将来のことを考えよう  

 


■ 長寿命化

ライフサイクルコストの低減のためには、まず、住宅の耐久性を向上させる必要があります。耐久性を高める最低限のルールは、建築基準法、住宅金融公庫の仕様書といった基準に則って施工することです。公庫の仕様書では、主要構造部材の寸法、雨水跳ね返り対策、床下の防湿・防蟻措置、床下や小屋裏などの結露対策、木部の防腐対策など、木造住宅の耐久性を向上させる基準が細かく決められています。

■フレキシビリィティ・メンテナンス

物理的な耐久性に加え、自由度の高い平面づくりは長寿命化にとって大切なポイントです。日本の場合、建築が物理的な寿命を全うする前に、機能不全に陥って壊されてしまうことが多いのです。50年以上のタイムスケジュールで考えれば、バリアフリー化もポイントの一つでしょう。
また、忘れてはならないのが、更新サイクルの短い、設備配管や設備機器の更新への対応です。ピットやPSを設け、設備を集約することなど、設備更新を見越した建築の計画が必要です。 同じく、詰まったりすることのある部分、傷みのはげしい部分は竣工後もメンテナンスや交換ができなくてはなりません。点検口、掃除口を設ける、取り替え可能なようにしておく等の配慮が必要になります。

■ 自然エネルギーの活用

昔の住宅では南北通風をとることは当たり前のことでした。建物に積極的に風を取り込み、かつ抜けるようにすれば、必要以上に冷房を使う必要が無くなります。ランニングコストの低減をつきつめて考えていくと、こんなふうに太陽、風、雨といった、無料で使える自然の恩恵をいかに取り込み、エネルギー消費を減らすかがカギになってきます。大げさな設備を導入しなくても、高断熱化した住宅は、ちょっとした工夫をしてやれば、小さなエネルギーで生活できるようになるのです。
夏は太陽高度が高く、冬は逆に低いので、適切な形状の庇を利用すると、必要な冬の太陽のエネルギーだけを活用することが出来ます。市街地などで大きく庇が出せなければ、葦簀、外付けブラインド、オーニング(可動式のテント)などを使えば、必要なときだけ日射を遮ることが出来ます。
冬の晴天日、昼間、南面窓が太陽から受ける熱量は、窓1uあたり約500ワット。2uの窓が、電気ストーブ1個分に相当する熱量を受けるのです。南面に窓が沢山あれば、日中の暖房は必要としません。何らかの方法で、この豊富な熱を貯めておけば、木造住宅でも大幅なランニングコストの低減が図れます。蓄熱を生かす最もローコストな方法は、コンクリートのような熱容量の大きい材料を、日射によって直接暖めるダイレクトゲインです。寒冷地などでは是非考えたい手法です。
また、格子戸などを利用して、夏場の夜間の外気を充分取り込む「蓄冷」、雨水利用の灌水装置を使った屋上緑化なども、これから考えていきたい技術の一つです。

 

 

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