コストを左右する因子を知ろう(3)  

 


■断熱−光熱費削減のために

高断熱化には、断熱、気密、断熱サッシ、換気設備などで、かつての住宅と比較すると、3〜6万円/坪程度の費用が余計にかかると言われています。しかし、ライフサイクルコストの低減のためには高断熱化は有効です。35坪の住宅で、高断熱化して年間の光熱費を年10万円程度節約できるなら、増加分は10〜20年あれば回収できる計算になります。費用が回収できる上に、断熱化した分、室内環境は向上するわけですから、投資する価値は充分あります。
高断熱化する際の注意点は、気密化してヒートロスを減らすこと、換気設備を設けること、壁内や天井裏で結露が発生しないようにすることです。内部結露の防止には、通気層を設けるのが効果的です。

■開口部−建設費、光熱費に大きく影響

木造住宅において、木工事についで大きなウエイトを占めるのが建具工事です。近年は、サッシやガラスの断熱化に伴って、外部建具の全体工事費に対するウエイトは大きなものになっています。北欧のように開口部を小さくすれば、イニシャルコストが下がり、冬期の熱損失、夏期の日射取得が小さくなりますが、冬期の日射取得も小さくなってしまいます。日射量の多い我が国では、庇などを利用しつつ、ある程度の開口部の大きさを確保してやるほうが良いと言われています。
熱的な弱点となる開口部の断熱化は、高断熱化の要点です。費用的に厳しくても、複層ガラスは入れておきたいところです。さらに性能を高めたいときは、特殊金属膜が蒸着された「LOW-Eガラス」などを使用します。複層ガラスを使えば、不快な窓面の結露も抑制されます。

■仕上げ−補修可能な材料を

現在、住宅を安く建てようと思ったら、ドアや見切り、フローリング、階段に至るまで、様々な味気ない新建材を組み合わせてつくることになります。クロスや木目のプリントさせたシート貼りの建具は、傷がついたりめくれたりしますが、補修できません。ウレタン塗装された床材も、浴室廻りや掃きだし窓廻りでは塗装が剥げ、黒ずんできますが、手直しは困難です。ややコストはかかりますが、壁はクロスでなく塗装とし、窓枠などの見切り材や床材は、無垢でオイル系の仕上げとしておけば、素人でも簡単に補修が可能です。仕上げ材料は、部分補修、素人補修が可能かどうか、魅力的に歳を取れるかどうかということが重要です。

■設備−必要設備の見極め

とかく設備は過剰になりがちです。小さい住宅では、どんな設備機器・住宅機器を導入するかで、コストは大きく変化します。システムキッチン、ユニットバスなどの高価な機器は、あれこれ夢を見る前に、専門家にどの程度のグレードのものが入れられるか確認した方がよいでしょう。
また、比較的高価な、床暖房、換気システム、各種電化設備、発電装置などは、本当に自分が必要とするものだけを導入するべきです。その設備の耐用年数やLCCについて、調べてみることも必要です。

 

 

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