私の友人等、あるいは私の体験談による、身の毛もよだつような、本当にあった怖いお話です。。。
少し物語風にアレンジしておりますのでご了承ください。ただし、話の内容は、多少プラスアルファはあるにしても事実に基づいております。。。
お話は東北地区に集中いたしますが、登場する場所等は実名で実在いたします。

※ただし、登場人物の名前は全て仮名とさせていただきます。なお、お読みの際、何が起きても責任は持ちかねます。。。


  
  1. 1.招き寄せる白い手
  2. 2.トンネルの恐怖
  3. 3.関山峠の怪
  4. 4.浮かぶ女
  5. 5.押さえつける手
  6. 6.鶴岡市・油戸
  7. 7.上山市・不動滝
         









留美が・・・

8年ほど昔のことになるだろうか・・・
日本海に面した酒田市。
その酒田北港は、夏になれば夜は若者たちの溜まり場となる。ナンパ、走り。。。どこの海岸もそうだと思うが、夏になると海には自然に若者が集まってくる。
ここはレースコースとしてももってこいの場所で、当然事故が多いのも事実だった。

蒸し暑い夏の話・・・
高志と弘明と康介、そして高志の彼女の留美は、暇を持て余しつつ、いつものように北港に向かった。
高志が運転し、他のみんなは車の中で一杯。。。特に留美は酔っていて、箱乗りしだすはわめきだすはで、落ち着かせるのに一苦労だった。
ちょっと高志と喧嘩したらしく、少し情緒不安定だったらしい。

北港に入り、いつものように100キロ以上のスピードで直線を走り、ドリフトを駆使しながら暴走していた。
周りは若い連中で溢れ、走りを楽しむ者、あちこちでナンパしたりされたり。。。いつもの情景だった。
暇つぶしの暴走。。。いつも数周回り、飽きたところで帰路につく、そんなとこだっただろうか。

留美は箱乗り状態で歓喜していたが、さすがに酔っていることもあり、高志が一喝したが、一向に耳を傾けるでもなく、高志も呆れ果てて注意することを止めた。
最初の頃は弘明と康介もおもしろがって野次馬のように留美を煽っていたが、さすがに高志の彼女ということもあって、最後には注意するようになだめはじめていた。
しかし、すっかりハイになっている留美にとって、そんなことが耳に入るような状態でもなく、仕方なく彼女が疲れるのを待つことにしたのだった。

4周くらいした頃だっただろうか・・・。
留美が変なことを言い出した。
「ねえねえ、さっきから気になってるんだけど、あそこの電柱に手が見えるんだよね〜。白い手で、おいでおいでってやってんの〜。」
誰もが「この酔っ払い!」と思ったのは言うまでもない。
コースの途中に直角のコーナーがあり、そこにある電柱に白い手が見えると言うのだ。

「はいはい。分かったからそろそろ座れよ!お前相当酔ってるみたいだな?!いいかげんにしとけよ!」
高志が留美に言った。

しかし、留美は不機嫌そうに、
「ほんとだよ〜本当に見えたんだから〜!!じゃあ、今度あそこに来たときにみんなで見てみなよ〜!!」
と半分怒っていた。

半信半疑だったが、とりあえず3人は見てみることにした。しかし、次の周回でも高志たちに白い手を確認することは出来なかったのだった。

「ほら〜!見えたでしょ!?」
留美がみんなに同意を求めたが、みんな呆れ果て無視することにした。
「なによ〜!ただの酔っ払いと思ってるでしょ〜!!嘘じゃないよ〜!!本当に見えるんだもん!!じゃあ、今度あそこに行ったとき電柱に近づけてよ!手を引っ張るから!!」
留美は半泣き状態でみんなに言った。

「分かった分かった、だから泣くなよ〜」
さすがにみんなも可愛そうに思ったが、でも、酔っ払いの言動と信じはしなかったが、次の周回に電柱に寄ってあげることにした。
高志をはじめみんなが留美を落ち着かせることだけを考えていた。

これが、悲劇の始まりだった。。。


・・・・・・電柱が見え始め、留美が車から乗り出している。
留美が納得いくように高志は車を電柱に近づけた。
それほど近くに寄ったはずではなかった。。。

しかし、近づいた瞬間、留美が視界から消えた。。。
そして、
「ゴォン!!」
という鈍い音が聞こえた。

3人とも何が起こったのか飲み込めないでいたが、留美が車に乗っていないという事実にびっくりして、車を急停止させ留美がどこにいったのか確認しようとした。
3人が電柱の辺り駆け寄ったとき、全身が凍りついた。
地獄とはまさにこのようなところを言うのだろうか。電柱の下は血の海で、その真ん中に女性が横たわっている。。。
血は電柱から数メートル離れた電話ボックスにまで飛び散り、
一番凄惨だったのは電柱で、髪の毛が頭皮ごとらせん状に蒔きついていた。。。
血の海の中央にいるのが留美であることを認識するまで、それほど時間はかからなかった。。。
しかし、3人ともその場に立ち尽くし、目の前の惨劇に驚愕するしかなかった。。

