実存哲学

existential philosophy・・・英語

Existenzphilosophie・・・ドイツ語

○実存哲学が成立した時期

フールキエは、『実存哲学(白水社クセジュ文庫)の中で、実存哲学は、古代ギリシアからあったと言っている。これは極端かもしれない。

定説では、19C後半以降に準備され、第一次世界大戦の頃に一つの学派・思潮にまとまった。

主な思想家・哲学者:

S.Kierkegaard 1813~55 ドイツ      

F.Nietzsche 1844~1900 デンマーク

K.Jaspers 1883~1969

M.Heidegger 1889~1976

G.Marcel 1889~1973

J.-P.Sartre 1905~1980

主な傾向・・・必ずしも一概に言えない。

 神に対する態度やキリスト教を考えることなしに、ヨーロッパの思想を語ることはできない。

キルケゴールは、敬虔なキリスト者で、人はいかにして本当のキリスト者になれるかということが唯一の関心であった。本当のキリスト者になるのは、容易ならぬことだと彼は考えている。なぜなら、処女マリアからの誕生、イエスの復活はキリスト教にとって核心的な部分をなすが、非合理的である。人はその矛盾の前につまずいてしまう。しかしそこでつまずけば、人はキリスト者なることはできない。だからキリスト者になることは容易ではない。

ニーチェは、「神は死んだ」。「神が死んだというよりは、神は人間の短剣によって血を噴いて死んだのだ」と言う。彼は無神論者で、神を否定する。

サルトル・・・神がいようといまいと人間には関係ない。彼は神を無視した。

ハイデガー・・・今は神が不在であるGott ist absent. 今、世界は夜である。

以上のように神に対する態度は千差万別

自分の立場を実存哲学とはっきり言ったのは、Jaspersだけである。

Heideggerは、自分は実存哲学者ではないといっている。

Sartreは、自分の思想をExistentialisme 実存主義だと言っているが、彼は、自分の文学上の立場を含めて広い意味で言っている。サルトルによれば、F.Kafka(1883~1924オーストリア)A.Camus(1913~1960フランス)Existentialismeに入る。

 

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