「設計条件を見直そう」  

 


■標準的な坪単価を知る

 資金計画の際、注文住宅であるにもかかわらず、単なる安普請住宅のような非常に安い坪単価で、工事費を皮算用される方がいるようです。ローコストといっても、質の高い住宅を建てるなら、最低限、標準的な公庫仕様住宅程度の予算は見ておくべきです。特殊条件やこだわりがあれば、さらに予算が必要になると考えた方がよいでしょう。計画の出来るだけ早い段階で、公庫の地域別、構造別の平均坪単価をホームページで調べておきましょう。

■住まいづくりのプロとの役割分担

値引きでも手抜きでも単なる安普請でもない、真のローコスト住宅は、建築主と設計者施工者、3者のパートナーシップと多大な努力があって始めて実現します。設計者・施工者まかせで簡単に実現できるものではないのです。ローコスト住宅では、特に建築主の役割が重要です。コストを大きく左右する「設計条件」を決定するのは建築主の役割です。設計条件の変更が、最も効果的なコストダウンを実現します。

規模や仕様の見直し

様々な工法上の工夫を考えたりする前に、建築主がまずすべきことは、自分の生活を再度見直してみることです。我々の住宅を詳細に眺めてみると、様々な無駄があることに気づきます。タンスの置場となって納戸化した和室、殆ど就寝時にしか利用されない子供部屋、通過するだけの玄関、二度と使われることのない引出物で充填された押入、ものに溢れたリビング、多くの床面積を無駄遣いしています。家は大きいに超したことはありません。しかし、仕様をそのままに、面積だけを大きくすれば、コストは跳ね上がります。面積を増やして、仕様を落とせば、たちまち性能の低下を招きます。したがって、我々にできるのは、あらゆる無駄を排除し、もっと室内を無駄なく有効に使う以外にないのです。物品のリストつくって不要な物は整理する。廊下のような利用率の低い空間は徹底的に排除する。長時間いる場所に大きな面積を割り当てる。小さな家でも広々使う、そういう工夫が必要とされます。

■ 未完成住宅のススメ

一度きりのことだからということで、住宅の仕様は設備や過剰になりがちです。何でもかんでも最初に整備しないといけないと考えていませんか。住宅は竣工時にすべてが出来上がっている必要はありません。時間をかけて手を入れていく作り方というのも、考えてみるべきでしょう。風雨や寒さを防ぐ最低限のシェルターが手に入れば、あとはゆっくり整備するのもひとつの選択肢です。自分でつくった物、後で手を入れられる物には愛着が持てます。出来ることは自分でやるという精神は、結果的に建物を長持ちさせることになるはずです。

 

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