・・・・やむなく、警察が到着し、3人は取調べを受けることになった。。

しばらく警察の事情聴取を受けつづけ、3人はへとへとになった。
実際、どうして自分たちが警察に取り調べられているのかさへ定かではなく、留美が死んだのだということも現実として受け止められずにいた。
ましてや、白い手が見えたので・・・などと経過を話したところで信じてもらえるはずも無く、何を話したのかさへ記憶に無かったという。
幸か不幸か、3人ともプータローで、仕事に影響する以前の話であったし、
留美がかなり酔っていたという見識から、車から体を乗り出して電柱に激突死という事故ということで落着したのだった。
しかし・・・
1つだけ警察にとっても不可解なことがあった。
仮に留美が車から体を乗り出して電柱に激突したとして、留美が電柱に激突すべきエリアよりさらに上部に激突していたということ。。。
車からジャンプしたとも考えられず、
最終的には風により髪の毛が巻上げられ電柱に絡みついたためという見識を示すしかなかった。
でも、髪の毛がらせん状に電柱に蒔きついて、あたかも何かにひっぱられたような感じだったのだが。。。


電話

・・・・・・・・・・しばらくして、留美の葬儀に日となった。
3人は葬儀に出ようにも出られず、その日は1日高志の家に集まり途方にくれていた。
弘明と康介は、仮にも彼女を失った高志を慰めるために、いろいろと気を使い話題を提供したのだが会話は続かず、いつしか沈黙の時間になっていた。。。

「トゥルルルルルルルル・・・・」
突然、沈黙を破り電話の音が高志の部屋に鳴り響いた。

「もしもし?」と高志は電話の対応を始めた。
弘明と康介は、久しぶりに高志の声を聞いたことと沈黙という重苦しい時間が終わったことで少しだけほっとしたのだった。
しかし、また重苦しい時間に戻る。。

高志の顔が急に険しくなり、
「もしもし?!お前、誰だよ!?ふざけんのもいいかげんにしろ!!」
と荒々しく受話器に怒鳴り始めたのだ。

「おいおい、どうしたんだよ!?」思わず弘明が高志に尋ねた。

「この電話の奴さ、留美だって言いやがる。ふざけてるにも程がある!俺に対する嫌がらせだ!!」
と高志は言った。

「はははは!そんなの軽く流しとけよ〜!いちいち真面目に相手なんてしてたらバカらしいじゃねーか。」
と、楽観的な康介が高志に諭した。

「そうだな・・・逆にこいつに話しに合わせてやるのもおもしろいかもな。」
高志は電話の主に合わせた会話を始めた。

弘明と康介は安堵したようにお互い苦笑した。

「で、・・・お前、今どこにいるんだよ??」
高志は調子に乗り始めていた。
しかし・・・次の瞬間、・・・・

『あんたの頭の上・・・・・・』
と、電話の主が言った。。。。。

「はあ?何?俺の頭上〜?? ふざけて・・・・」
高志は、弘明と康介の異様さにはっとした。
弘明と康介は高志の頭上を見上げたまま顔が引きつっている。。。

「お、おい。。。お前らふざけんなよな。」
高志は2人にそう言ったが、2人とも怯えた表情で高志の頭上を指差していた。。
おそるおそる高志は頭上を見上げた。

・・・・そこにあったのは、血だらけの留美の顔だった。。。。。
顔半分が潰れ髪の毛も一部分無く、哀しそうに、3人を見つめているのだった。。。

3人とも上を向いたまま身動きも出来ず、喋ることさえ出来なくなった。金縛りである。

『・・・どうして・・・どうして・・・来てくれないの?・・・』
留美は、そう言うと、スゥ〜っと消えていったのだった。。。。

・・・・・・どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。
3人はしばらくの間放心状態で、お互い見つめあいながらもなかなか現実に戻れなかった。。。
しかし、
「留美ん家へ行かなきゃ。」
この高志の一言で呪縛から解放されたように3人が立ち上がり、そして留美の家に向かったのだった。。。


うわさ

留美の事故から変な噂が広まった。。。
あの電柱の近くにある電話ボックスで、血まみれの女性が電話をしてるという噂。。。。
また、夜にその電話ボックスで電話をかけようとすると、突然公衆電話が鳴り出し、受話器を取ると、女性の悲しい泣き声が聞こえだし、電話ボックスから血が流れ出すという噂。。。。
あまりにもそんな噂が広まりすぎ、さすがに現在は、その電柱も電話ボックスも撤去されている。。。

余談だが、
あとで聞いた話なのだが、
北港には昔から、白い手が巻き起こす事故の話があったらしく、事故を起こすのは決まって白い車だということ。。そして、犠牲になるのは必ず女性であるということ。。。。

・・・・高志の車も白であった。

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国道112号線。庄内と山形を結ぶ月山新道と呼ばれる区間がある。
文字通り、月山という山越えの道になる。道路的には開通して10年くらいとそれほど古いものではないのだが、無数のトンネルが存在する。
これは、そのトンネルの中で一番長い月山第1トンネル(全長2.4Km)での出来事である。

私の妹から聞いた話だが、身も凍る体験をされた友人がいるという。

その日、鶴岡市に住む典子は、学生時代の友人と会うために仙台に遊びに行き、帰路についたときにはもう暗くなっていた。
友人との久しぶりの再開に話が盛り上がり、ついつい時間がたつのも忘れて思い出話に盛り上がっていたのだった。
山形に入り、月山新道に差し掛かったのは夜の11時も過ぎた頃だっただろうか。
とかく山道というのは夜は走りたくないもの。ましてやトンネルなどは昼でも薄気味悪く、できれば避けて通りたいと思うのが人間の心理ではないだろうか。
しかし、月山第一トンネルに至っては、距離は長いものの、近代的なトンネルというイメージで照明も整備されているのでそれほど怖いという感じではない。
夏も終わろうとしていた残暑厳しいその日、夜も蒸し暑く、典子は窓を開けたまま運転していたのだった。

