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2002シーズン最終節は

壮絶な戦いの末の劇的勝利

曽田のハットトリックも凄いが、森のFW起用にも仰天!
今シーズンは5失点で始まり5得点で終了(いずれも広島戦)

2002 J.LEAGUE DIVISION2
2nd.STAGE
 第15節
11/30(土) 札幌ドーム 14:00

2nd.STAGE 第15節 11月30日(土) 14:00  札幌ドーム
HOME VS AWAY
北海コンドー札幌 サンフレッチェ広島
前半
後半
GOAL 延長  
7分:相川
GOAL! 8分:小倉 隆史



36分:和波


44分:新居⇒曽田













GOAL 42分:森崎 浩司




54分:ビジュ
GOAL! 55分:曽田 雄志

69分:曽田
71分:和波⇒平間
GOAL! 74分:相川 進也




GOAL! 88分:曽田 雄志
46分:沢田⇒藤本
GOAL 47分:久保 竜彦

GOAL 53分:茂木 弘人






75分:茂木⇒高橋
76分:下田⇒

GOAL 87分:上村 健一
90分:相川⇒

GOAL! 99分:曽田 雄志
90分:久保⇒山形


  スタメン 

    相川   新居    
   

 

小倉

 

   
             

和波

         

西田

    森下   今野    
             
  大森   ビジュ   佐藤尽

 

             
    佐藤洋    
リザーブ 藤ヶ谷        田渕    平間    曽田


↓ 
最終布陣 ↓

      曽田    
   

 

小倉

 

   
             

平間

         

西田

    森下   今野    
             
  大森   ビジュ   佐藤尽

 

             
    佐藤洋    

 

広島にとって今日の試合は非常に重要。絶対に負けられない。負けたら降格決定だ。
札幌もJ2落ちとなった不甲斐ないシーズンであったが、最後は勝利で締めくくりたい。
そんな意地と意地のぶつかり合いが、希に見る壮絶な好試合を生んだ。

J2降格となる可能性は、広島・神戸・柏に残されている。
柏は勝ち点1、神戸は勝ち点3を取れば残留できる。
しかしそれぞれの勝ち点を取れなかった場合、広島が勝つ事により逆に降格の危機に晒される。

 

【 前半8分 : 札幌 −0 広島

DFからのロングボールを和波が受け、一旦後方の大森に戻すと
その大森がワンタッチでゴール前に放り込む。
相川がヘディングで落とし(実はシュートかも)走り込んだ小倉がシュートを決め、まずは先制!
凍りつく広島サポーター。

 

その後は一進一退。
崖っぷちで鹿島まで倒し2連勝の勢い+負けられない高いモチベーションの割には札幌と互角の広島。

 

【 前半42分 : 札幌 1− 広島

中央で自由にボールを回され、最後はフリーの森崎浩に押し込まれ同点・・・。

 

前半終了近く、大森のロングボールが右サイドを駆け抜ける相川へ。
新居が中央からPエリア内にスピード良く侵入。相川が頭で折り返した瞬間、新居が上村に倒される。
PKだ!と思ったが吉田主審は流す。このプレイで新居が負傷退場。
予定外に早く曽田を投入。

ハーフタイム、他球場の途中経過が入る。
神戸が播戸の2ゴールで清水を2点リード。柏も1−0でG大阪をリードしている。
2点差ともなればHOME神戸が逆転負けする可能性は低い。
柏がもし逆転負けするケースを想定すると、広島は少なくとも札幌に2点差をつけて勝ちたい。

後半スタートから投入した藤本に、コンサ守備陣はズタズタにされる。


【 後半2分 : 札幌 1− 広島

その藤本がトリッキーなドリブルでPエリア付近まで持ち込み、それを森崎浩が引き継いで
倒れながらゴール左方向へ流すと、それに反応した茂木をビジュが引っ掛けて倒してしまう。
吉田主審はPKを宣告。前半終了に新居が倒された場面は流しており、
主審へのブーイングと罵声が大きくなる。この主審への不満は試合終了後も続いた。
PKは、久保があっさり決め、コンサは逆転を許す。


【 後半7分 : 札幌 1− 広島

簡単にDFの裏へボールを通されてしまい、反応した茂木が浮かせ気味のシュートを打つと
佐藤洋平の手先に当たってゴールマウスの中へ。
諦めない今野が後ろ向きでボールを蹴り出すが、既にゴールラインを割っていた。
短時間で2点差をつけられる。このまま勢いに押され
1stステージのように大敗してしまうのか!?


