2006

試合終了のホイッスルで
静まり返った
日立柏サッカー場
勝ち点3が必要なレイソル
0-2からの大逆転勝利

2点差をつけられた直後から突如 コンサドーレ のエンジンに火がついた!

第51節  11月26日(日)  16:00   日立柏サッカー場
柏レイソル VS コンサドーレ札幌



32分:山根 巌
 
前半



 

9分:石川直樹 後半


10分:相川進也
13分:フッキ
27分:中山元気
 

 コンサのカード  ⇒ なし

 

先発布陣

     

フッキ

 

相川

     
                 
        砂川        

西谷

             

藤田

     

芳賀

 

大塚

     
                 
   

西嶋

  池内  

西澤

   
                 
        佐藤        

 リザーブ   林 和波 川崎 金子 中山

 

最終布陣

     

フッキ

 

相川

     
                 
        中山
(フリー)
       

和波

             

芳賀

     

金子

 

大塚

     
                 
   

西嶋

  池内  

西澤

   
                 
        佐藤        



ハーフタイムに


試合の入りは柏。その後コンサがペースを握り、また柏へ流れが戻って、それを再びコンサが取り返して……

こんな感じの一進一退で流れた試合は、前半32分、柏に先制を許してしまった。

右サイドを破られ、速い弾道のクロスをヘッドで合わせられたものである。

先制されたが、コンサドーレは柏の高いモチベーションに防戦一方と化した様子はない。



序盤、砂川が枠をはずしてしまった決定的場面は非常に惜しかった……というか残念だった。ほかにもチャンスはあった。

ただ出足がコンサドーレより若干速い柏がルーズボールを拾う事が多く、その点で柏のボールキープ率が高く見えた。

シュートも随分打たれたようだ。



フッキはいつものように相手に警戒され、3人4人と囲まれてもボールを離さず、最後に奪い取られるケースが目立つ。

彼が 囲まれかけた時点で当然スペースが空き、そこへ誰かが(西谷あたり)いる事が考えられ

瞬時に判断してボールを出さなければいけない。



後半、追加点を奪われるようだと我々にとって非常に不愉快な結果になる公算が高い。

ミドルレンジからでも積極的にシュートを放ち、こぼれ球を押し込むような気持ちがないと、追いつくのは困難かも知れない。

 


試合終了


3行上に 「追加点を奪われるようだと……」 と書いたが、案の定、後半9分に重そうな2点目を奪われてしまった。

ところが、2TOPが 「俺たちには失うものがないから、もう思い切り行っちゃえ〜!」 なんて考えがわいたかどうかは知らないが

ここで 突如、FWのエンジンが全開になった。

まず失点の直後、フッキのクロスを相川が、2人のDFの突進をものともせず巧みに押し込んで1点を返す。

更に2分後、相川・フッキでボールを細かく受け渡した後、 トリッキーなパスを出すと柏のDF小林に当たり

そのこぼれ球を巧く回り込んだフッキが難なくゴール!これで同点!!

「一体どうなってるんじゃ!」 みたいな表情の石崎監督がTVの画面に写る。



その後も流れは2点差を跳ね返したコンサドーレのもの。さすが天皇杯でJ1千葉を破っただけのことはある。



25分、疲労した砂川を下げ、前節いいところでゴールを決めた中山元気を投入。

彼にはファーストディフェンスをに期待したのでは? と思う。

その2分後に中山が、西谷からのクロスをファーサイドから長い脚で蹴り込んで、ついに逆転に成功!!!



柏はその少し前、勝つために起用した4−4−2のフォーメーションを、いつもの3−5−2に戻したが

スカパー解説者の言う通りで、それはコンサドーレにとって願ってもないシステム変更だったようだ。



とにかく柏はフッキを止められない。

前半はフッキがまだ寝ていたのかどうかわからないが、3人4人と囲まれた時のアイディアがなく

ただボールを奪われる場面が多かったが

柏に疲労が出始めたのか、それに加えてフッキのエンジンに火がついたのが重なったのか

レイソル守備陣は散々フッキの動きに翻弄させられた。

そんな中での逆転で、この試合で負けるわけにいかない柏ベンチは恐らくショックを受けた事だろう。



それにしても、3−2とした後に何度か訪れた決定機で追加点を奪えなかったのはよろしくない。

そういうチャンスは フッキに何度か訪れていたし、相手セットプレーからのカウンターアタックで池内にも1回。

まぁ、池内は点を取るのが本業ではないので勘弁するとして……そう言いつつ昨年はチーム得点王。



逆転した後に、西谷を下げて
和波を投入したのは柳下監督のナイスな采配だと思う。

そのまま 西谷を置いておけば、更に追加点のチャンスがあったかも知れないが

逆に西谷のサイドから激しい反撃を受けるというリスクも考えられる。

また、西谷もそろそろ電池が切れはじめる時間帯だったかもしれない。

もともとコンサ側から見ての右サイドは、早々に藤田が下がって芳賀がボランチから回り、DF西澤とのコンビで守りは万全。

そこへ左サイドに和波を入れる事により、ここまで守りに奮闘していた西嶋への負担が軽減される。

こうして両サイドを固めれば、柏は中央突破するか長いボールを放り込むしか打つ手がなくなると思う。



さて最低でも同点に追いつきたい柏の攻撃も、コンサの固い守備に阻まれ、4分のロスタイムが過ぎ

主審が試合終了を告げるホイッスルを吹いた後

TV画面を通し競技場の一角を除いてシーンと静まり返っているのがわかった。



柏にとって不幸中の幸いだったのは、神戸が土壇場で湘南に追いつかれドローで終わった事だろう。

これで最終節に湘南を破れば、神戸が仙台に負けると自動昇格する事ができる。

もし今日あのまま神戸が逃げ切っていれば

最終節で
柏→勝ち神戸→負けとなって勝ち点で並んでも、得失点差が6もあるため

柏は入れ替え戦に回る公算が極めて大きい。

2年連続入れ替え戦というのは極力やりたくないだろうと思う。



コンサドーレは12月2日(日曜)、いよいよ今シーズン最終節でサガン鳥栖と対戦する。

お互い今の調子なら、きっと素晴らしい好ゲームが見られるだろう。

コンサドーレには最終成績5位になれるチャンスも残されているので

きっちり勝ち点3を上乗せして2006年のJ2リーグ戦をしめくくってもらいたい。

その後に待っている天皇杯での過酷な戦いに向け、いい雰囲気でリーグ戦を終えてほしい。

 

結局最終節で、神戸が破れ柏は勝利。柏は優勝の横浜FCと共にJ1自動昇格を果たした。
入替え戦に回った神戸も、福岡との対戦で0−0、1−1と2試合ドローながら
AWAYゴールにより辛くもJ1復帰となった。
2007年J2には、福岡・C大阪・京都が入る事が決まった。