第一トンネルにさしかかり、
(もうすぐ家に着くな・・)
そんな安堵感さえあったが、生暖かい空気と静かさがなんとなく嫌な雰囲気を漂わせていた。

トンネルの中間辺りに来て、典子はで異常な寒気を感じ、思わず車内を見回したが、何も変わらない様子。
しいて言えば、後ろから車のライトが近いづいてきていることだけだった。
まあ、いくら暑い夜とは言っても、トンネルの中は温度が低いので、その時はそれほど気にしなかった。
しかし・・・異様な感じは抜けず、ついには睡魔まで襲い始めていた。

突然!
「ブッブッブー!ブッブー」
いつの間にか後方に近づいてきたトラックがクラクションを鳴らした。
典子はびっくりして慌てて我に返り、何事がおきたのかと狼狽していた。
「ブッブッブー!ブッブー」
しかし、トラックはクラクションを鳴らしつづけている。
しかたなく、典子はトンネルの節々にある折り返し場所に車を寄せ停止させ、同じように後ろのトラックも停車させた。
(いったいなんなの?!)
クラクションを鳴らされて気分が良いわけも無く、半分怒りにも近い感情で降りてきたトラックの運転手を見ていた。

「おねえちゃん!あぶねーよ!気を付けね-と!!」
30代前半の背の高い運転手はそう言ったが、典子はいったい何のことなのかさっぱり分からない。
「どこか、私の車に異常なところがあったんですか?」
典子はそう聞き返した。

「異常も何も、おねーちゃんの車に人がへばりついててよ、助手席の窓から人が乗り込もうとしてたんだよ!」

(え・・・・!?)
典子はしばらく何を言っているのか理解が出来なかった。

「いや〜、怖がらせるみて-で悪いけどよ、俺少し霊感あんのよ。そんで俺も長距離やってっからいろいろおっかね-目にはあってっけど・・・、おねーちゃん、トンネルの中は窓開けて運転しね-ほうがいいぞ?!トンネルってのはやたらと霊が集まってくる所だからよ。」
運転手はそう言うと、典子の車の助手席側を調べ始めた。

「まじ???うそでしょ??」
典子は担がれているようで半信半疑だったが、
「ほら、ねーちゃん。ここみてみろよ」
と運転手が言うので、行って見ると、
なんと!・・・・助手席側のドアに無数の手の跡がついていたのだった。。。。。。

典子は恐怖のあまりその場で泣き出してしまった。

典子は、そこからは運転手にお願いして、家の近くまでそのトラックに後ろについてもらい、帰路についたのだった。。。。
典子は運転手にお礼を言い別れたが、素性を聞き忘れてしまい、その運転手が何者なのかは定かではない。

しかし・・・もし、あの運転手が気付いてくれなかったら・・・・・・・・・・

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山形県天童市から車で約1時間のところに関山峠があり、ここに関山トンネルがある。

関山トンネルは、山形県と宮城県の丁度県境に位置し、昭和30年代に開通した国道48号線の中にある。
ツーリングのコースとしても有名で、関山トンネル自体も緑の中に囲まれた極普通のトンネルなのだが、
見通しが悪いというわけでもないのに事故が多く、また恐ろしい霊体験をした人がやたらと多いのである。。。
特に旧道(国道48号線開通前の)の旧関山トンネル付近は怪奇現象が多発し、
あまりの多さに山形県側でも旧トンネル入り口に、
「ここは異常現象が発生しますので、立ち入りを禁止します」
という、公的な看板を立てたほどである。
もっとも、国道の開通のおかげで、旧道は荒れ果て、トンネルもその立て札も埋まってしまっているような状況だが、
近くには卒塔婆と交通事故の慰霊碑がおいてある。。。。。
ここでは、関山峠でおきたという、私が聞いた恐ろしい霊体験を2つほど紹介しよう。

タクシー運転手の霊体験

特に怪奇体験談が多いのはタクシーの運転手で、まずは良く聞く話だが、最初に仙台市のタクシー運転手をしていた村上さん(仮名)の体験談に触れてみよう。。。

午後11時過ぎ、村上さんは山形から仙台へ戻るために車を走らせていた。
関山トンネルに入る少し手前で、一人の女性が手を上げて立っている姿を発見し、
(なんでこんな時間にこんな場所に??)
と、不信に思いながらも、村上さんはタクシーを止め、その女性を乗せた。
「どちらまで?」
と女性に尋ねると、
「作並温泉の○○病院まで。。。」
と言い、後部座席に座った。
村上さんはなんとなく違和感を感じながらも、そのまま関山トンネルを通って、
女性が言った作波温泉の病院にタクシーを走らせたのだった。

・・・病院につく頃になり、
ふと後部座席を見た村上さんは目を疑った。。。
今まで座っていたはずの女性の姿がどこにも無い。忽然と姿を消してしまったのだから。。。
村上さんに気付かれないようにこっそり降りるなんて不可能だ。
村上さんは慌ててタクシーを停車させて後部座席を確認してみると、ぐっしょりと濡れていたのだった!
村上さんは恐ろしさのあまり慌てて仙台の営業所まで戻ったのだと言う。

