした欠点でも気になるだろうということです。これが最大のメリットではないでしょうか。

次に,DIY的な家作りを普及させる要因について,自分の考えを述べます。
私のうるさい注文に,施工者の方は誠実・親切に応えてくれていますが,そのような施工者に恵まれるかどうかは運ですよね。うるさいと思って,可能なことなのに「出来ません」とか「高くつきますよ」と言う工務店は多いのではないでしょうか。
また,「プロに任せると一番良い物ができる」という幻想(失礼!)がありますよね。プロの力を借りなければできないことは多いのですが,プロの力量自体の問題と,住宅は個性的な物であることが良く認識されていないという問題がありますよね。

こじんまりと総括してしまいますと,「人任せにしない住宅づくり」をサポート(その気にさせるという精神的なサポートを含む)してくれるプロと出会えるかどうかが,重要なファクターではないでしょうか。

第2に,ご提示いただいたテーマに無責任ながらコメントしますと,完全な自力建築や自力発注でなければ融資の問題はさほど問題とならないと思います。税金,競売,定期借地権も主体的な家作りだからといって致命的な問題は考えられません。リバースモーゲージ契約は,信用力有る組織が必要ですよね。

最後に非常に逆説的に言うと,とっても唐突ですが,「そのプロに任せて安心ですか?」というのが強烈な「主体的な家作り」へのインセンティブになると思います。



[34] ご意見ありがとうございます。 投稿者:飯塚 投稿日:2002/09/12(Thu) 21:26  

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DIY主義様

「自分の家については自分が一番真剣に考え,自分が考え・作ったものには自己満足でき、失敗して も自分が考え・作ったものなら許せる」という前回のご意見、 「住宅は個性的な物であることが良く認識されていない。」、「住宅は個性的な物であることが良く 認識されていない。」、「プロに任せて一番良い物ができるとは限らない。」、「完全な自力建設や 自力発注でなければ融資の問題はさほど問題とならない」、「「そのプロに任せて安心か?」という のが強烈な「主体的な家作り」へのインセンティブになる」等の今回のご意見、 「主体的な家作り」を目指す建築主の方に勇気を与える数々の貴重なキーワードをありがとうござい ました。私も読ませて頂いて色々な発見や感動がありました。

DIY主義さんは、本来、住まい手主体であるべき家づくりが、作り手主体、売り手主体になってしま っていることを痛烈に批判し、ご自身で「主体的な家作り」を実践されています。 そのような方が増えてくるとするならば、住まい手の思いを実現するのは当然として、設計者には 住まい手が考えた以上のことを提案していく、思いを増幅してゆくといったことが今後、ますます 求められてくるのだろう、と考えたりしています。

住まい手のこだわりを全面的にサポートしてくれる専門家とどうしたら出会えるのか。設計者、施工 者の力量をどのように判断したらよいか。夢を実現するためには、その専門家とどんなコミュニケー ションをとるべきなのか等、頂いた様々なテーマは、折を見てコラムの形でまとめていこうと思います。