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2012年 バックカントリーの記録 またも蔵王の荒天に・・・
日時 : 2月5日(日) 7:40〜14:25 (6時間45分)
山域 : 蔵王連峰 前山
天候 : 晴れのち曇り
スキー : DYNASTAR LEGEND8800 168cm + Voile Switchback
ブーツ : CRISPI CXP LIGHT
移動距離 : 約18km

【動機】
天気概況は、冬型の気圧配置が緩んでお天気回復傾向。蔵王方面も好天が見込める。先月の山行で断念した杉ヶ峰を目指す計画を立てる。9時の予想天気図では、まだ高気圧の縁にあたり、風が吹きそうな予感もあったのだが。

【行動記録】
愛犬の散歩を家族に頼んで、朝早めに自宅を出発。高速料金が無料なので、国見〜白石の1区間だけ利用してみた。ほんの少しの時間短縮。予想通りというのか、すみかわスノーパークでは強い西風が吹き荒れていた。徐々に風が弱まる予報なので、期待して出発準備。

7:40 1100m
毎度の如く、レストハウス前からシール登行開始。先月の2度の山行時よりも空は青く、一見状況が良くも見えるが、強い西風が正面から吹きつける。時間が早いので、いつも利用しているコース上には降雪と吹き溜まりがあり、ミニラッセルで進まなければならない箇所もある。今日も厳しいツアーになるかもしれない。黙々とゲレンデの端っこを登っていく。

スタートから33分、ゲレンデトップのリフト終点前を通過。前回よりも少し遅いペース。暫く進むとツアーコースに合流し、目の前に杉ヶ峰と前山の姿が現れる。目標としては、杉ヶ峰と前山直下の北東斜面を1本ずつ。更に、前山ピーク手前の稜線から澄川へ真っ直ぐに落ちる良さげな沢形が見える。上手く行けばの話しだが、全て消化したいところ。期待は膨らむ。

ツアーコース上は当然除雪前。ウインドクラストした雪面を進行する。正面からは強烈な西風が容赦なく襲い掛かる。たまらずアウターを着用しフードを被ると、背後から轟音が聞こえてくる。振り返ると除雪車が迫っていた。コース脇に逃げて道を作ってもらう。これで快適に進めると思ったが、昨日の降雪は結構な量。大黒天付近では何度も往復して、コース脇に丹念に大量の雪を除去する作業を実施中。結局、追いつき先行することになる。この先は風が強いため雪付きが悪く、比較的容易に進めるのだが。次第に背後に雪上車の気配も感じなくなる。風が強いのは相変わらずだが、刈田岳の山頂も見えてくる。上手くいくとお釜も望めるかもしれない。刈田岳の南東斜面も美味しそうに見える。とりあえず1本滑ってみることにして、斜面に取り付く。下部ではパウダーの斜面も高度を上げていくと、ウインドパック斜面に変わってくる。振り返ると、ツアーコース上に先程の除雪車が見える。高度を上げるほどに山頂から吹き降ろす風も強くなり、進行を断念。1700m地点手前でストップし斜面を滑ることにする。お釜鑑賞はまた次の機会ということで。

9:30 1695m
シールを剥がして滑降開始。高度を落としていくにつれ、快適なパウダー斜面に変わり、テレマークターンも容易に決まる。適度な斜度はウォーミングアップにはもってこい。僅かの斜面だが、まずはイイ出だし。再びシールを貼り、前山〜杉ヶ峰を目指しそのままツアーコースを辿る。先程までは見えていた前山と杉ヶ峰の山頂付近には雲が掛かりだし、西の空も少しずつ怪しくなってきた。またしても敗退の文字が浮かぶ。夏道の案内板から左に折れて、目標の山を目指す。少し下ると広い雪原に出た。エコーラインを振り返ると、刈田岳のピークを目指す雪上車の第一陣が見えてきた。周囲の樹氷は見事だが、ツリーホール周りの凹凸が激しく、行程が捗らない。右往左往しながら前山に伸びる尾根に取り付く。風に叩かれてデコボコな斜面をシール効かせて登っていく。少し風が弱まっているようにも感じられるが、視界は大分悪くなった。時折太陽が顔を覗かせるのだが。ゲレンデトップから見えた沢形の位置を確認したかったが、てんで見当がつかない。まずは前山のピークを踏むことを優先する。杉ヶ峰は諦めることになるかも。