同じような体験は、村上さんの仲間内のタクシー運転手も多く経験していて、
「子どもを連れた若い女性だった」
とか、
「赤ん坊を背負った女性だった」など、幽霊らしき女性の容姿に多少の違いはあるものの、パターン的にどの幽霊も関山トンネル付近で乗車し、いつの間にか消えてしまうのだと言う。。。。。

トンネル内の怪

徹はよく仲間とバイクでツーリングに出かける。
この日は天気が良く新緑の時期でもあったので、ツーリングにはもってこいの日だった。
国道48号線を走る車はそれほど多くなく、徹は友達の拓也、晃司の3人で、天童市から仙台に向かってバイクを走らせていた。
緑の木々が目に光ってまぶしいほどの快晴であった。

しかし、関山峠に差し掛かった途端、今までの天気が嘘だったかのように、突然霧が出始めたのだった。。。
(こんなとこでいきなり霧がでるなんて変だぞ?!)
と思いつつ、3台のバイクは縦一列に並んで関山トンネルの中に入っていった。
その瞬間!
徹は自分の背中に何か重いものでもおぶさったような感じを受け、首筋が妙にヒヤっとした冷たさを覚えたのだが、特に走りに支障があったわけでもなくそのまま走りつづけた。不思議なことに、その違和感はトンネルを抜けるとあっさりと消えてしまったので、徹は特に気にもしなかったのだった。
だが、その直後、すぐ後ろを走っていた拓也が寄ってきて、
「おい!今、お前の背中・・・誰か乗ってなかったか?!」
と言い出したのである。
さすがにさっきの感触を思い出してしまった徹はギクッとした。
しかし、そんなはずがあるわけないと聞き流し、
「拓!お前脅かすんじゃね−よ〜」と軽く拓也の頭をこずき、その時は再びツーリングを開始してそのまま仙台に向かったのだった。

・・・3人が仙台から帰路につき、関山トンネルを通ったのは夜の11時ごろだった。
この時も、朝と同じで、関山峠付近は濃い霧が立ち込めていた。
朝の何とも嫌な感触を思い出してしまった徹は何となく嫌な予感を感じたが、
かといってこのトンネルを抜けなければ家に戻ることも出来ず、
(気味わり−な。。。さっさと抜けてしまおう)と少しスピードを上げた。
振り返ると、友達2人のバイクも何事もなく後ろについてきているので、少し安心したこともあり、
徹は勇気を振り絞って関山トンネルへ突入していった。

その途端!
「ズシン!!」
・・・朝よりもずっと大きな重量が徹の背中に覆いかぶさってきた!
「お、おい!なんだ!?何がおこったんだ!?」
予期せぬことに狼狽しながらもバイクを走らせつづけていた徹だったが、
次にわき腹辺りを締め付けられるような感触も感じ、もはや勘違いで済まされる状況ではなかったので、
友達に異変を知らせようとバックミラーを除いた。。。

!?

・・・・覗いたバックミラーには、
顔が真っ白で頭から血を流した女性が、自分の背中にしっかりしがみついている姿が映っていたのだった!
さらに、おそるおそるわき腹の辺りを見ると、真っ白い手が2本伸びてきている。。。。!!!

「うわあああぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」

徹はそれ以上バイクをコントロールすることが出来なくなり、そのまま転倒し、転倒しながらトンネルを抜け出たような状態になった。
さいわい、徹はかすり傷程度でバイクも大きな損傷も無く済んだのだったが、
後ろから来た拓也と晃司の2人は慌ててバイクを止め、徹の元に走り寄ってきて、
徹が無事であることを確認するや否や、2人とも恐怖で声を震わせながら訴え始めたのだった。

「お、おい、お前の背中に・・・・・・・!!!!」

しかし、徹にその言葉は届いておらず、2人の後方・・・つまりトンネルの方を見て怯えている。。。
恐る恐る振り返った2人の目にも、徹と同じ者が見えていた。
トンネルの中で、
徹の背中に乗っていた血だらけの女性がじっとこちらを恨めしそうに睨んでいる!

3人は、それからどうやって家にたどり着いたのか、まったく覚えていないと言う。。。。

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仙台市八木山橋付近で起きた信じられない話である。
もう10年以上昔の話であるが、友人の由紀(仮名)の体験談である。

仙台の夏は短い。。。。
この話はその短い夏の終わりの出来事である。

当時、由紀はバリバリのヤンキーで、彼女は夜になると、いつも彼氏のバイクの後ろに乗り、流しに行っていたのだった。
その日の夜も、暇を持て余し、スピードの中に快感を求めるかのように、2台で流しに行っていた。
1台は由紀とその彼氏。もう1台は由紀の友達の香とその彼氏。香の彼氏を見たのはその日が初めてだったが、
かなりラブラブなようで、由紀たちの目の前で余裕でキスしていたほどだった。
半分呆れながらも、少しだけ羨ましかった由紀は、さりげなく彼氏の背中にぎゅっとしがみついた。

夜の12時ごろだろうか。
2台はちょうど八木山付近を流していた。
八木山橋まで来たところで、4人はバイクを止め、暗闇の中水銀灯でかすかに見える橋の下を覗いたりしながら、しばし時間をつぶしていた。
ここ八木山橋には少なからず怖い話があり、4人は噂に聞いていた怪談などを話しながら盛り上がっていたのだが、
時間も時間であるし、時折会話が途切れた時の不気味なまでの静けさが4人を不安にさせるのだった。
余談になるが、この橋には飛び降り自殺者も少なからずいて、前前から若い女性の幽霊の噂があった。
そして女性の幽霊に遭遇しているのは全てカップルであること。
恋愛関係のもつれかなにかで飛び降り自殺した女性の霊なのだろうか。。

