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2012年 バックカントリーの記録 三つのピーク
日時 : 4月25日(水) 6:05〜15:20 (9時間15分)
山域 : 会津駒ケ岳
天候 : 晴れのち曇り
スキー : BLACKDIAMOND FRANTIC 167cm + TARGA G3
ブーツ : CRISPI CXP LIGHT
移動距離 : 約20.5km

【動機】
会津駒ケ岳周辺にはスキー向きの広大な斜面が広がっている。三つのピークを繋ぐ稜線歩きと周辺の斜面の滑降を計画してみた。問題は、適期を過ぎてしまった山の状況だが。会津駒を訪れるのは、今回が3回目。

【行動記録】
今回は車中泊。車内はフラットにしても微妙に凹凸があり、睡眠の質ははイマイチ。起床後、コンビニ弁当とおにぎり2個を無理やり頬張り、大量の水分で流し込んで出発準備完了。

6:05 930m
登山者駐車場から行動開始。少し車道脇を歩いて滝沢登山口に進入。予想通りそこに雪は無い。スキーを担いだまま雪の無い舗装された林道を歩いていく。一体どこまで行けばスキーを履けるのか?沢に掛かる橋を渡ると、今までも利用していた左手の沢沿いに雪がついていた。ここでシールを貼ってスキーを履きシール登行に切り替える。何とか雪は繋がっているが、辺りには折れた枝が散乱していて状況は良くない。1箇所、3m程度雪が切れていたが、シールなので構わず通過。カラマツ林を抜け、上部の林道へ合流。登山者が一人降りてきた。駒の小屋の管理人さんであった。雪は何とか繋がっているが、スキーを外す箇所もあるかもしれないとのこと。ツリー周りは地面が露出しており、気温が上がる下山時には更に状況悪化が予想される。沢状の急斜面に取り付く。ジグを切りながら登る。天候は晴れの予報だが、モヤが掛かっていてまだ日差しは強くないため、快適に行動出来る。気温が上がる前に出来るだけ高度を稼ぎたいところ。GPSを確認すると、ログは尾根を越えた上ノ沢を歩いている。樹林帯は毎度ロストし易いが、一度外すとなかなか復帰しないGPS。電源OFFで無事復帰。途中一度スキーを外してツボで歩いたが、何とか夏道合流点(1350m)まで登り切り、腰を下ろして大休止。登りよりも、帰りの下りが問題になりそう。

ここからは斜度変化はあるものの単調な尾根を登っていく。1600mを越えるとブナの林から徐々にシラビソの樹林帯に変わる。熊鈴とテレの金具の単調なリズムのみが鳴り響く。途中二人組みの登山者を追い抜く。雪の締りが悪く、例年よりも沈み込んで歩きづらいとのこと。そういえば、最近も雪が降ったのかもしれない。1900m付近で森林限界に達し、駒の眺めが良い尾根上で休憩。源六郎沢を挟んだ対岸の斜面には大きなクラックが幾筋も生じ、この時期になると滑降には適さない。緩い南風を受けながら山頂を目指す。斜度は緩んできたがその分道のりは長く感じる。

9:22 2132m
会津駒ケ岳山頂。付近の積雪はまだそれなりで、山頂の標柱は掲載した写真の程度。遠方には霞がかかり、南西方向の燧ケ岳はシルエットが見える程度。一方、北西方向は中門岳に伸びる稜線と御神楽沢に落ちる真っ白な斜面がまばゆい。一休みしてから、シールのまま中門岳に至る稜線歩きへ。シールはBDのグライドライトだが、同じBDのアセンションよりも滑りが悪く感じるのは雪質のせいか。周囲の斜面を観察しながら進む。御神楽沢に滑り込む予定だが、沢へ落ちる斜面には所々クラックが見える。やはり尾根筋を下降するのが無難な選択に思える。稜線歩きには絶好の天候。2094mの名も無いピークを越えて暫く行けば目的地に到着。

9:55 2060m
どこがピークか分からない、のっぺりした中門岳に到着。ここから尾根を滑り降りるつもりでいたのだが、どこにクラックが潜むかも分からない。ある程度状況が見えている2094mのピークから尾根筋を滑ることに決め、往路を引き返す。2094mピーク付近でシールを剥がして滑降開始。雪面がフラットで快適に滑れる。尾根を外さないように忠実に滑り、御神楽沢1750m地点に降り立つ。シールを貼って再登行。安全地帯に入ったところで、腰を下ろして早い昼食。ここからは大戸沢岳を目指して樹林帯の広い尾根を辿る。大分気温が上がってきて暑い。汗が滴る。シラビソが作る日陰を繋ぐライン取りでクールダウンしながら進む。思ったよりもペースが遅い。労働の無い堕落した日々による体力低下が原因。

