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2012年 バックカントリーの記録 深く反省
日時 : 2月20日(月) 8:30〜13:30 (5時間)
山域 : 吾妻連峰 家形山
天候 : 曇り時々小雪
スキー : DYNASTAR LEGEND8800 168cm + Voile Switchback
ブーツ : CRISPI CXP LIGHT
移動距離 : 約13km

【動機】
家形山方面には毎年1回は訪れている。現地の状況次第で家形山の東斜面か北東斜面を選択するつもり。

【行動記録】
高湯料金所先の除雪終了点へ。平日だけに先客はいない。今日は風も穏やかで、時折晴れ間が覗く絶好の山スキー日和と言える。シールを貼って出発準備完了。

8:30 840m
シール登行開始。週末に結構な入山者がいたと見えて、夏道には無数のトレースが付いていた。いつも通り夏道に入る。昨夜の降雪が数センチあったようで、トレース上にはうっすらと新雪が乗っているが、ラッセルと言うほどではない。スタート直後は息を整えながらゆっくり行きたいが、そこそこの傾斜だとついペースが上がり、序盤から少しバテ気味。

30分少々でスカイラインを横断。再度夏道へ。少しずつ新雪も深くなってくる。今日は登りながら色々なことが頭の中を駆け巡る訳ありの日。そうこうしているうちに息も整い、まずまず順調なペースでKO山荘の分岐点へ。

座って休憩。稜線上は青空が広がり晴れている。やはり前方に輝く家形山の真っ白な東斜面が魅惑的。大根森方向へ続くいつもの尾根コースへと進む。ここらからトレースは殆ど消え、脛程度のラッセルとなる。大岩を目指すつもりだったが、家形避難小屋方向へのルートを選択する。尾根の北斜面をトラバースし沢へ。ダイレクトに家形山の鞍部を目指す。斜度が急になるに従い、安全な樹林よりのコースを辿る。15cm程度の薄い新雪の下が滑りやすく、シールのグリップが効きにくい。もしも雪崩れるならこの面かもしれないと何となく予測する。それより深部には弱層は無さそうだが。

鞍部に登り上げる。東斜面にはうっすらと雪庇崩落の痕跡が残っていて少し不気味。山頂直下の碑の前で合掌。斜登行で山頂を目指す。天候は上々で、前大巓や奥には中吾妻山も確認出来る。風もこの場所にしては弱く比較的穏やか。

11:35 1877m
家形山頂着。まずは写真撮影。少し雲が出てきた。東斜面を滑ってみることに決める。見下ろす斜面は、滑り出しこそ斜度が急だが、以降は適度な斜度で美味しそう。問題は安全かどうかだが。シールを剥がして滑降準備完了。北寄りの樹木脇からエントリーする。斜面を斜めに切る。反応は無い。更に少し落とすが反応無し。エスケープ出来る方向目指して滑り出した途端に足元が流れる。すぐに退避したが、足を掬われる。幸い直撃は避けたが、それなりの量の雪が雪崩れていった。

斜面の中途半端な位置に取り残された恰好。デブリ上を慎重に下降し、一気に下へと滑り降りる。こんな状況だが斜面の雪質は抜群で滑りは最高。途中でストップし上部を確認する。往路上の安全地帯へ移動し一息。気持ちを落ち着けてから往路沿いを快適に下るが、突然転倒する。右の板のケーブルが切れてしまった。アウトエッジ側のカートリッジ根元部分がブッツリ切れている。通常はインエッジ側が壊れると聞いていたので少し意外だった。トゥプレートはあるし、流れ止めもあり板を失うことは無さそうなので、シールを貼ってゆっくり下ることにする。時々つま先がスッポ抜ける。ビッコを引くような歩き方でつま先が抜けないように引っ掛けながら、シールを効かせて尾根まで登る。

このままシールで下るしかない。ツアーモードからスキーモードに切り替えようとすると、問題の右のケーブルを紛失していた。既に機能せず使い物にならないもので、あっても無くても関係ない。往路のトレースを利用して下降開始。しっかり塗ってきたCONTOURのスキンワックス(低温用ブルー)の効きがいいのか、緩斜面でも板が滑り過ぎるぐらいで難なく湯の平へ。犀の河原までは歩き。二人組が休憩中で、家形の避難小屋あたりまで往復するとのこと。お気をつけて。その後も右スキーの板が外れることも無くスムーズに下降し出発地点へ。

13:30 
無事出発地点に到着。今回は雪質判断を含め、反省点の多い山行となった。家形山は東斜面、北東斜面共に怖くて、暫くは滑れそうにありません。 

【参考】
HPとブログで確認したが、DYNASTARの方のSWITCHBACK使用回数と使用年数は以下の通り。

山スキー:20回
ゲレンデ:2回
使用年数:3シーズン

通常なら、たったこれだけで壊れてしまうものとは思えないが。とりあえず残すシーズンはKARHUの方のケーブルを付け替えて、残った片一方のケーブルは予備として山に携行するつもり。
富士フィルムの看板 1600m
家形山頂方向 1780m
五色沼と一切経山 家形山頂から
 中吾妻山方向 山頂は雲の中
東斜面直下 上部の表層雪崩
最終的に右側のケーブルを紛失 
 
断裂箇所 但し右スキーのアウト側
 
GPSログ(上部のみ) 帰りは往路を利用