「よし!そろそろ行こうぜ。」
さすがに少し怖くなってきたのか、由紀の彼氏が言い、さっそうと4人はバイクに乗り込んだ。
そして、由紀の彼氏がエンジンをふかしはじめた。
と同時に、突然ものすごい轟音が響き始め、何事がおきたかと由紀と彼氏は顔を見合わせた。

「ブォオオオォォーン!!ギュオオオォォオオーーン!!!」
音は後ろから聞こえてくるので2人は振り返り見てみると、
香の乗ったバイク・・・香の彼氏がアクセル全開にしているのか、凄まじい爆音が鳴り響いていた。
「なにやってんだよ!うっせーな!」
と由紀の香は怒鳴ったが聞こえている風でもない。
逆に香の彼氏もなにが起こっているのかというような感じで慌てふためいているようだった。

しかし、問題なのは後ろの方で何かをわめいている香のほうであった。
女性の高い声はバイクの爆音にも負けないくらいに響くのだろうか?
「何わめいてんだよ〜?!香の奴」
そう思った瞬間!・・・・由紀は驚愕した!

由紀の目に、空中に浮かぶ、髪を振り乱したものすごい形相の女の姿が映ったからである!
そしてその女は、香の髪を引っ張っていたのだった・・・・・!!
しかも、信じられないことに、バイクの後部が宙に浮かび、
その勢で空回りし煙を吐き出しながら爆音を上げていたのだった。

・・・そして、呆然としていた由紀と彼氏の目の前で恐ろしいことが起こりつつあったのだった。
髪を引っ張られていた香の体が、徐々にのけぞりながら倒れ、
引っ張られないようにとふんばっていた分、ついに空回りしていた後部タイヤの下に転げ落ちてしまったのだった。。。。
この異様な状況下でも、香の彼氏はまだ気付かず、ひたすらアクセルを回していた。。。。
そして最悪の結末となる。。。。
香の体が、から回りの後部タイヤ下に転がり落ちたのとほぼ同時だった。。。
砂にはまったような、何かを削るような音とともに、・・・・香の彼氏の乗るバイクが急発進した。。。。

突然のことでバイクをコントロールできず、香の彼氏はすぐに転倒した。

彼氏の方はほとんど無傷であったが、香はそのまま目覚めることは無かった。。。。。。
香の頭部は見る影も無く、即死状態だった。。

・・・・・結局、警察でありのままを話したものの信じてもらえるはずもなく、
事故は過失として片付けられた。
香の彼氏は少年院送りとなった。。。。

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これは私(JUN)の体験談です。
それほど怖くは無いと思いますが、私は怖かった。。。。(爆)

私は霊感が結構あるほうなのか、
とにかく、高校時代辺りまでは頻繁に金縛りに襲われていたし、夢とも現実とも付かぬような体験もある。
金縛りについては、一般的に疲れからくるという定説があるが、必ずしもそれだけではないと、私は思っている。
私の場合、遠出をした時に限り、宿泊先などで必ずと言ってよいほど金縛りと、ある種の恐怖に襲われていた。もっとも20歳を前後して金縛りはおさまったのだが。。
ある種の恐怖とは?
夢か現実か定かではないので何ともいえないのだが、
枕もとにセーラー服姿の女の子が座っていたとか(首から上が見えなかった)、
目の前に鬼のような目玉が睨んでいたとか、
耳元で突然不気味な笑い声が聞こえたかと思うと「我慢できるかな〜」とか言ってくる何かがいたり。。

しかし、この話は夢でないことは確かである。
あれは私が結婚する前・・・・今から6年位前のことだろうか。
20代半ばで、久しぶりの金縛りに遭遇した。
ふと息苦しくて目がさめたときには、既に金縛りにかかっていた。

そして、驚くことに、部屋中を無数の白い手が泳いでいる....!!
かろうじて頭だけは動くのだが、他は全然動かない。
そして、白い手の群れが目の前から消えた。
同時に、
体中に電撃が走った。
一斉に私の体を押さえつけ始めたのである!
体中に手で抑えられている感じがはっきりと分かり、
恐怖どころの話ではなかった。
私は恐怖から逃れるために必死だった。しかし、身動きどころか声さえ出ない。

その時、階段を下りてゆく音が聞こえた。
となりの部屋に寝ていた妹がトイレに向かうようだ。
時間は午前2時10分・・・・頭だけが動かせたので確認は出来た。
(やった!チャンスだ!)
とばかりに、私は妹に助けてもらおうとした。

!!!

・・・しかし、
肝心の声が出ないのである。
(うそだろ!?)
私はマジであせった。そしてあざ笑うかのように、押さえつけている無数の手たちが、
私の体をくすぐり始めた。
(ちくしょう!ふざけんな!)
・・・恐怖の方が強くて、笑うなんて感情はなかったし、何よりも声が出ないことが悔しくて仕方が無かった。

妹がトイレから戻り、階段を上る音が聞こえてきた。
・・・しかし、やっぱり声がでない!

