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2012年 バックカントリーの記録 快晴の安達太良連峰
日時 : 2月22日(水) 8:55〜14:35 (5時間40分)
山域 : 安達太良連峰 鉄山
天候 : 晴れ
スキー : DYNASTAR LEGEND8800 168cm + Voile Switchback
ブーツ : CRISPI CXP LIGHT
移動距離 : 約14km

【動機】
鉄山の西尾根を下るコースは、山スキーの人気ルート。数年前から毎年計画はしていたのだが、天候のタイミングが合わなかったりしてなかなか縁が無かった。下部には迷沢と仏沢もあり、初めてのルートは出来れば天候が良い日に試したい。

【行動記録】
箕輪スキー場の駐車場へ。箕輪スキー場に来るのは2年ぶり。出発の準備を済ませレストハウスへ向かうと、丁度Cリフトが運転を開始。Cリフト1回券を購入しリフトに乗り込む。リフト降り場付近でシールを貼って出発準備完了。今日はKARHUの板からケーブルを移植。予備ケーブルも持参した。

8:55 1380m
シール登行開始。今日は高気圧に覆われ、福島県は勿論、近県も全域快晴の予報で、青い空には雲一つ無く、風も穏やかな絶好の山スキー日和。左に目を向ければ吾妻の山々が一望出来る。まだ9時だが既に太陽は高く、右前方の箕輪山頂方向からは強い日差しが照り付ける。春の訪れも近いと感じる。

箕輪山頂へのコースは今迄何度か訪れているが、デコボコの雪面にいつも手を焼いていた。意識的に少し北から巻くルートを辿ってみることにした。歩きやすいコース取りでは思うように高度が上がらないが、高森川源頭へと落ちる北斜面も覗いてみたいのでトラバース気味にそのまま進む。状況が良さそうなら1本滑ってみたい斜面だったが、雪が少ない上、雪面は荒れブッシュが多い。高森川源頭は即キャンセルし先を急ぐ。北から巻くコースは正解だったようで、過去に比べ快適に進める。気温が低いため雪面が適度に固く、雪を踏み抜くことも無い。スムーズに高度を上げ山頂へ。

9:38 1728m
箕輪山頂。写真撮影と水分補給。この時間ではまだ登頂者はいない。長めの休憩後再スタート。真のピーク点を通過し、東尾根方向へ進む。雪面次第で1本滑ろうかと思っていたが、残念ながらシュカブラの斜面。ザラメの時期には快適な斜面なのだが。次の目標は東鴉川源頭へと落ちる南東斜面だったが、上部から雪面は固く滑れそうにもない。エッジを立てても制動が利きづらくガリガリと横滑り。傾斜が増す下部はマシなのかもしれないが、ここも滑降を中止してシールのまま斜面をトラバースし、鉄山避難小屋を目指すことにする。

鞍部へ向けて凸凹の激しい斜面を慎重に下降する。鉄山方向から登山者が降りてきた。小屋泊か、朝早くから登ったのだろうか?振り返ると、箕輪山頂を目指す3名のパーティが見える。同じ鉄山西尾根目的かも。鞍部から広い沢状へルートを取る。傾斜は緩くフラットな雪面はシール歩きが楽。

10:17 1670m
鉄山避難小屋前。ここから西尾根に進む予定だったが、東鴉川もキャンセルしたので時間はまだまだ余裕。鉄山までの尾根歩きが快適そう。予定を変更して鉄山を目指す。と言っても距離は知れたもので600m程。先程の登山者のものと思われるトレースが残るコースを進む。

10:34 1709m
鉄山。ピークをちょいと通り過ぎて写真撮影スポットへ。下手な写真をパシャパシャと撮りまくってとりあえず満足。展望を楽しむため少しゆっくりする。往路を戻り、鉄山西尾根方向のプロペラの碑(しゃくなげの塔)へと進む。ここからは未踏の地。コンパスを合わせて進行方向を確認し、シールのまま下降する。シールを剥がすタイミングが問題。暫くはデコボコの斜面だが、沢形を越えると徐々に傾斜が出てきて古いスキーのトレースが交錯する斜面になる。正規の尾根コースが確認出来るまではシールでダラダラ下降する。頃合を見てシールを剥がして滑降の準備。アウターを着てみたが暑いぐらい。ゴーグルは不要。

