「コストを左右する因子を知ろう(1)」  

 


■規模−大きいほど安くなる

建築は規模が大きくなると単位面積あたりの施工費は一般に安くなります。大規模になれば、仮設工事などのコストが割安になり、作業の繰り返しによって生産性が向上するためです。また、住宅設備と規模とは必ずしも比例しませんので、キッチンや浴室などの数が増えないとすると、総額に対するそれら必要設備の割合は、規模が大きい程有利になります。規模が大きく共有スペースの多い二世帯住宅などは、かなりお得な建て方といえます。ローコスト住宅では、「大きい家にみんなで住む」、ということも検討すべき課題です。

■ 構造−木造が基本だがLCCの視点も必要

再度金融公庫の統計資料(平成13年度、全国平均)から、構造別のコストを見てみましょう。在来木造で54万円/坪、2×4で58万円/坪、鉄骨造で66万円/坪、RC造で70万円/坪という結果になっています。初期費用の上では、想像通り木造が有利です。
50年のライフサイクルコストで考えるどうでしょう。税法上の耐用年数は、木造で22年、RCなら47年です。これは、平均的な建て方をすれば、RCの方が耐久性の点で優れているということを示しています。
話を単純化して、50年のうちに1回建て替えしなければならない在来木造と、建て替えしなくても良いRCの建設費だけを比較してみます。仮に40坪、上記の坪単価で計算してみましょう。すると結果はRCで2800万、木造は2回分の建設費として、4320万円かかる計算になります。要は耐用年数の短い建築はどんな構造であっても割高になるということです。

■ 建物形状−単純化すると安くなる

形状とコストの関係を、床面積と階高が等しく形状の違うモデルをつくって、実際に比較してみましょう。このモデルでは正方形の総2階が最も表面積が小さくなります。正方形のタイプと壁面積を比較すると、長屋型タイプは壁面積が25%、中庭型タイプだと、壁面積は50%も増えています。平屋建ての場合は、壁面積はおさえられますが、2階建てに比べて屋根や基礎が大幅に増えるので、コスト的にはかなり不利です。また、3階建は、2階建てに比べると基礎や屋根が減りますが、外壁が増え、1階にガレージを設置するなどの特殊条件も多いので、一般的には2階建てに比べ、坪単価ベースで20〜30%程度のコストアップになるようです。凹凸を減らし、形状を単純化すると、実面積が減ることに加え、工事の手間賃も減額出来ます。

 

 

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