(やばい、まじでやばいぞ!)
本当にあっちの世界に引きずりこまれそうな恐怖に煽られ、無意識的に私は心の中で念じ始めていた。

「オン ア ビラ ウン ケン!  リン ピョウ トウ ジャ カイ チン レツ ザン ゼン!」
何かの本で覚えた修験者の経文である。

「リン ピョウ トウ ジャ カイ チン レツ ザン ゼン!」
この9文字を何度も何度も繰り返し心で念じた。
・・・・・必死だった。

効果があったのかどうかは定かではないが、
押さえつけている手の感じが徐々に消えてゆき、
体が動くようになったのと同時にすっかりと消え去ったのだった。
ふと時計を見ると午前2時20分。。。
金縛りからわずか10分だったなんて
私は疲れ果てて、まさに精も根も尽きたと言う感じで、そのまま意識を失うかのように深い眠りに入ったのだった。。。

翌朝、不快な気分で目を覚ました私だったが、その出来事はしっかりと覚えていた。
洗面所に降りてゆくと妹がいた。
すぐさま、2時ごろにトイレに起きたかどうかを尋ねた。

「うん。行ったよ。起きたと言うか、2時ごろに寝たから。寝る前だね」

私は記憶が蘇りぞっとした。

金縛りは今でも時々あるが、さいわい恐怖は伴わない。
というか、あの時の恐怖で鈍感になっているのだろうか?
しかし、あんな体験は最初で最後であって欲しいものだ!
信じられないような本当にあった私自身の体験談です。(マジ怖かった。。。)

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山形県鶴岡市に油戸といところがある。
丁度加茂と由良海岸の辺りに位置し、ここをつなぐ「油戸トンネル」では、数多くの霊現象が起こっており、心霊スポットとしても知名度の高い場所である。このトンネルは、寂しい山道の中にあり、狭くて昼でも薄暗く、なんとなく嫌な雰囲気を漂わせている。
昭和の初期のこのトンネル工事の際の事故による悲劇が関係しているのか?ただ、「トンネル」という空間には霊が住み着きやすく霊界と人間界を繋ぐポイントであるような場所であるため、全国的にトンネルの怪奇現象の事例が多いのは事実である・・・

怪奇ファイル@

ある夏の日のこと。
利雄と麗子はドライブがてら、鶴岡から由良海岸に向かおうとしていた。
すでに夜も午前0時に差しかかろうとしていたころだったが、2人にとってはまだ早い時間のほうであった。
由良に抜けるためには、当然トンネルを抜けなければならない。
丁度、トンネルの差しかかり、なんとなく不気味な感じを受けつつも、二人はトンネルの中に入っていったのだった・・・

「こんな話知ってる?このトンネルでクラクションを鳴らすと幽霊が出るんだって。」
利雄が話を切り出した。

「ちょっとやめてよ〜!!」
真面目に怒り出した麗子だったが、かまわず利雄は話を続けた。

「なあ、試しにクラクション鳴らしてみようか?」
麗子を脅かすようにわざと笑いながら言った。

「止めて!絶対いや!!1」
麗子は半分泣き出しそうになっている。それでもかまわず、

「大丈夫だよ〜!幽霊なんているわけないじゃん!」
そう言うと、利雄はクラクションを鳴らそうとした。

!?・・・ところが、鳴るはずのクラクションが鳴らない。。。

「え!?なんで??故障かな???」
利雄は何度もクラクションを鳴らそうと押してみたのだが、音が鳴らない・・・!

「ち、ちょっと!?冗談はやめてよね〜!?」
麗子は今に泣き出しそうに声をふるわせながら利雄に訴えた。

「ばか!本当に鳴らないんだって!」麗子に更に追い討ちをかける。
半分あせりだした俊夫だったが、それでも何度もクラクションを鳴らそうとしていた。

ガクン!!!

・・・突然、トンネルの半ば辺りで車がエンストを起こし止ってしまったのだった。
利雄はエンジンをかけてみようと何度もキーを回してはみたのだが、エンジンがかからない!?

「おいおい。嘘だろ〜頼むよ〜かかってくれよ〜!!」
不安と恐怖が二人に襲いかかっていた。麗子は泣き出していた。

ドン!!!

・・・2人の時間が止まった。見えない恐怖に支配されつつあった。
突然、車の上に何かが落ちてきたのだった。・・・しかし、それが何なのか確かめようにも2人は硬直して動けずにいた。

「いまの・・・なに?!」
泣きながら言うと、麗子はふるえながら利雄にしがみついた。
不気味に静まり返ったトンネル・・・今度はどこからか足音が近づいてくる!こんな時間にトンネルを歩いている人間がいる!?
利雄は慌てて再度エンジンをかけようとした。

次の瞬間!

ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!!!!!!・・・

フロントガラスに無数の赤い手の跡が・・・!

「きゃ〜〜〜!!!」
「うわぁ〜〜!!!」
二人は抱き合ったままそのまま動くことが出来なかくなってしまった。

・・・どのくらい時間が経ったのだろう?

ブッブー!ブッブー!!!
と突然車のクラクションが鳴り出したかと思うと、同時にエンジンもかかりだしたのだった。
呪縛から解き放たれたように2人の体は動けるようになった。

2人はともかくトンネルを抜け出すために、車を急発進させたのだった。
トンネルで起きたことが夢だったのか?現実だったのか?・・・


怪奇ファイルA

洋一は夜の海岸を流すためにドライブに出かけた。
いつもの道をとおり由良に向かったのだった・・・
トンネルまでの間は山道で静かな上に寂しく不気味である。めったに対向車もない。
洋一は音楽を聞きながら車を走らせていたのだった。

ふと、前に人影が見えた。
白い服を来た老婆が路肩座っている姿だった!?