10:30 1684m
前山ピーク。直下の北東斜面に近寄ると、ガスが濃い目でハッキリは見えないが、無木立の真っ白な斜面が印象的。早速シールを剥がして滑ってみることにする。斜面の雪をチェックすると、安定している様子。準備を整え、ガスが切れるタイミングを見計らい滑降開始。少し短いものの、思った通りの快感パウダー斜面。さっきの刈田岳の斜面とこの斜面の2本で、すっかり満足してしまった感がある。天候の回復も望めそうもない雰囲気だし、杉ヶ峰は早々とキャンセルすることに決定。気になっていた沢形を探るため、出来るだけ高度を落とさずに北へとトラバースする。

この辺りと見当をつけた位置に沢形の姿は見えない。先程の山頂直下の斜面がそれだったのかも?シールを貼って登り返し、もう1本さっきの斜面を滑り、更に澄川へと滑り降りるプランに変更する。再度山頂付近でシールを剥がして滑降開始。やはりイイ斜面。さっきと同じ地点まで滑り降りて一旦ストップ。この下の斜面は徐々に沢状になり、蛇行しながら澄川へと伸びているようだ。下降開始。沢は雪が豊富で穴は開いていないが、万が一を考えた慎重なラインを心掛ける。左右の斜面の雪は流れてきそうな気配は無く、緊張感は少ないが。

11:45 1440m
澄川。源頭と呼ぶには少し下流のようだ。稜線付近の荒天に比べ、なんて静かで長閑な沢床。ここからどう登り返すか、腰を下ろして食事を取りながらマップを眺めて考える。1390mの澄川支流の合流点まで下降して、沢を辿り往路に合流することにする。スキーを履いて澄川を下降する。傾斜が緩いので軽いストック推進で進む。所々に穴が開いているが、概ね問題無しで予定の合流点に到着。シールを貼って沢を再登行。シールのグルー面に雪が付き、貼り付きが弱くなってきたが、まだ何とか行けそうだ。

蛇行する沢を黙々と登る。斜度は緩いので疲労感は少ない。1500m付近に来ると、上部に比較的斜度のある快適そうな斜面が顔を出す。どうやら探していた斜面の下部に偶然辿りついてしまったようだ。折角なので1本滑ることに決めて、斜面上部を目指す。ゲレンデトップからは、稜線付近から快適そうに見えていた斜面だったが、実際には上部は低潅木のあるデコボコな斜面。良いのは1610m付近からで高度差は約100mといったところ。またガスが濃くなってきた。

12:50 1610m
シールを剥がして4本目滑降開始。ウインドパックした斜面だが、結構気持ち良く滑り降りる。適当な所で下降を止めてトラバース。登りのトレースに合流する。粘着力が低下したシールに気合を注入すべく、スキーにしっかりと擦り付けて再スタート。あとは往路のトレースに合流してエコーラインに戻るだけ。他者のスキートレース(多分2人)があることに気付く。自分よりも早くエコーライン方面へ戻ったようだ。ツリーホールにハマったりしながら四苦八苦しつつ鞍部付近の雪原まで来ると、周囲の天候が回復傾向であることに気付く。エコーライン方面には人の姿も見える。持参したデジ一を引っ張り出してじっくりと写真撮影。ついでに座って休憩。風も穏やかになっていた。

少しの登りでエコーラインに合流。シールを剥がして下山開始。斜度が緩く、スキーが走らない。歩きとストック推進が必須。ツアー客を乗せた雪上車が3〜4台も登ってきた。考えてみれば今日は日曜日。今の時間なら、比較的快適に樹氷鑑賞も出来るでしょう。徐々に斜度が出て来るとスキーは良く滑る。ツボやスノーシューのツアー客を追い越してゲレンデトップへ。ゲレンデ内の斜面の滑りも快適で楽しい。快速で滑り降りて・・・。

14:25 
人の賑わうレストハウス前に到着。
またしても蔵王の荒天に阻まれ、杉ヶ峰は遠かった。屏風岳と刈田岳に挟まれた地味な存在で、アクセスの悪さもある。不運な山とでも言うべきか。
1本目 刈田岳南東斜面
目標の山々に雲が・・・ 
前山へ伸びる尾根を辿る
 前山ピーク付近の樹氷群
2本目、3本目 前山北東斜面
澄川 1440m地点 下流方向
 澄川 1390m地点 二股
4本目 偶然見つけた北東斜面(沢形) 
 
 
後烏帽子岳と樹氷群 (デジタル一眼レフで)
 
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