【 後半9分 : 札幌 −3 広島
小倉のロングボールに反応した相川。クリアしようとしたDF上村がバランスを崩し転倒。
フリーとなった相川はシュートは打たず、走り込んで来た曽田へ絶妙のセンタリング。
そのボールを曽田がプレスを受けながらもゴール右隅に流し込み、反撃の口火を切る。

 

その後は、ほぼ互角の戦い。両チームとも素晴らしい動き。
後半26分、和波を下げ、髪を黒く短くした平間を投入。左サイドやや上がり気味の位置へ。

 

【 後半29分 : 札幌 −3 広島

またしても小倉のロングボールが前線の相川へ。
少し弾道が伸び過ぎたように見えたが、相手DFとGKが一瞬譲り合うような位置に落ちる。
GK下田が慌ててボールを取りに突進するが、相川も諦めずに突っ込む。
相川が一瞬早く追い付きヘディングすると、ボールは無人のゴールに吸い込まれた。
下田と相川は激突し両者ダウン。ゴールは認められ、遂に同点!!
魂の入ったプレイを見せた相川は、担架で運ばれ退場するGK下田を尻目に
自力で立ち上がり再びピッチに戻った。このファイティングスピリットは他選手も見習うべき。

 

ここまで来たら勝ってほしいが、今年は点の取り合いになった試合を、ことごとく落としている。
この時、神戸は岡野のダメ押しゴールで、3−0とリードを広げていた。

 

【 後半41分 : 札幌 3− 広島

せっかく同点に追い付いたが、FKからのセットプレーで
これまで守備で精彩を欠いていたキャプテン上村に決められ再びリードを奪われる。
今日こそは!の勢いに水を差されてしまったかに見えたが・・・。


【 後半43分 : 札幌 −4 広島

今野が縦パスを出すと、相川がゴールに背を向けた体勢からヒールでコースを変える。
その絶妙なパスを受けた曽田がゴール右へ落ち着いてシュートを決めた。
曽田の本日2ゴール目は起死回生の同点弾!!

 

5分のロスタイム中に、神戸・柏ともに90分勝ち。この時点で広島のJ2降格が決定した。

もう ロスタイムが終わろうかという時、DFのロングパスに反応した相川がGKと1対1となり
猛スピードでボールを追うが、
Pエリアを飛び出したGK林 卓人が飛び蹴りでクリアしようとして
その脚が相川に炸裂!この危険極まりないプレイは、
1発退場に値するものと思ったら
なんと吉田主審は
も出さずに事を終えてしまい、
札幌ドームの天井が抜けるようなブーイングと怒号が起こった。
そして90分終了。

インターバル中、既に情報を入手し号泣する広島サポがテレビに映る。気持ちは痛いほど解る。
両チームとも、こうなったらこの激戦を勝ち取るだけである。

延長に入ると、相川に変えて今シーズン初登場となる森が満を持してピッチに入る。

曽田が1トップで、小倉・平間が2列目の布陣か?と思いきや
な・な・なんと!森はそのまま相川の位置へ。背番号3、コンサ最終秘密兵器の登場である!!
ベールを脱いだ秘密兵器は、いかにもフィジカルが強そうな大型FWで意外にも動きが俊敏。

 

【 延長前半9分 : 札幌 5v−4 広島

平間のスローインを受けた大型FW森がエンドラインまで持ち込み、プレスを受けつつも
苦しい体勢からクロスを上げると、ゴール前に張っていた曽田が頭で押し込みVゴ〜〜〜ル!!!
森はエンドラインで座りこんだまま両手を高々と上げた!!

 

帰宅後にテレビ画面を見た感じでは、
延長前のインターバルで、他球場の結果が選手の耳に入っていた様子で
広島イレブンの表情は思ったよりサバサバしているように映っていた。

曽田のハットトリックには驚いた。今シーズンFWで起用されては凡ミスを繰り返し
観客の怒号や野次を散々受けていたが
、今日のように相方が新居や相川のような若手であったり
なり振り構わずがむしゃらにプレイするような展開になれば、こういう結果を残せる事が判った。
特に1点目と2点目は冷静に蹴った技ありシュートだった。

そして相川も素晴らしい。動きが良いので小倉はボールを持つと彼 を見る。
1点目の小倉へ落としたヘディング(実はシュートかも)、2点目の曽田への絶妙なクロス、
自ら挙げた3点目で見せたGKの突進を恐れない気迫、4点目の曽田へのヒールパス。
実に5点中4点に彼が絡んでいたのだ(5点目はピッチを退いた後)。

上村に倒され前半でOUTした新居も良い動きだった。
特に体の入れ方が非常に巧い。何者をも恐れないしたたかさもあり
もしウィルが来期加入しても、彼なら愛弟子にしてもらえそうだ。

試合終了後、広島イレブンは遙々応援に駆けつけたサポーターに挨拶。
J2落ちが決まった選手達に対し、サポーターが温かい声援を送っていた。
サンクスウォークで、コンサドーレの選手・スタッフ・選手の子供らが
広島サポ前を 通過する時には惜しみない拍手を送ってくれた。

これでJ1リーグの試合は少なくとも1年間はない。
来年は舞台がJ2となり、44試合という長丁場が待っている。広島とも4度戦う事になる。
しかし今日の試合や、若手の恐れを知らぬ思い切り良い動きを見る限り
12チーム中の2位以内を充分狙える力は持っていると感じた。