「なんなんだ?こんな時間に・・・あのばあちゃんなんであんなとこ座ってたんだろ!?道にでも迷ったか?」
洋一は、なんとなく違和感を感じつつも、サイドミラーに映る老婆を気にしつつもそのまま車を走らせた。

!?

ところが、不思議なことが起こったのだった。
いつまでもサイドミラーに老婆が映っている!?

「え!?どういうことだ?!」
洋一はスピードメータを確認したが60キロは出ている。洋一は動揺した。

・・・一番おかしいのはサイドミラーに映っている老婆が正座したままだということ・・・!

「なぜだ!?」
洋一はだんだん怖くなってきて、サイドミラーに映る老婆を消し去ろうと車のスピードを上げた。

・・・しかし、老婆の姿は一向にサイドミラーから消えない!

洋一はパニックになり、更にスピードを上げたが、それでも老婆の姿は消えなかったのである。

「お、おい・・・!?いいかげんにしてくれよ〜!」
洋一はさらにスピードを上げ、スピードメータは100キロまで上がっていた。
しかし!
それでも老婆の姿は消えない!正座したままの姿であるにもかかわらず!
そして、なんと正座したままの老婆が、逆に洋一の車に追いつき始めたのである!

「うわ〜〜なんなんだよ〜!!!」

見る見る近づいてくる老婆の姿が大きくサイドミラーに映し出される!!
そして・・・正座したまま老婆は洋一の車を追い抜き、
トンネルの中に消えていったのだった・・・

洋一は恐怖のあまり、その日はトンネルの手前でUターンして、そのまま家に帰ったのだった・・・

私たちの間で広まった、「100キロババァ」の噂である・・・


怪奇ファイルB

ある日の夜、健と光一と義之の3人は夜のドライブに出かけた。
油戸トンネルの噂を聞き、肝だめしに行こうという話になり、好奇心本意ではあったがトンネルに向かったのだった。

最初は笑いながら車で話をしながらふざけあっていた3人であったが、
トンネルが近づくにつれて口数も少なくなり、ある種の緊張感が漂い始めていた。
最初の勢いとはうらはらに、だんだん後悔し始めている3人の姿があったのだった。
それだけ、トンネルまでの道程は静かで寂しく不気味な気配を漂わせていたし、いかにも出てきそうな空気で張り詰めていたのである。

丁度、トンネルに差し掛かったとき、
「うわっ!!」
と助手席に乗っていた光一が大きな声を上げて驚いた。

「お、おい!!なんだよ急に!びっくりするじゃねーか!!」
健が運転しながら光一に怒鳴った。

「ば、バカ!い、今目の前を人が通り過ぎたんだよ!見えなかったのかよ!?」
光一は言った。だが、光一以外誰もその人影を確認していなかった。

「おいおい、ふざけんなよ!こんなとこでビビらすんじゃねーよ〜!」
義之は笑いながら光一に言ったが、当の光一の顔は大真面目である。
しかし、健も義之も光一がわざと脅かそうとしているのだと思い,その場は軽く流したのだったが、当の光一は納得いかないような顔をしながらブツブツつぶやいていた。

そして3人はゆっくりとトンネルの中に入っていった・・・

ゆっくりと、本当にゆっくりと、あくまでも肝だめしというつもりで健は車を走らせていた。
「なんだ。。。やっぱ何にも出ないじゃん」
健は顔を引きつらせながら2人に言った。本心は怖くて仕方がなかったのだが強気の態度を示そうとして、逆にぎこちなくなっていることに気付いていない。

!?

・・・後部座席の義之の様子がおかしい。
呆然とした顔で冷や汗をかいていて少し青ざめていた・・・

「おい?どうしたよ、ヨシ?」
光一が不安げに聞いてみたが、義之は震えながらなかなか言葉が出てこない。
さすがに健もおかしいと感じ、いったん車を停車させた。丁度トンネルの半ばを過ぎた辺りだった。

「お・・・お前ら・・・と、ともだち・・・だよな・・・?!」
やっとのことで義之は2人に聞いてきた。

「なに言ってんだよ。当たり前じゃねーか!?いったいどうしたんだよ!?」
健がそう言うと、義之はゆっくりと右手を上げ、指を指した状態で下に下ろし始めた・・・
健と光一は、義之の指を追いながら嫌な予感がしていたのだった。

義之が指差したところ・・・
義之の足元・・・
青白い2本の手が、義之の両足首をしっかりと握っている・・・!

「うわぁ〜〜〜!!!!」

健と光一は一斉に車から飛び出して逃げ出した。・・・義之を車に置いたまま・・・

2人は全速力でトンネルを抜け出し、その疲労のおかげなのか、途中でやっと義之を置き去りにしてきたということに我に帰ったのだった。

「お、おい!義之は?!まずいよ!」
光一と健は、恐怖でどうしようもない気持ちを抑えながら、ジッポの火の明かりを頼りに再びトンネルの中に戻っていった。

・・・車にたどり着き中を確認したが・・・義之の姿がどこにもない!?

「お、おい・・・ヨシがいねーぞ!?」
健はあまりの恐怖に震えだしていた。

ドン!!!!