10:32 1525m
滑降開始。途中、西尾根から迷沢へと落ちる北斜面を滑る予定。尾根上の斜面を滑っていくと、自然と北斜面の上部に出た。正面には箕輪のホテルが見える。美味しい斜面は慎重に。板を外して斜面上部で円柱を掘って雪チェック。15cm程度の深さに僅かに弱層があるようだが、流れるかどうか。更に40cm程度にも弱層があるがこちらは結合が強い。板を履いて斜面を斜めに切って確かめる。ワンターンしても問題無しで滑り降りる。日射が無い北斜面は深い粉雪。快適に滑り降りてストップ。折角なのでもう1本、ということでシールを貼って登り返し。登りで使った斜面はブナの疎林で、樹間が広く滑るのにも適。尾根に上がって元の滑降開始点へ。今度はど真ん中の斜面にエントリー。一応慎重にワンターン確認後滑降開始。一気に滑り降りて満腹状態。再度シールを貼ってさっきのトレースを辿り尾根へ。尾根付近まで登ると、男女の声が聞こえてきた。後発が尾根コースを下っている様子。尾根の裏側を見下ろすと、斜面には3本のシュプールが付いていた。

ここらで大休止。景色を楽しみながらゆっくりと昼食後再スタート。3人のシュプール脇を滑り降り、トレースを追う。斜面は広くまだまだ快適。先行の三人組のトレースは次第に尾根を外れ、迷沢方向へ下りて行く。R115へ降りるコース取りではない様子。こちらは進路を修正していく。古いトレースに出会い、そのまま辿ってみると少しミスコース。カニ歩きで少し登って隣の尾根へ。沢を越えれば正規ルート。こっちにも盛大に古いトレースが残っている。迷いようも無く尾根を下降するが、斜面は徐々に密林と化し、プルークボーゲンの我慢スキーとなる。慎重に高度を落とすと林道らしきに合流。快速で飛ばし、ヘアピンカーブを2、3クリアすると、迷沢の渡渉点に出た。

板を外してシールを貼る。つららというか氷瀑と呼んでいいのか、気温が上がって溶け始め水滴が滴り落ちているが見事。シャッターを切る。林道を進むとR115が見えてきた。そのまま進めば仏沢に掛かる橋があるのだろう。単独行なので、R115に車は待っていない。沢は渡らず尾根に上がって箕輪スキー場を目指す。この尾根上にも古いスキーのトレースがある。ルート選択は自由自在、何でもありのコースのようだ。

大汗を掻きながら尾根を辿る。まだ山スキーを始めたばかりの頃、西尾根コースをスキー場から探ろうと、この辺りを徘徊したことがあり、見覚えある景色も現れ始める。小さな沢形をいくつか越えると林道が現れる。仏沢に橋が掛かっていることも承知している。駆け出しの頃の記憶が少しは役にたったようだ。橋を渡って一登りでホテル前のゲレンデに合流。小学生がスキー授業の真っ最中。シールを剥がして丘の上から滑り降りる。ホテル前で、さっき滑った北斜面を確認し写真を撮る。ホテル前を通過し、R115をくぐり抜けてCリフト乗り場のあるレストハウス前へ緩くラストラン。

14:35 1050m
レストハウス前に到着。
西尾根コースは少ない登りで長い距離を滑れることで人気のようだが、雪質の点では今ひとつと感じた。この晴天のせいもあるとは思う。北斜面は良かったが。
箕輪山頂から鉄山方向
鉄山避難小屋
鉄山から安達太良山方向
鉄山から沼の平
プロペラの碑
1525m シールを剥がす
 
 鉄山尾根から北斜面へ 2本目
 
箕輪山方向 1080m広い雪原から 
 
迷沢渡渉点 R115付近の林道末端 
 
鉄山〜安達太良山〜船明神山
 
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