11:52 2089m
大戸沢岳に到着。ここから先は未定。下大戸沢方向の北東尾根を少し滑ってみようかと思い、斜面上部へ様子見に移動。下部はよく見えないが、斜面の上部は縦溝が目立つ。それよりも上大戸沢方向に落ちる斜面がフラットで快適そうに見えた。少し戻って斜面の上部で滑降準備。持参したワックスを塗って乾くまでしばし休憩。滑ってみると、思った通り斜面の状態は良い。ワックスもバッチリ効いて、気持ちよくスキーは走る。調子良く下っていくが、次第に沢形に吸収されていく。上ノ沢は本流となる伊南川まで見通しが良く素晴らしい高度感だが、辺りは古いデブリ跡が残る斜面で少し腰が引ける。1700mぐらいまで下る予定だったが、一気に斜面をトラバースして右岸へ。上部に雪庇が無い比較的安全そうな斜面で停止(1820m)。振り返ると、滑った斜面の下方にもクラックが走っていた。シールを貼って登り返し、無事尾根に上がってホッと一息、再度大戸沢岳を目指す。尾根上は安全地帯と思っていたが、雪面にクラックが入っている箇所があり、行く手を阻む。スキーを脱いで笹の露出したクラックをクリア。いつの間にか南風が北風に変わっていることに気付く。空には次第に雲が広がってきた。雨が降る予報は出ていなかったので大きな心配はいらないと思うが、気持ち的には良くない。。

13:17 2089m
本日二度目の大戸沢岳を通過。ここから駒の山頂を目指して主稜線の歩き。写真を撮りながら進むが、前方には雲が広がり、眺望の面では少し残念。緩いアップダウンの長い歩きは思ったよりも疲れる。水分をたっぷり吸ったシールの滑りが良くないせいもありそう。山頂は目前、人影が見える。この時間でまだ人が居たとは、意外。

14:00 2089m
本日二度目の駒の山頂。人影は2人組の若い女性登山者だった。夏は福島県広野町でもサーフィンをしていたという、活発そうな栃木の女の子。シャッターを押してあげたり、少しサービス。シールを剥がし、ワックスを塗って滑降の準備完了。源六郎沢へと滑り込み、途中から往路の尾根にトラバースする予定。斜面の状態は、縦溝が思ったよりも深く快適とは言えない。溝を越えると少し跳ねる。1900m辺りから一気にトラバースをかける。シールを貼らずに問題なく尾根に乗る。再度滑降開始。ツボのトレースでガタガタの尾根を慎重に下る。テレマークターンは最小限に。途中、スノーボードの単独行者に追いつく。荒れた雪面に少々手を焼いている様子。徐々に枯れ枝等の障害物も増えてくる。アンテナ脇を通過し、問題の雪の薄い下部の斜面へ。途中で少しルートミスし、雪の無い斜面上部に出てしまう。正規のルートは小さい尾根を一つ挟んだ斜面だった。スキーを脱いで斜面を這い上がり隣の斜面へ。漸く下部の林道に到着。ここから更に雪は減る。何とか雪を繋いで行くが、踏んだ障害物も多い。朝シールを貼った橋に辿り着き、スキーを脱ぐ。スキーを担いで歩いて下り滝沢登山口へ。車道に出れば、数分の歩きで車の待つ駐車場に着く。

15:20
出発地点の登山者駐車場に到着。計画が不十分で、全般に効率の悪いルート取りとなってしまった。雪が少なく、斜面の状態が悪かったことも影響しているが。次はいつの機会になるか分からないが、またそのうちということで。
1990m地点から会津駒ケ岳
会津駒山頂着
中門岳から会津駒方向
御神楽沢 1750m
2094mピークと下降した尾根
大戸沢岳から上大戸沢への滑降斜面
大戸沢岳へ向け東尾根を登り返す
大戸沢岳から会津駒への稜線歩き
会津駒山頂から源六郎沢へ
 
会津駒山頂から中門岳方向 魅惑の白い斜面
 
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