突然、車のボンネットに何かが落ちて、地面に転がった・・・!
・・・義之である・・・!

「ヨ、ヨシ〜!!」
2人は近づいて義之を抱き上げた。息をしてることを確認してひとまずホッとした2人だったが、それもすぐに再び恐怖で満たされてしまった・・・

車の後方から呻き声が聞こえてきた・・・!
・・・そして、ゆっくりと青白く不気味な人の顔が次々と現れ始めたのである・・・!
うめき声を上げながら3人に近づいてくるのだった・・・!

「逃げるぞ!!!!」

健と光一は義之を抱えて車に乗せると、急いで自分たちも乗り込みエンジンをかけた。
・・・なんとかその場から逃げることが出来た3人だったが、それ以来トンネルを通ったことがない。遠回りであっても、別のルートを通るようになった。

義之の足首には、くっきりと手形が残っていたという・・・



・・・他にも「油戸トンネル」における怪奇現象は何件かありました、それは改めて・・・

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山形県上山市に恐怖の心霊スポットがある。地元の人でさえ近づこうとしないその場所・・・
「不動滝」という所である。

ここはTV等でも取り上げられるほど全国的にも有名な地であるらしい。TVに出ていた霊媒師は身の危険を感じ、取材を中止させるほど強力で恐ろしいな霊の存在を訴えていたのを覚えている。首なしの変死事件など不可解なことが絶えないと言う。
・・・かつてここは首切り場として存在していて、今でも滝壷の岩には大きな剣が突き刺さっている。
いつ誰がどういう理由で刺したのかは謎なのだが、岩に突き刺さっている剣を抜いたものには、必ず死が訪れるという・・・
他にも曰くつきの恐ろしい伝説が残っているらしいのだが・・・


噂は人の好奇心をかりたてるもの。
特に青年期は好奇心=即行動につながる時期である。

ある日、康平と美雪は肝だめしがてら不動滝へ向かった。
快晴であるにもかかわらず、不動滝へ向かう途中の山道は薄暗く、不気味な雰囲気を漂わせている。
2人は車を止め、不動滝へ向かおうとした。

「ねえ、やっぱりやめない?なんかやばいよ」
美雪は霊感が強い。何かを感じ取ったのだろう。近づきたくないとう顔をしている。

「なんだよ!?ここまで来たんだしさ、せっかくだし滝まで行ってみようぜ」
康平の好奇心は抑えられなかった。
もっとも、日中であるということで、多少のおごりはあったのかもしれない。
恐る恐る康平についてゆく美雪だった。

しばらくして、滝壷に着いた。すると滝壷には大きな岩があり、そこには噂どおり錆びれた剣が何本か突き刺さっている光景があった。この剣で首を切っていたというのだろうか!?

「いや!やっぱり帰ろうよ!」
美雪が急に怯えだし、林の中に走っていったのだった。

「お、おい!?」
康平は慌てて美雪を追い始めたが、深い森の中に入り込んだ美雪を見失いそうになるのだった。
暗く、不気味な森の中・・・

2人は森に迷い込んだのだった・・・

おいおい、頼むぜ、美雪?!勝手に逃げ出すからだぞ?!」
・・・しかし、美雪にはそんな康平の声は届いていなかった。
何かをしきりと呟いている。

次第に、・・・森の中は深い霧に包まれ始めていった・・・

・・・辺りは静まりかえり、夜のような暗さが不気味さを増し、康平は次第に不安と恐怖に包まれていった。
美雪は相変わらず何かを呟いていて、康平のことなど眼中にない。

ザッシュ!・・・ザッシュ!・・・!!

・・・静寂の中何かが近づいてくる足音が聞こえ始めた。
そしてその足音の数は次々と増え、いつの間にか2人の四方から聞こえるようになり・・・徐々に2人に近づいてくる!
言葉どおり取り囲まれていた。

「鎧・・・鎧姿の武者が近づいて来る・・・」
美雪がポツリと呟いた。

「え!?」
康平は既にパニックの中にあった。こんな状況の中で逆に冷静な美雪が不思議でたまらなかった。
しかし、康平にも次第に鎧姿の武者の姿が見え始めたのだった。

「首・・・私たちの首を切り落とすんだわ・・・でも、あれは刀じゃない・・・不思議な剣・・・」
美雪は力の抜けた表情でぽつりと呟く。・・・なにかに支配されつつあるようだった。

「何のんきに言ってんだよ!逃げるんだよ!!」
康平は美雪の手を掴み取り、武者達を突っ切りがむしゃらに森の中を駆け出した。
しかし、車のある位置など深い霧のせいで探しようがない。

「あっちだよ・・・」
美雪がぽつりと言った。
康平は美雪の指差す方向を信じ、その方向に向かっていった。

・・・どれほど走っただろうか?
しばらくして、かすかに車の姿が見え始めたのだった!

「助かった!・・・」
車にたどり着き、康平は恐怖から逃れることが出来た。
美雪は意識がうつろになっている。
2人は急いでその場から立ち去ったのだった・・・!

・・・後日談として、美雪はその時の記憶があやふやで、どうやって逃げ帰ったのか覚えていなかった。
ただ、あの時、祖母から貰った特殊なお守りを身につけていたのだという・・・
霊感の強い美雪を守るためにと、祖母がくれたものらしい。

もし、あの時美雪がお守りを持っていなかったら・・・?

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