次に、レビの子らが三つの位階[秩序]に分けられ、それぞれの位階が部族の長たちの諸々の名前の下に調べられたとき、それらの事柄においても、幾つかの違いは、諸々の神秘なしに記載されているわけではありません。実際、ケハトの子らの位階は第一の位階として記述されていますが、それは当然です[1]。なぜならケハトの子孫には、モーセとアロンがおり、彼らに祭司職の最高位が委ねられたからです。実際、「彼からアムラムが生まれ、アムラムからモーセとアロンが生まれた[2]」とあります。第二の位階は、ゲルションのそれです。彼は、生れでは第一位でしたが、位階において第二位を占めました。聖書も、そのように言っています。「レビの子らは、ゲルションとケハトとメラリ[3]」。しかし、ケハトの子らから、さらに二つの位階が出ています。すなわち、一方はアロンの子孫の人たちで、祭司職を任され[4]、他方は、祭司たちに仕えることが命じられています[5]。それゆえ、レビ人たちの諸々の職務は四つに分けられます。すなわち、アロンとその子らは祭司職に携わり[6]、ケハトの残りの民は、「諸々の聖なる物の諸々の聖なる物」をその肩で担うことになっています[7]。「の幕屋」やその部屋に関わる諸々の事柄、「諸々の表皮」や「数々の掛け物」、あまり硬くなく、担ぐには軽い任意のものを、ゲルションの子らは、管理することになっています[8]。他方、幕屋の「諸々の柱」や「その諸々の台」、「諸々のかんぬき」を、メラリの子らが担うことになっています[9]。それゆえ、彼らが調査されるとき、聖書は、メラリの力が調べられねばならないと意味深く述べています。確かに、その種の荷物を担ぐには、力が必要です。



[1] Cf.Nb.4,2.

[2] Cf.Nb.26,59.

[3] Nb.3,17.

[4] Cf.Nb.3,4.

[5] Cf.Nb.3,6.

[6] Cf.Nb.3,3.

[7] Sancta sanctorum; cf.Nb.4,4; 7,9. オリゲネスは、本講話II,5(後出)で、sanctasancta sanctorumの区別を取り上げている。それゆえ、訳者(朱門)は、sancta sanctorumを愚直に「諸々の聖なる物の諸々の聖なる物」と訳す。訳者が、オリゲネスの一連の作品の訳出に際し、複数形の語に、煩雑さを恐れず敢えて「諸々の」ないしは「数々の」という連体詞をつけているのは、そのためである。

[8] Cf.Nb.4,24-28.

[9] Cf.Nb.4,29-33.

 

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