よびかけ

 冷戦の時代が終わり、世界は今、平和と軍縮、共生の時代へと、大きく変わろうとしています。核兵器を含む軍備の大幅な縮小がすすむ一方、核先進国のプルトニウム利用からの撤退や原発の新増設中止など、脱原発の流れは、後戻りを許さないものとなっています。冷戦の狭間で沈黙を強いられていた核被害者や抑圧されていた多くの民衆も、人権の回復を求めて立ち上がっています。

 しかし、地球上には、今なお、さまざまな地域紛争や人権抑圧、貧困や飢餓、病気、環境破壊、核く兵器)開発など、未解決の多くの困難が山積しています。今こそ、侵略戦争とファシズムの反省から生まれた平和憲法の理念が、日本の政治と暮しに生かされるだけでなく、世界に拡げられなければなりません。

 ところが、肝心の日本は、これを投げ捨てて、自衛隊をアジアに送り出し、軍事大国への道を歩みつづけ、九条改憲の動きすら公然化しています。諸外国の厳しい批判を浴びながら、大量のプルトニウムの海上輸送を強行、世界の流れに逆らって、危険なプルトニウム利用をおしすすめています。今日本に求められているのは、世界の流れにそい、憲法の理念を生かし、先ず日本から軍縮に向かって歩み出すことであり、自然と調和する代替エネルギーの開発を含めて、脱原発への道を探ることです。

 加えて、戦争責任・戦後補償の解決、原爆被爆者など核被害者の救援、軍事基地の縮小・撤去、被差別・被抑圧民衆の人権確立、非軍事・文民・民生の国際協力の具体化、などなど、私たちの課題は、数知れません。

 群馬県平和運動センターは、このような課題に取り組むために、再出発の第一歩を踏みだしました。新しい組織は、平和と民主主義、自由と人権を守り確立する運動に心を寄せられ、運動の前進を共に担っていただけるすべての団体・グループ、そして広く市民のみなさんの参加で運動の充実をめざします。多くのみなさんの加入を心からお待ちしております。

1993年10月   
  

  

戻る