14 さらに、それらのことが文字に従って遵守されるべきことを私たちが学ぶために、私たちは、次の言葉を付け加えておきましょう。主は、福音の中で言っています:「あなた方、律法学者たち、パイサイ派の人たち、偽善者たちは、わざわいである。あなた方は、ハッカと姫ウイキョウとウイキョウの十分の一を納めておきながら――すなわち、十分の一税を与えておきながら――、律法に属するもっと大切な諸々の事柄を見逃している。それも行われねばならないが、これも省略されてはならない[1]」。ですからあなたは、どうして主の言葉が、律法に属するもっと大切な諸々の事柄が完全に行なわれることを望むばかりか、文字に従って表示された諸々の事柄も省略されないように望んでいるかを一層注意深くご覧ください。しかし、もしもあなたが、それらはパリサイ派の人たちに向けて言われたことであって、弟子たちに言われたことでないと言うなら、主ご自身が弟子たちに言っている次の言葉をお聞きください。こうあります。「あなた方の正義が律法学者たちとファリサイ派の人たちの正義よりも豊かにならなければ、あなた方は諸々の天の国に入らないだろう[2]」。ですから、ファリサイ派の人たちによって行なわれるように主が望んだことを、主はさらに一層大きく、かつ豊かに弟子たちによって成し遂げられるように望んでいます。それに対し主は、弟子たちによって行なわれるのを望まなかったことが、ファリサイ派の人たちによって行なわれるべきだとも命じません。しかし主は、ファリサイ派の人たちが行なう以上に弟子たちが行うようどれほど望んでいるか、次の言葉の中で言明しています。彼は言います:「『あなたは殺してはならない』と、昔の人たちに言われている[3]」。それは、ファリサイ派の人たちも遵守しています。しかし主は、弟子たちに言います:「しかし私は、あなた方に言う。もしも誰かが、自分の兄弟に腹を立てたなら、裁きの場に立たされる[4]」。同様に、「あなた方は姦淫してはならない[5]」と書かれていることについて、主は、自分の弟子たちの正義がいっそう豊かになることを望み、「淫らな思いで女性を見るべきではない[6]」としています。



[1] Cf.Mt.23,23.

[2] Mt.5,20.

[3] Mt.5,21.

[4] Mt.5,22.

[5] Mt.5,27.

[6] Mt.5,28.

 

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