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2011年 バックカントリーの記録 雪崩れた
日時 : 2月13日(日) 9:22〜15:26 (6時間4分)
山域 : 吾妻連峰 家形山
天候 : 曇り時々雪 風強し
スキー : DYNASTAR LEGEND8800 168cm
              + VOILE SWITCHBACK
ブーツ : CRISPI CXP LIGHT
移動距離 : 約14km

南岸低気圧通過後、日本付近は冬型の気圧配置となり、吾妻山域も昨日から結構な降雪があったと思われる。強風が予想されるが、家形山のパウダー斜面滑降を目論み出かける事にした。

【行動記録】
自宅発は遅め。福島市内まで来て、ゴアのアウターパンツを忘れてきたことに気が付く。自宅に戻って往復30分ちょっとのタイムロスは痛い。高湯温泉付近の雪は深く、立ち往生する車もある。いつもの料金所先の除雪終了点に駐車して出発準備。周囲は風雪模様。

9:22 845m
行動開始。少し前に数名のパーティと単独の山スキーヤーが出発して行った。忘れものにより30分タイムロスするも、トレースを頂戴出来て少しラッキー。今日も先行トレースはスカイラインへは折れず夏道沿いに伸びている。まもなく先程の先行者達に追いつき追い越す。やれやれ先頭かい、と思ったが、まだ先にトレースが伸びていた。どこまで進んでいるのかは不明だが、もう少しはラク出来そうだ。

出発から40分弱、不動沢橋付近1210mで先行の三人組に追いつく。2名は山スキー、1名はテレマークだ。ラッセルのお礼を言ってトップ交代。深い場所では膝が隠れるラッセルだが、軽い雪のお陰でさほどきつくもない。スキートップが出てくれるのはツアービンディングのおかげで順調なペース。三人は足並みが揃っていないようで、徐々に間合いが広がり、賽の河原付近まで来ると、振り返る背後に彼らの姿は完全に見えなくなっていた。

完全な一人旅状態だが、本日の体調は絶好調。山鳥山での水分補給の小休止以外、休むことなくラッセル進行。風が弱まる気配はなく、目指す稜線は雲の中だが、時折見える晴れ間が天候の回復を予感させる。斜面のトラバースでは、新雪に入るクラックが気になる。大量降雪後の本日、積雪安定性はいかがなものか。

2時間ジャストで慶応山荘分岐点を通過。五色沼へと伸びる尾根コースへと進む。強い風に叩かれた雪面はウインドパック気味で重い。当然ラッセルもきつくなってくる。そろそろ後続が追いついてくるかもしれない。振り返ると、ちょうど単独の山スキーヤーが登ってくる。尾根上1590m地点。一昨日偶然一緒になったSさんだった。聞くと、10時にスタートして来たとのこと。流石のハイペース。若さって凄い。一昨日同様、大岩から慶応山荘方向へと滑り込む予定とのこと。これでラッセルが楽になった。

交代でラッセルし高度を稼ぐ。時折強風が吹きつけ耐風姿勢を取る。スキートップが抜けにくい雪質だが、二人いれば楽勝。目指す大岩が迫る。

12:20 1805m
大岩着。ここでSさんと別れる。板を抱えてツボで鞍部を目指す。風が強いので早く移動したいが場所によってはズボって中々に効率が悪い。鞍部で板をつけて山頂を目指す。南斜面も深い雪で最後までラッセルが必要。このまま五色沼に滑り込んでも十分楽しめそうな感じ。斜面の中程まで来て振り返ると、先程の三人組も大岩に着いたようだ。単独の山スキーヤーが後を追って来る。途中追い抜いた人だろうか?

12:50 1877m
家形山頂。視界は良好で中吾妻山もクッキリ確認出来るほど。さて、今日の積雪で北東斜面はどうか。試しに東斜面を覗き込むと、下から見るほど斜度がなくここも良さそうには見える。写真を撮りつつグルグルと移動していると、単独の山スキーヤーが登ってきた。

スタート後、夏道で最初に追い抜いた方だった。現在埼玉に住み、地元が福島というとても明るい方で、この辺りの山での思い出話など、話が弾む。地元を離れてはいるが、吾妻、安達太良、蔵王近辺の山で遊んでいるという。トレースを辿ってきたとはいえ、年齢が60過ぎと聞いて驚く、若いですね。風が当たって少し寒かったが、20分程度話し込んでしまった。最後に熱い紅茶までご馳走になり、ここでお別れ。往路を戻ると言う。お気をつけて。

大分体が冷えてしまった。北東斜面へと向かう。例によって木々の迷路を右往左往。手頃な斜面上部へと出たので、今日はここを滑ることにする。雪崩れた場合の逃げ場もある。シールを剥がして滑降準備完了。

13:47 1865m
斜面を斜めに切って様子を見る。何も起きない。板を下に向けて滑り出す。パウダーの快適滑降と思いきや、2ターン目で足元の雪面にクラックが入る。雪崩れた!右手の樹林帯方向に逃げ込む。幅5〜10m、長さ50m程度だろうか。破断面深さは30cm程度に見える。警戒はしていたが、まさか本当に雪崩れるとは。今後の反省材料です。樹林帯寄りのデブリ脇を慎重に滑降する。

雪崩は上部だけかと思ったが、更に下の斜面にまで及んでいた。恐るべし雪崩パワー。下部はやや傾斜が緩むが雪の状態は良く快適に滑降出来る。1670m辺りから往路の尾根方向へトラバース。斜度が緩むと板が走らず下りラッセルとなる。この辺りは山頂方向からの風の影響があると見えて、ウインドパック気味。脚がつりそうになりながら、ジワジワとトラバースを継続。1600m付近で進行をあきらめ、シールを貼って尾根を越え往路を目指す。ほどなくして慶応山荘分岐付近の往路へと合流。シールを剥がして下降開始。

慶応山荘からスキーのトレースが出ており、Sさん他は既に下降したようだ。トレース上は板の滑りが良い。湯の平付近で三人パーティに追いつく。山鳥山付近では歩きが入るが概ね板は走る。旧ゲレンデ手前でSさんに追いついた。聞けば、慶応山荘裏の斜面も雪崩れて、逃げた先にもクラックが入りやばかったそうだ。

旧ゲレンデトップに出てリフト付近の斜面へとエントリーしたが、雪が重く満足に走らない。Sさんと代わる代わるトレースを作って下降。スカイラインに這い上がり、トレース上を推進滑降。硫黄の香りがツアー終了を知らせる。

15:26 845m
出発地点に到着。

無事に戻れて良かった。今日はこれに尽きる。
山鳥山 目の前に道は無い
大岩付近から家形山 
家形山頂から五色沼と一切経山 
見下ろす東斜面も良さそうだが
北東斜面 滑降開始地点から
雪崩跡
デブリ脇を滑降 
下部(1750m付近)の斜面は快適
GPSログデータ