14 「彼は、彼らを男と女に作った。そして、神は彼らを祝して、言った:『あなた方は繁茂せよ、そして、多数化せよ、そして土地を満たし、その中で君臨せよ』[1]」とあります。

この箇所の中で、まだ女が作られていないのに、()文書がどのような意味で「彼らを男と女に作った」と言っているのかを文字に従って探求することは相応しいように見えます。私が考えますには、(神が)彼らを祝福して「あなた方は繁茂せよ、そして多数化せよ、そして土地を満たせ」と言った祝福の故に、(聖文書は)将来する事柄に先んじて、「彼らを男と女に作った」と言っているのでしょう。なぜなら人間は、女と一緒でなければ、繁茂し倍加し得ないからです。ですから、(神の)その祝福が疑いもなく将来すると信じられるようになるために、(聖文書は)(神は)彼らを男と女に作った」と言います。すなわちそのような仕方で人間は、繁茂し倍加することが、女が彼に結ばれたことからの帰結であるのを見て、神的な祝福によって確かな希望を抱くことができました。実際もしも()文書が「あなた方は繁茂せよ、そして多数化せよ、そして土地を満たせ、そしてその中で君臨せよ[2]」と言っても、「彼は、彼らを男と女に作った[3]」ということを付け加えなかったら、ともかく彼は、その神的な祝に対して不信だったったでしょう――マリアが、み使いによって祝福されたときその祝福に対して不信だったように:彼女は、言います:「どうしてそのようなことが起こるのでしょう。なぜなら私は、男を知らないからです[4]」と。

いやむしろ、神によって作られたすべてのものは、天と土地、太陽と月のように、互いに結合され結び付けられていると言われてるのですから、人間も神の業(の産物)でさり、しかも調和や適切な結合なを伴ったものであることが明示されるようにするために、おそらく(聖文書は)先行的に、「彼は、彼らを男と女に作った[5]」と言っているのでしょう。

それらのすべては、文字即して表明され得る質問に対して言われたものです。



[1] Gn.1,27-28.

[2] Gn.1,28.

[3] Gn.1,27.

[4] Lc.1,34.

[5] Gn.1,27.

 

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