16  (あなた方は)大地に向かって角笛を吹き鳴らしなさい」。崇高なみ言葉、聴く者を奮い立たせるみ言葉、聞く者を諸情念との戦いや[1]逆らって働く霊的存在者たちとの[2]戦いに備えさせ、天の祝宴の用意をさせるみ言葉は[3]    たしかにこのみ言葉は、両方のために準備をせよと言われております    、角笛と捉えられております。『民数記』のなかでは、私やその他の(望む)人に――(たしかに)これのことは聖書の理解を望み、それを探求する人にはわかるのですが    「銀の延べ板でできた角笛[4]」を作るように命じるみ言葉は、角笛となっているのです。こうしてみ言葉は、次のように言われるます。「(あなた方は)大地に向かって角笛を吹き鳴らしなさい。そして大声で叫び、こう言いなさい。『あなた方は集まって、城壁に囲まれた諸々の町に入りなさい』と[5]」。神のみ言葉は、私たちが城壁のない町に入ることを望まれません。城壁に囲まれた町に入ることを望んでおられます。「生ける神の教会[6]」は、み言葉の真理によって城壁を張り巡らされているのです。なぜなら『詩編』の第十七編では、神が城壁となっている[7]<ように>、み言葉は城壁となっているのであります。

  (お前たちは旗を)揚げて、シオンに逃げよ」。シオンの外にいるあなた方は、「(旗を)揚げてシオンに逃れよ。急ぎなさい。立ち止まってはならない[8]」。進歩の途上にあるあなた方は、見張り台[9]に向かって急ぎなさい。「なぜなら私は、北から諸々の災いをと大いなる破滅をもたらすからだ[10]」。しばしば言われましたように、北(という言葉)は、敵意を表わしており、その北から諸々の災いがもたらされます。そのとき、急ぎもせず、「城壁に囲まれた町に[11]」入らず、「神の諸教会のなかに[12]」にもおらず、外に立っているのが見つけられた者は、諸々の敵によって捕らえられ、滅ぼされることになるのでしょう。ところで、敵とは誰でしょうか。引き続く個所で、どのように言われているか、私たちは見てみることにいたしましょう。こう言われています。「獅子がそのねぐらから上ってきた。諸国の民を滅ぼすために立ち上がった[13]」。これが、私たちが避けねばならない敵であります。獅子が私たちを追っているのです。この獅子は、何でありましょうか。ペテロが、私たちに教えてこう言っております。「あなた方の反対者である悪魔が、吠え猛る獅子のように、誰かを食いつくそうと探し回っています。あなた方は、信仰を固く守って、この悪魔に抵抗しなさい[14]」。また『詩編』第九編によれば、「彼は、隠れたところで待ち伏せしている。彼は、まるで獅子がそのねぐらに待ち伏せているのように、待ち伏せている[15]」のです。この獅子は、白昼に待ち伏せするのではありません。夜になると待ち構えるのです。実際、『詩編』の第百三編によれば、「あなたが闇を置くと、夜になった。森のすべての獣たちは、夜陰のなかを徘徊する。若獅子は、獲物を求めて吠え猛り、神に自分たちの食べ物を求める[16]」とあります。

 



[1] Cf.Nb.10,9.

[2] kata. tw/n e,nergeiw/n tw/n a,ntikeime,nw/n

[3] Cf.Nb.10,10.

[4] Jr.10,2.

[5] Jr.4,5.

[6] 1 Tm.3,15.

[7] Cf.Ps.17,30.

[8] Jr.4,6.

[9] Cf.Com.Jn XIII, 13, §81; Com.Lament.Jér.fgt 19 (GCS 6, p.242, 29).

[10] Jr.4,6.

[11] Jr.4,5.

[12] 2 Th.1,4.

[13] Jr.4,7.

[14] 1 P.5,8-9.

[15] Ps.10,9.

[16] Ps.103,20-21.

 

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