このサイトは供給者、生産者側の立場からではなく、生活者=住まい手の立場から住宅を考えていくことをテーマにしています。住宅は、かつては住まい手である施主と大工が共同で建てるものでした。現在では、供給者側の論理によって建てられた住宅を、「商品」として購入することがあたりまえのようになっています。そうしてできた街並みやそこでの人間関係は貧弱で、かつて我々が貧しかったときの方が、よほど生活は豊かで充実していたのではないか、と思えてなりません。
住まい手の立場から考えるということは、戸建て住宅なら、自分がどのように生活したいかを考えるということです。住まい手はこれまでどんな生活をしてきたかということについては他の誰より知識をもっています。だから今後どのように生活をしていきたいかというビジョンを他の誰より明確に打ち出すことが出来るはずです。
住まい手にとって、人任せでなく「自力で家をつくる」という意識がまず重要です。もちろん「自力で施工する」のが理想ですが、それができる人はごく少数の人だと思います。しかし、専門家と共同して自分で設計する、技術者と共同して自分で施工する、ということなら必ずできる。要は自分でやれることをどれだけ増やせるかにかかっています。