2007

 

みんなで掴んだ栄光!
最終戦逆転勝利で
J1昇格+J2優勝をもぎ取る

ダヴィ2ゴール!それを演出したのはまたしても若い2人

52節 (最終節)  12月1日 (土)  12:00    札幌ドーム
コンサドーレ札幌 VS 水戸ホーリーホック


12分:ダヴィ




GOAL!43分:FWダヴィ
前半


GOAL 11分:FW塩沢勝吾





44分:平松大志


11分:砂川 誠
14分:砂川 誠→
岡本賢明


25分:西嶋弘之→
池内友彦


GOAL!38分:FWダヴィ
41分:西 大伍→藤田征也
後半

0分:村松 潤→椎原拓也
 



26分:鈴木良和→
眞行寺和彦



42分:鈴木和裕→
中村英之
44分:小椋祥平



先発布陣

      中山   ダヴィ      
                 
  砂川           西  
   

 

芳賀   ヨンデ

 

   
                 
  西嶋   ブルーノ   曽田   西澤  
                 
        高木        

 リザーブ   ⇒ 佐藤 池内 藤田 岡本 石井 


最終布陣

      中山   ダヴィ      
                 
  岡本           藤田  
   

 

芳賀   ヨンデ

 

   
                 
  池内   ブルーノ   曽田   西澤  
                 
        高木        


11月18日 vs京都 ⇒ 先制されるも一時は逆転! だがあと少しのところでPKを取られ て追いつかれ昇格成らず。

11月25日、仙台と対戦した京都が終了間際に決勝ゴールを決めて勝利したため、ここでも昇格決定成らず。



そして12月1日(土曜)、朝早くから(中には徹夜組も)札幌ドーム周辺に集結した大勢のサポーター。



我々は開場時刻9:45の約30分前、北3ゲート最後尾に並んだ。



今日のゴール裏は、まず最初にビッグフラッグが最前列から出現し、上段へ昇って行った。

するとフラッグの下から人文字が出現!



鮮やかに現れた人文字(だが何と読むのか、この角度からは不明……)



ドーム観客席は、京都戦同様350度が赤黒に染まった(残りの10度は水戸サポ席)


ベンチ入りする三浦監督を取り囲む凄まじい数の取材陣。


2007J2最終節が6つの競技場で12時から一斉に開始された。
コンサドーレはこの試合、勝ち点1でJ1自動昇格が決まる。
もし敗れても、京都が草津に引き分け以下なら、やはり昇格となる有利な状況ではあるが
コンサドーレ×で京都○の場合、コンサドーレは
入替戦に回ることになる。


立ち上がりからコンサドーレの動きが硬い。
勝って最下位を免れようとする水戸の方が明らかに優勢だ。

敷島公園では、前半6分、京都が田原のゴールで草津に先制した。

前半11分、コンサドーレは、水戸にコーナーキックから先制点を奪われてしまう。
こぼれ球をヘッドで押し込まれた。それも絶対に届きそうもないゴール右上隅に……。

失点して目が覚めるかと期待したが、まだまだ動きが硬いコンサドーレ。
水戸と戦っているのではく、J1への壁と戦っているように見える。

1点差なら、追いついてドローに持ち込めば昇格できる。だが2点目を与えると非常に苦しくなる。


前半43分、左サイドからファーサイドへ蹴り込まれたアーリークロスを
西 大伍が後ずさりしながらヘッドでゴール前へ折り返す。水戸にクリアされたボールは再び西 大伍へ。
続けて
西 大伍が今度は真横へ少し強めのクロスを入れる。そのボールを砂川が胸でトラップ。
トラップは少し大きかったが、そこにちょうどダヴィが張っていて、思い切り右足を振り抜いた!
これが水戸のゴール中央上部に突き刺さって
1−1の同点に追いついた!!

この得点から、ようやく硬さが取れてきた感じのコンサドーレ。
ロスタイムに入ると、またしても西 大伍が絶妙のクロスを入れ
ダヴィのヘッドがクロスバーに弾かれるという惜しい場面があった。


ハーフタイムが終わり後半へ突入。なかなか勝ち越し点を奪うような雰囲気にならない。
後半14分、砂川を下げて期待の
岡本賢明を投入
いきなり角度のない位置から放った強烈なシュートはサイドネットだったが水戸守備陣は脅威を感じたかも知れない。


このまま1−1で終わっても昇格はできる。コンサドーレの守りは安定している感じ。
だがサッカーは何が起きるかわからない。土壇場で水戸に勝ち越されてしまうかも知れない。
京都が相変わらずリードしているため、コンサドーレが敗れた場合、今のままだと入替戦に回るハメになる。

なかなか均衡が破れないコンサドーレであったが……。


後半38分、負傷から復活した藤田征也が交代の準備に入ったその時
岡本賢明がセンターサークルよりやや自陣エリア側から長い縦パスを送ると
走り込んでいたダヴィが水戸DFを振り切り、左足でJ1昇格を確定させる豪快なシュートを突き刺した!!

実質的な残り時間は約10分だろう。この10分間に2点取られない限り、コンサドーレのJ1昇格が今日ここで決まる。

後半41分、2試合連続で先発を果たし今日も同点ゴールを演出した
西 大伍 が、U−18同期の藤田征也と交代。
この若さで、ピッチを出るのにゆっくり時間をかけ
途中で主審に握手まで求めようとする姿
は本当に何かを持っているとしか言いようがない。

刻々と時間が経過。ついに3分間のロスタイムへ突入。
もう大丈夫!J1は目前だ!

そして試合終了を告げる運命のホイッスルが高々と鳴り渡った!
試合終了! コンサドーレが勝ち点を91に伸ばし、 J1昇格が決まった!

