「安く建てる意味を考えよう」  

 


■ 本当のローコスト住宅とは

最近、「ローコスト住宅」という言葉を目にすることが多くなってきました。ローコスト住宅と一口に言っても、値引き合戦のなれの果て、単なる安普請の住宅から、定型プランとオプション価格で、坪単価を安く見せかけただけのメーカー住宅まで、様々なものがあるようです。共通するのは、初期投資が少なくて済むということですが、いくら安くても、安全上・健康上の問題がある住宅、寒い上に光熱費がやたらとかかる住宅、そして、デザイン的にも空間的にも貧相な、愛着の持てない住宅では意味がありません。
本当の意味でのローコスト住宅は、コストが抑えられていると同時に、機能・性能・デザインの水準が高く、その魅力が長期間失われない、「質の高い住宅」でなければならないのです。

■ ローコスト住宅のメリット・デメリット

ハウスメーカーの住宅は、最低限の仕様にオプションを追加していく「足し算」でつくられますが、真の「ローコスト住宅」は、いらないものをどんどん削っていく「引き算」でつくられます。過剰な装飾、仕上げ、設備、必要のない間仕切りといった贅肉はすべて削る対象です。でも、そうやって住宅におけるそういった無駄を排除していく努力を繰り返せば、次第にかつての民家のような、簡素だが魅力的な住宅に近づいていきます。単に安いというだけでなく、真のローコスト化は住宅に質的な変化をもたらすのです。
しかし、コストをかけないということは、シックハウスなどのトラブルや、手抜き工事の発生を高めるということを意味します。専門知識のない建築主にとって、安全性・耐久性・断熱性などの諸性能を見極め、欠陥・不具合を防ぐのは、決して簡単なことではありません。ローコストの注文住宅を建てるなら、リスクを回避し、耐久性を高める最低限の知識の習得と、ノウハウをもった専門家とのパートナーシップが必要になると考えた方がよいでしょう。


□失敗しないためのチェックポイント

  1. 契約図書を整備する:簡単な平面図と一式の見積書だけで契約を結ぶことがまかり通っています。施工者との契約には、設計図(詳細図などを含む)、仕様書、内訳明細付きの見積書等が必要です。契約約款は、公的なものを利用して下さい。
  2. 金融公庫仕様書を利用する:耐久性を向上させる最低限の工夫が網羅されています。金融公庫を使わない場合でも利用可能です。
  3. 地盤調査を実施する:木造なら、スウェーデン式サウンディングは最低限必要。
  4. 各種保証制度を利用する:性能保証制度、完成保証制度、性能表示制度、地盤保証制度などを積極的に利用しましょう。
  5. 第三者の監理:設計事務所や検査機関など、施工者以外のチェックが定期的に入るようにします。
 

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