外壁材の選定
木造住宅では通気層工法が普通のことになっているので、外壁材料は以前よりは自由度が増したはずなのに、相変わらず町中の住宅を見るとサイディングの一点張りです。
木の外壁 防火規制がかからず、メンテもきちんとできるなら、木造住宅の外壁は絶対、木がお勧めです。木部は直接雨掛かりにならないようにします。小口方向からの吸水、反りや暴れに対する対処も必要です。
ラスモルタル 防火性能が必要なら、外壁はラスモル以外には無いという気がします。乾燥期間を充分に取る必要があります。
金属の波板 コストが問題なら金属波板しかないでしょう。フッ素樹脂ガルバリウム鋼板やアルスター鋼板を曲げた物がコストや保証の面から考えるとお得です。ビス頭の出ないスパンドレルは少し高級です。アルミの押し出し成型のスパンドレルは更に高級です。壁面通気層として使えます。
スレートの波板 勇気が無くて使えません。スレートに吹き付け、誰か試してみませんか。
センチュリーボード 三井木材の商品名で、正式名称は木片セメント板です。素地で外壁に使う人がいますが、最低限撥水処理をしておく必要があると思います。小口部の吸水などは塗膜でカバーしないと難しいのでしょうね。
屋根材 屋根と壁の境目がないような形状なら、屋根材を葺き下ろすという手もあります。0.4mmくらいでは必ずベコツキが出ます。屋根は透湿抵抗が高いので、木造住宅では、通気層工法でないと使えません。
フレキシブルボード スレートボードの一種です。神奈川県の近代美術館(旧館)の外壁はフレキシブルボードです。ビス頭の処理と、ジョイント部の処理が問題です。大高事務所の筑波博の仮設建築では、土佐地方の土壁の様に、横目地ごとに比較的大きな水切りを付けて使っていました。
窯業系サイディング 間違っても石風、タイル風、左官風のやつなんて使わない方がいいです。 所詮「〜風」なんですよ。経年変化によって表情や味がでてくることは絶対ありません。ラムダとか、アスロックなどの工業製品なら潔いと思います。雑誌調べでは、大判のサイディングを、濃い色で塗装して、木の押縁でアクセントをつけるといいようです。インターネット調べでは、東レの南京下見風のサイディング(1枚の働き幅が15cm位の、作業性の悪そうなサイディング)が唯一使えそうですが、アーリーアメリカン風にしないように気を付けましょう。やはりダークグレイに着色して使うしかないかな?
イソバンド 大同鋼板の商品名で、薄い金属の間に硬質ポリウレタンフォーム、またはロックウールをつめこんだ金属サンドイッチパネルです。ある程度の剛性が期待できるので、1200〜2000のスパンでつかえます。内装がなくてもいいなら合理的です。
タイル 住宅では、ラスモルタルの上に貼り付けていく方法や専用ジグで引っかけていく方法が採られます。タイル貼り=高級というイメージは何とかならないでしょうか。私は常々、日本人は、タイル貼るのを一切やめた方がいいと思っています。イスラムのタイルやロマネスクのガラスモザイクタイルにはすばらしいものがありが、タイルを打ち込んだ物を除くと、タイル貼りの日本の名建築は殆ど思い浮かびません。
ALC 最近は5cmくらいの薄いものが出まわっていますが、野沢正光さんによるとALCは、本来30cm位厚さがあるものだそうです。断熱も構造も無しで使えるというところが最大のメリットです。ALCは多孔質で湿気を通しやすい材料です。サイディングと同じく、間違ってもタイル模様のやつなんて使わない方がいいです。
コンクリート打ち放し 汚れるとたちまちみすぼらしくなります。打ち放しをやる時は上部できちんと水を切るべきです。安藤忠雄さんの真似をして、笠木無しでパラペットつくるなんてとんでもないことです。撥水材は必ず塗布します。
鉄板 斎藤裕さん設計の「舜居」という住宅の外壁は、溶融亜鉛メッキの分厚い鉄板をつかっています。溶融亜鉛メッキの表面はプラタナスの木みたいな不思議な模様が出ます。