.    '06年4月16日

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からすの学校(4月8日開催)

 からすの学校・第7回は、長野県環境保全研究所)大塚孝一さんによる 【春の花 感(観)察会】
ザゼンソウを中心に、早春の植物を観察しました。
 まずは室内でスライドを見ながらザゼンソウについてのお勉強。ザゼンソウ・ヒメザゼンソウ、そしてナベクラザゼンソウについて、書物からでは得られない研究者ならではの 興味深いお話しに「へぇ〜 知らなかったぁ 来てヨカッタァ」の声を多数聞くことができました。(上の写真)手に持っているのはザゼンソウの仏炎苞(ぶつえんほう)。 「この株は20年以上の年数を経ているのでは」 とのこと。そう!ザゼンソウは(草のイメージからはほど遠い)長生きな植物なのです! ところで
… まさかとは思いますが「掘って持ち帰ろう」などという考えはくれぐれもしないように。 なぜなら、掘り出すためには1mあまり の巨大な穴を掘ることになり、結局途中であきらめざるをえないからです。





 教材用に掘り採った株は、保全研究所で栽培されます。

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ツーショット!

 ザゼンソウ(写真上部の数株)と ヒメザゼンソウ(下部の1株)が並んでいます。
 ザゼンソウは花が終り、(ミズバショウ同様)あの‘こじんまり’とした花からは想像できない巨大な葉を開こうとしています。 一方、ヒメザゼンソウは葉が枯れはじめてから花が咲きますので開花はまだこれから。 いま園内は、 二つの花の端境(はざかい)期です。
  ところで… じつは、このようなツーショットは珍しいのです。 それぞれの自生地ではごく普通に群生しているのですが、このように 両者が混生している場所はあまりありません。 園内には、コナラとミズナラ、ヒノキとサワラのように 「似たもの同士」が隣りあっている観察ポイントがいくつかあるのですが、これもそのひとつ。
 しかし、せっかく同じところにあっても、ふたつの花はいつもすれ違い。 めぐり会えない さだめなのでした。





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男と女

 写真はキブシ。 ‘下がりかんざし’ のような花が、いまが盛りと咲いています。ところでこの樹、オス(雄株)とメス(雌株)があります〔稀に両性株もある〕。  見慣れてくると、遠目にも 樹形からそれとなくわかるのですが、確実な判別方法は… こうして下から花のなかを覗きます。
 雄花のなかに黄色く見えているのは花粉、雌花にはそれがないので一目瞭然です。他の草木、たとえばダンコウバイアブラチャン、あるいは身近にあるフキノトウも同じ方法で識別できます。 いま園内に咲くこれらの花から 〔植物の性別〕を調べてみるのも面白いかも。ちょっと目線を変えて、こんな細かなところに着目してみれば、植物の見方 ・つきあい方がいままでとは違ってくるかもしれません。
ときに、ちいさな発見は 大きな驚きにつながります。



  ヒメギフチョウ と。   雄花(雄株)   雌花(雌株)
   (昨年4月)