私はこのことを静かに思い巡らし、この作業に携わるようにしばしば私に頼んできた諸兄弟の求めに応じませんでした。しかし、もっとも信頼すべき兄弟マカリオスよ、あなたの力は、拙さも逆らうことができないほど強力なものでした。それゆえ、重く圧し掛かるあなたの要求にこれ以上私が苦しまないようにするために、私の意図に反して、譲歩することにしました。しかしながら、翻訳に際して、次の原則と方式に私は従うことにします。それは、諸先輩、特に私が先ほど言及した人物の規則です。彼は、講話と呼んだオリゲネスの七十以上の小冊子と、使徒に関して書かれた注解の内の幾つかとを、ラテン語に翻訳しました。その際、彼は、それらのギリシア語原文の中に躓きが見出された場合には、翻訳に当たって、そのすべての躓きを削除し浄化し、ラテン語の読者が、私たちの信仰と異なる事柄をまったく見出さないようにしました。ですから私も、雄弁の力においてではなく、規則の適応において、できるだけ彼に従います。すなわち、オリゲネスの諸著作の中に、彼自身(の見解)と異なる事柄や反する事柄が見出された場合には、私は、それらを書き表さないようにします。

 

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