札幌ドームは歓喜に満ち溢れた。

中山元気は溢れる涙を抑えられない。

観客席では見知らぬ人同士がハイタッチ!

その時、電光掲示板に突如
 CHAMPION の文字が出現!
私は、近くの席の人からヴェルディが引き分けたという情報を少し前に聞いていたが
まだ知らない人が圧倒的に多いため必然的に起こる
ざわめき



その次に、C大阪−東京Vの試合結果が写し出される。2−2のドロー。
2007J2を制覇したのは、我らがコンサドーレ札幌!! 場内に再び大歓声が沸き起こる。



ピッチ上も観客席も、至る所でみんなが喜びを分かち合っている。

早ければ10月中旬あたりに昇格が決まるのでは?という勢いから
一転して昇格自体が危うくなりそうな不振に見舞われた。そんな中、攻撃の核である西谷正也が負傷し欠場が続く。
だが思わぬところで
若手の台頭があって首の皮1枚ながら首位を死守し、再び自動昇格を手繰り寄せたコンサドーレ。
しかし鳥栖戦を落としてしまったり、京都戦で終了間際に追いつかれたりと、なかなかフィニッシュに辿り着けない。

とうとうJ1昇格は最終戦までもつれこみ、HFCはやむなく
無駄になってほしい入替戦案内のハガキを配布。

そして迎えたこの試合、先にゴールを許す苦しい展開から、台頭した若い2人が絡んでの2ゴールで
ついにJ1行きの片道切符を手中にし、更にはJ2優勝というプレミアも付加された。



試合後、優勝のセレモニーが行われ、キャプテン芳賀からはサポーターへの感謝の意と
本当の戦いはこれからであるという頼もしい言葉があった。

今シーズンのMVPに選ばれたのは守護神の高木貴弘。
マイクの前に立ち一言話そうとしたらスイッチが入っていなかったらしく
いよいよしゃべろうとした矢先に、司会が 「次は社長の挨拶……」 と進行させてしまい場内大爆笑。
社長がマイクの前に立つと、GK佐藤優也が現れてテキパキとマイクの高さを調整。また大爆笑。



高々と空中に舞う三浦監督。
この戦力ながら1年でJ1昇格へ導いた素晴らしい手腕を、来年はJ1の舞台で発揮する。



指揮官らしく、笑顔の中にも気持ちは既に来年を見据えているのか。

三浦監督の、短いが印象的な挨拶の後、恒例のサンクスウォークが始まった。






ゴール裏サポーターを背景に記念撮影してもらう選手も(笑) これは石井謙伍かな?


昇格+優勝の感激に、長く激しい戦いが終わった安堵感が加わって、みんな眩しい笑顔。
あれっ?ところで監督はどこ??




この日のイベントは、まだまだ終わらない。


私は札幌中心街で時間をつぶした後
19時から白い恋人サッカー場で行われるJ1昇格+J2優勝を祝うイベントへ向かった。
地下鉄東西線宮の沢行きは、この時間にはあり得ないような大混雑。





あいにくの雨模様ではあったが、幸福感に満ち溢れた心境だから雨なんか全く気にならない。
会場には大勢のサポーターが集結し、大いに盛り上がった。



ここでも選手達が場内を巡り、プレゼントを観客席に投げ込むサービスもあった。

同行のMM氏がゲットした西 大伍のサイン入り
勝負パンツ



今シーズンのメンバーは、2000年にJ2優勝を果たした時ほど粒揃いではないと思われるし年齢も若い。
だが幾つかのミラクルを積み重ね、ついに昇格+優勝を勝ち取った。

しかし芳賀キャプテンも言うように、来年がコンサドーレにとっての本当のスタートラインだ。
資金力が乏しく、補強による大幅な戦力アップは期待できない。
昨年安定した守備でJ2優勝を果たした横浜FCは、FW久保らを補強しながらも
早々に1年でのJ2降格が決まってしまう事態に見舞われた。
だがコンサドーレ札幌は横浜FCの二の舞を演じるわけには行かない。
98年、悲願のJ参入を果たしたものの、圧倒的不利な勝ち点勘定方式によりJ1参入決定戦へ回り
リーグ戦でコンサドーレより下位だった神戸や福岡に敗れ、99年はJ2でのスタートを強いられた。

2年後、
岡田武史という名将がコンサドーレをJ1の檜舞台へ連れて行ってくれた。
コンサドーレはこのままJ1に定着し、いずれは優勝争いに加わっていくはずだった。

ところが岡田監督を引き継いだ元日本代表キャプテン闘将
柱谷哲二氏は
持ち前の攻撃好きが祟って、身の丈以上のサッカーをやろうとし、最北端のJクラブはたちまち沈没。
この事態さえなければコンサドーレがJ2を舞台に戦うことは無かっただろうと私は思っている。

その後、選手育成に定評がある
柳下正明氏が
ジュビロ磐田の監督続投要請を断って北海道へやって来た。

柳下監督は3年かけてアクションサッカーを定着させた。
そのサッカーは、身に付けばJ1で通用するものだったが、J2で上位に残るには厳しいスタイルだった。
2年目と3年目は、上位チームと互角以上の戦いを見せながら、下位のチームとの対戦で取りこぼしを続け
もう少しのところで昇格ラインには届かなかった。

そして今年就任した三浦監督はJ2を抜け出すサッカーを選手達に教え込み、見事に結果を出した。

来年J1の舞台では、三浦監督が仕込んだ組織的守備やハードワークに加えて
柳下監督に叩き込まれたアクションサッカーをどれだけみんなが体で覚えているかがキーポイントになると思う。


コンサドーレ札幌は、二度とJ2に戻って来てはいけない。

今日の勝利で手にしたJ1切符は、あくまでも片道切符なのである。